不完全菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/14 00:17 UTC 版)
不完全菌(ふかんぜんきん、fungi imperfecti)とは、子のう菌・担子菌の仲間ではあるものの、有性生殖を営むステージが未発見であるため分類学的な位置が不詳である状態のもの及びその集合に対する呼称である。呼称の由来は、菌類の生活環において有性生殖を行わず無性生殖のみを行うステージである不完全世代(アナモルフ)のみが発見され、有性生殖も行うステージである完全世代(テレオモルフ)が不明であることによる。身近に見ることのできるカビの大部分は不完全世代の状態であり、しばしば不完全菌が含まれる。
不完全菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 04:53 UTC 版)
分生子形成などの無性生殖でのみ繁殖する菌を不完全菌という。それらは実際には有性生殖を有している可能性があるが、それを実際に確認することは難しい。また有性生殖を実際には行っていない可能性もある。その多くが子嚢菌類に属すると考えられている。ただし子嚢菌類にも不完全世代(アナモルフ)を発達させない例もあるし、担子菌系の不完全菌も知られている。かつては有性生殖が確認出来ない限りは正しい分類が出来ないとしていたが、現在では遺伝情報からその分類上の位置を推定することが可能となっている。
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不完全菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/26 08:34 UTC 版)
アルツロボトリス(アースロボトリス)属Arthrobotrysやダクティラリア属Dactylariaなど、有性生殖ステージが不明で不完全菌に入れられているいくつかの属の菌が、線虫捕食菌の範疇に含まれる。これらは通常は腐生菌としてふるまい、通常の培地でもよく成育する。菌体の近くに線虫が接近すると、捕獲器を形成する。捕獲器の構造にはさまざまなものがあり、よく見掛けるのは菌糸の側面に枝を出し、それがさらに枝分かれして、ちいさな迷路のようなものを作り、線虫がここに首を突っ込むと捕まえてしまうものである。他に、小さな突起を出して、そこで線虫を捕まえるもの、小さな輪を作るもの、さらに巧妙なものでは、菌糸の輪に線虫が首を突っ込むと、瞬間的に輪の細胞がふくらみ、線虫を締めつけてしまうものがある。有性世代の判明しているものではその形態の観察が行われており、遺伝子の塩基配列の解析などを併用した研究によれば、その多くは担子菌としての有性世代を持つとされるが、子嚢菌(たとえば前述のOrbilia属など)も含まれていると考えられている。
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「不完全菌」の例文・使い方・用例・文例
- 表在性で分生子殻に包まれていない分生子柄を持つ、分生子柄のない不完全菌類の目
- 寄生的で酵母のような不完全菌で、枝分かれ鎖に球状または卵形の分生子を持つ
- モニリア属の酵母のような不完全菌類の総称
- 酵母のような不完全菌類の属
- カンジダ属の酵母のような不完全菌類
- 胞子と分生子柄に色素が欠けている不完全菌類の形態属
- 黒色の菌糸と分生子柄を持つ不完全菌類
- 細長い胞子を持つ葉に寄生する不完全菌類
- 黒穂病のような病気を引き起こす不完全菌属
- 主に腐生の不完全菌類の科
- 胞子期が分かっていない、不完全菌類の目
- 現在、いくつかの種はペリキュラリア属とコーティシウム属に置かれている不完全菌類、というのも完全な段階が見つけられたから
- 不完全菌類を構成する
- 発芽しない不完全菌類
- 稲熱病という,不完全菌の寄生による稲の病気
不完全菌と同じ種類の言葉
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