リーマン多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/13 02:22 UTC 版)
微分幾何学におけるリーマン多様体(リーマンたようたい、英: Riemannian manifold)とは、可微分多様体のうちその各点に基本計量テンソル g が与えられるものを言う。ベルンハルト・リーマンによって導入された。
- 1 リーマン多様体とは
- 2 リーマン多様体の概要
リーマン多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 02:06 UTC 版)
可微分多様体 M と、M上の計量テンソルと呼ばれる(非退化・正定値・対称)2階の共変テンソル g をあわせたものはリーマン多様体と呼ばれる。テンソルgによって Mの各点での接空間に対し接ベクトルの長さを表す正定値の2次形式が与えられ、これをもとにしてM上の曲線の弧長を定義することができる。M上の距離は2点間を結ぶ長さ最小の曲線(測地線)の長さとして定められる。
※この「リーマン多様体」の解説は、「距離空間」の解説の一部です。
「リーマン多様体」を含む「距離空間」の記事については、「距離空間」の概要を参照ください。
(擬)リーマン多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 03:09 UTC 版)
「可微分多様体」の記事における「(擬)リーマン多様体」の解説
リーマン多様体とは接空間に微分可能なような内積を入れた可微分多様体である。内積構造はリーマン計量と呼ばれる対称2階テンソルの形式で与えられる。この計量はベクトルと余ベクトルを相互変換するために、そして階数4のリーマン曲率テンソルを定義するために、使うことができる。リーマン多様体には、長さ、体積、角度の概念がある。任意の可微分多様体にはリーマン構造を与えることができる。 擬リーマン多様体はリーマン多様体の変種で、計量テンソルが(正定値とは対照的に)不定値符号を持つことも許したものである。符号 (3, 1) の擬リーマン多様体は一般相対論において重要である。すべての可微分多様体に擬リーマン構造を与えられるわけではない。位相幾何学的な制限があるのである。 フィンスラー多様体(英語版)はリーマン多様体の一般化で、内積をベクトルノルムに置き換えたものである。長さは定義できるが、角度は定義できない。
※この「(擬)リーマン多様体」の解説は、「可微分多様体」の解説の一部です。
「(擬)リーマン多様体」を含む「可微分多様体」の記事については、「可微分多様体」の概要を参照ください。
リーマン多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/05 14:41 UTC 版)
「勾配 (ベクトル解析)」の記事における「リーマン多様体」の解説
リーマン多様体 (M, g) 上の任意の滑らかな関数 f に対し、f の勾配 ∇f とは、任意のベクトル場 X について g ( ∇ f , X ) = ∂ X f , i.e., g x ( ( ∇ f ) x , X x ) = ( ∂ X f ) ( x ) {\displaystyle g(\nabla f,X)=\partial _{X}f,\quad {\text{i.e.,}}\quad g_{x}((\nabla f)_{x},X_{x})=(\partial _{X}f)(x)} を満たすベクトル場を言う。ただし gx( , ) は計量 g の定める x における接ベクトルの内積で、∂Xf(X(f) とも書く)は各点 x ∈ M において X 方向への f の方向微分の x における値をとる関数である。言い換えれば、座標チャート φ において M の開集合から Rn の開集合への写像 (∂Xf)(x) は ∑ j = 1 n X j ( φ ( x ) ) ∂ ∂ x j ( f ∘ φ − 1 ) | φ ( x ) {\displaystyle \sum _{j=1}^{n}X^{j}(\varphi (x)){\frac {\partial }{\partial x_{j}}}(f\circ \varphi ^{-1}){\Big |}_{\varphi (x)}} で与えられる。ここに Xj は、この座標チャートにおける X の第 j 成分を表す。 故にこの勾配の局所形は ∇ f = g i k ∂ f ∂ x k ∂ ∂ x i {\displaystyle \nabla f=g^{ik}{\frac {\partial f}{\partial x^{k}}}{\frac {\partial }{\partial x^{i}}}} となる。M = Rn の場合を一般化して、関数の勾配と外微分とを ( ∂ X f ) ( x ) = d f x ( X x ) {\displaystyle (\partial _{X}f)(x)=df_{x}(X_{x})} によって関係づけることができる。より細かく言えば、勾配ベクトル場 ∇f は微分一次形式 df と g の定める上げ同型(英語版)(シャープ) ♯ = ♯ g : T ∗ M → T M {\displaystyle \sharp =\sharp ^{g}\colon T^{*}M\to TM} を用いて対応付けられる。Rn 上の関数の勾配と外微分との間の関係は、この計量がドット積の与える平坦計量である特別の場合である。
※この「リーマン多様体」の解説は、「勾配 (ベクトル解析)」の解説の一部です。
「リーマン多様体」を含む「勾配 (ベクトル解析)」の記事については、「勾配 (ベクトル解析)」の概要を参照ください。
- リーマン多様体のページへのリンク