プルサーマル計画
原子力発電において、ウランとプルトニウムから成る「MOX燃料」を使用して発電を行う「プルサーマル」方式の実用化を目指す計画。プルトニウムをサーマルリアクタ(軽水炉)で使用することから、プルサーマルと略される。
発電に使用された核燃料にはプルトニウムと呼ばれる人工放射性元素とウランが含まれる。これらを再処理によって取り出し、混合させ、代替燃料として軽水炉で使用することが可能となる。従来の軽水炉で運用することが可能であるため、高速増殖炉が実用化されるまでの過渡的方式として期待されている。
プルサーマル計画使用済み核燃料を再利用することになるため、高レベル放射性廃棄物の排出量を削減することができるというメリットもある。その反面、MOX燃料は制御棒の制御能力が悪くなり、安全に停止させる難易度が向上する。また、ウランから新規に核燃料を製造するほうが経済的効率が高い。
日本では「もんじゅ」のトラブルにより高速増殖炉の開発計画が長期的に頓挫しかけたことから、その間の空白を埋める代替手法としてプルサーマル計画が進められた。2009年に九州電力がMOX燃料の使用を開始、2011年5月時点で四国電力、東京電力など複数の発電事業者がプルサーマル発電を進めている。
プルサーマル‐けいかく〔‐ケイクワク〕【プルサーマル計画】
プルサーマル
(プルサーマル計画 から転送)
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プルサーマルとは、プルトニウムで燃料を作り、従来の熱中性子炉で燃料の一部として使うことを言う。
- ^ 原子炉とプルトニウム 原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト[リンク切れ]
- ^ なぜ高速増殖炉の研究開発が必要か?-詳細-国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
- ^ 原子燃料サイクルのメリット 電気事業連合会
- ^ 舘野淳 (PDF). 労多くして益少なし―不必要な「プルサーマル」,「プルサーマルを考える対話フォーラム」講演資料,2009.10. .
- ^ a b 軽水炉用MOX(プルサーマル)燃料 (02-08-04-02)
- ^ Obama budget puts SC's MOX fuel project on ice
- ^ 三菱重工業は米国エネルギー省(DOE)と原子力GNEP計画の契約を締結三菱重工 2007年11月21日
- ^ “浜岡原発プルサーマル、静岡県が正式受け入れ表明”. 毎日jp (毎日新聞社). (2008年1月30日). オリジナルの2008年1月31日時点におけるアーカイブ。
- ^ プルサーマル計画:高浜原発で3年半ぶりに再開 関西電力 Archived 2008年1月31日, at the Wayback Machine.
- ^ しかし前知事の佐藤栄佐久によれば、県議会でも安全性に関する議論らしい議論は無かったという。佐藤栄佐久元福島県知事 緊急インタビュー
- ^ 高浜発電所3号機の本格運転再開について
- ^ 伊方発電所3号機におけるプルサーマル開始について
- ^ “九電 プルサーマル営業運転開始 核燃料サイクル確立へ前進”. フジサンケイビジネスアイ (産経デジタル). (2009年12月3日). オリジナルの2009年12月7日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b プレスリリース 福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル開始について
- ^ “高浜3、4号にMOX燃料装荷へ 再稼働時、関西電力が方針”. 福井新聞. (2015年2月10日07時20分) 2016年2月21日閲覧。
- ^ 関西電力「当社プルサーマル計画の経緯について」
- 1 プルサーマルとは
- 2 プルサーマルの概要
- 3 日本国内での動向
- 4 脚注
プルサーマル計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 03:34 UTC 版)
2010年12月5日 関西電力は3号機の原子炉にMOX燃料の装荷を完了したと発表した。 2010年12月25日 3号機の調整運転を開始した。 2011年1月21日 3号機でプルサーマルの営業運転を開始した。 2012年2月20日 定期点検のため3号機の運転を停止。 2016年1月29日 3号機がプルサーマルで再稼働。プルサーマル運転での再稼働は初。 2016年1月31日 4号機にMOX燃料を装荷。4号機でのプルサーマル運転は初めて。
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プルサーマル計画
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「島根原子力発電所」の記事における「プルサーマル計画」の解説
2005年(平成17年)9月12日 中国電力は島根原発2号機でプルサーマル計画を実施したいと、島根県と松江市に対して事前了解願いを出した。その時点で、島根県はすぐに了解の結論を出そうとしたが、松江市は慎重な姿勢を取った。 2005年(平成17年)11月〜 島根県は同年11月「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料に関する懇談会」を設置した 。人選は賛成派でほぼ固められた[要出典]。懇談会は翌2006年5月にかけて10回開かれた。懇談会により事前了解を可とする意見書がまとめられ、2006年5月に県知事に提出された。 2006年(平成18年)2月〜 一方の松江市は、2006年2月1日から7月15日までの期間、公民館単位で住民説明を行った。その他、学習会やシンポジウムを開いた。2006年になって活断層の存在が実証されると、市長自ら現地に出かけて説明を受けた。 2006年(平成18年)10月23日 島根県,松江市が原子炉設置変更許可申請を了解。中国電力が国(経済産業大臣)に原子炉設置変更許可を申請。 2008年(平成20年)10月28日 国(経済産業大臣)は、原子炉設置変更を許可。 2009年(平成21年)6月21日 中国電力は、当初の2010年度までのプルサーマルの実施の計画を見直し、2015年度までの早期のプルサーマル実施を目指すこととした。
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プルサーマル計画
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「志賀原子力発電所」の記事における「プルサーマル計画」の解説
志賀原子力発電所の1号機では、プルサーマルの導入を計画しており、2010年6月28日に石川県に対し、実施申し入れを行っている。 2011年現在、2015年度を目途に1号機でのプルサーマル導入を目指しているが、北陸電力会長の永原功は「震災もあったし、九州や北海道でもやらせ問題もあったので、当面は無理」と発言し、志賀原子力発電所での導入の凍結を示唆した。 この発言に対し、北陸電力はプルサーマル計画を凍結していないと公表。ウラン資源の有効利用やエネルギーの安定供給などの観点から「ウラン燃料のリサイクルは必要」としている
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プルサーマル計画
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「浜岡原子力発電所」の記事における「プルサーマル計画」の解説
4号機で2010年までにプルサーマルを実施する予定であったが、2010年12月6日、中部電力は延期と発表した。
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