上堰・下堰・御堰の建設とは? わかりやすく解説

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上堰・下堰・御堰の建設

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/16 19:42 UTC 版)

田沢疏水」の記事における「上堰・下堰・御堰の建設」の解説

仙北平野東部奥羽山脈西麓地域における未墾開拓歴史きわめて古く江戸時代前中期さかのぼる。扇央部に広がる原野採草地は、水量豊富な玉川利用して開墾進められた。玉川取水した当時主要な用水路としては上堰白岩豊岡横沢)、下堰(白岩豊川横沢)があり、さらに四ケ堰(豊川)、若松堰(神代)、黒倉堰(白岩神代)、鶯野堰(長野)、高瀬堰四ツ屋花館)、松倉堰(四ツ谷神宮寺)などがあった。ただし、これらは主として扇端部の灌漑には利用されたものの、扇頂部や扇央部の砂礫地のほとんどは依然放置されたままであった。 この扇央部の山林原野開墾することは藩政期通じて念願であった。「上堰完成から約130年後の文政7年1824年)、ようやく久保田藩藩主佐竹氏開墾事業乗り出した。これは、角館蘆名氏遺臣蓮沼仲の進言計画よるもので、藩主佐竹義厚による裁可のもと藩営事業として「上堰」の東側白岩から六郷まで約33キロメートルにおよぶ用水路「御堰(おせき)」を建設し新田開発古田補給として利用しようというものである。これには、藩財政たずさわっていた高橋新兵衛と、当時周辺からは富裕なとして知られていた六郷村資産家数名協力した文政7年から抱返神社上流玉川を横留めする工事を4回おこなったが、そのたび洪水によって流されてしまったのでこれを断念し結局阿仁銅山から当初80人、のち180人の坑夫動員して数か所におよぶ隧道掘削することとした。隧道つらなる用水路は2本で、1本目仙北郡南端に近い野中村野荒町いずれも美郷町)におよび、2本目はその西側走り六郷川内池(現美郷町)に至る長大なものである最終的に工事開始から10年近い歳月巨額費用投じて天保4年1833年6月完成した開田は、当初1,000町歩見込んでいたが、古田への補給が主となり新規開田は約200ha(ほぼ200町歩)にとどまった。これが田沢疏水始まりである。 しかし、苦難の末に完成した「御堰」の水路も、毒水被害天保の大飢饉1835年-1836年)による粗放管理度重なる洪水などのため次第漏水決壊埋没がみられ、安政元年1854年)の大洪水機にほとんど使用できない態となってしまった。さらに、明治11年1878年)の大洪水白岩五社堂隧道崩壊し、諸河川からあふれて堤防樋管損傷して疏水としての機能を完全に失った明治37年1904年)、秋田県は「御堰」復旧調査着手し現地踏査おこなった技師小野常治は秋田県知事椿蓁一郎対し、2,400町歩灌漑が可能であると復命し、復旧工事費は15万円とされた。また、38年1905年)には白岩村から金沢西根村に至る2,092町歩開墾大曲町周辺への726町8反5畝への用水補給見込んだ計画書が岡喜七郎知事提出されたが実現には至らなかった。 明治45年1912年)には旧藩主の嫡男であった侯爵佐竹義生が「御堰」復旧玉川水利使用許可得て復旧奔走した実現せずまた、大正9年1920年)には東北拓殖株式会社資本金1,000万円東京市京橋区設立されそのなかで再度「御堰」復旧検討されたが、大正12年1923年)の関東大震災影響などもあって着工には至らなかった。

※この「上堰・下堰・御堰の建設」の解説は、「田沢疏水」の解説の一部です。
「上堰・下堰・御堰の建設」を含む「田沢疏水」の記事については、「田沢疏水」の概要を参照ください。

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