モックス‐ねんりょう〔‐ネンレウ〕【MOX燃料】
読み方:もっくすねんりょう
《MOXは、mixed oxide》原子力発電所で使用したウラン燃料を再処理工場で処理し、ウランとプルトニウムの混合酸化物としたもの。ウランと同様に核燃料として利用する。ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料。プルサーマル燃料。MOF(mixed oxide fuel)。→プルサーマル
MOX燃料
MOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料)
MOX燃料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 03:31 UTC 版)
MOX燃料(モックスねんりょう)とは混合酸化物燃料の略称であり、原子炉の使用済み核燃料中に1%程度含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜてプルトニウム濃度を4-9%に高めた核燃料である[1]。主として高速増殖炉の燃料に用いられるが、既存の軽水炉用燃料ペレットと同一の形状に加工し、適切な核設計を行ったうえで適切な位置に配置することにより、軽水炉のウラン燃料の代替として用いることができる。これをプルサーマル利用と呼ぶ。MOXとは(Mixed OXide 「混合された酸化物」の意)の頭文字を採ったものである。
- ^ “MOX燃料加工事業の概要”. 日本原燃. 2021年7月1日閲覧。
- ^ “Information from the World Nuclear Association about MOX(英語)”. 2021年7月1日閲覧。
- ^ Burakov, B. E.; Ojovan, M. I.; Lee, W. E. (2010). Crystalline Materials for Actinide Immobilisation. London: Imperial College Press. p. 58
- ^ Natarajan, R. (2015). “Reprocessing of spent fast reactor nuclear fuels, Natarajan”. Reprocessing and Recycling of Spent Nuclear Fuel: 213–243. doi:10.1016/B978-1-78242-212-9.00009-5.
- ^ 鈴木美寿,他 (2012年11月12日). “ロシア余剰核兵器解体プルトニウム処分協力 (pdf)”. JAEA-Review 2012-044. 日本原子力研究開発機構. p. 3. 2016年1月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “核燃料サイクルについて”. 原子力委員会. 2021年1月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “令和元年度原子力の利用状況等に関する調査(海外における原子力政策等動向調査)実績報告書(三菱総合研究所)”. 経済産業省. 2021年1月9日閲覧。
- ^ “福島第一原子力発電所3号機におけるプルサーマル開始について”. 東京電力株式会社. 2021年7月1日閲覧。
- 1 MOX燃料とは
- 2 MOX燃料の概要
- 3 各国での利用
- 4 日本での搭載実施状況
- 5 脚注
MOX燃料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 11:05 UTC 版)
炉心内中央部にはセラミック上に焼き固められた混合酸化物燃料、MOX燃料と呼ばれる核燃料集合体が置かれる。 使用前のMOX燃料は、燃料となるプルトニウム239とウラン235が微量と、あとは核分裂をほとんど起こさないウラン238で占められている。 MOX燃料は、(最初は)他の原子炉で使用済みとなった核燃料棒を再処理して取り出されるプルトニウムとウランを混合して酸化させペレット状に固めて燃料被覆管に詰められ核燃料棒とされる。酸化させることで熱に強くして溶けにくくしている。このプルトニウムは、軽水炉内から取り出された使用済み燃料を再処理して得られた物か、高速増殖炉のブランケットを処理して得られた物のいずれかであり、軽水炉由来の方がプルトニウムの同位体が多く含まれている。ウランは、天然ウランからウラン235を相当分抽出した残り(劣化ウラン)か、または天然ウランそのものである場合と、軽水炉や高速増殖炉のMOX燃料・ブランケットを処理して得られた物などであり、いずれも核燃料として有益なウラン235はあまり含まれていない。 使用済み核燃料中には核分裂に伴う分裂片や多くの元から含まれる核燃料近縁の重核種の同位体が含まれ、再処理前にプール内で十分な冷却期間を置いても何年も熱を帯びながら崩壊による強い放射線を放ち続ける。プルトニウムを分離後も、プルトニウム239の他にプルトニウム238やプルトニウム240、プルトニウム241などが含まれ熱と強い放射線を受けながら核燃料の製造を行わねばならない。 なおプルトニウムの混合割合を富化度といい、高速増殖炉ではこの割合を20 - 30%とする。
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