フラッシュ‐メモリーとは? わかりやすく解説

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フラッシュメモリー(ふらっしゅめもりー)(flash memory)

デジタル情報記録する半導体製品

電気的に書き込み消去、そして再書き込みできるメモリーの名前。住所録スケジュール設定情報などのデジタル情報保存できる情報技術(IT)を支え基盤のひとつ。

フラッシュメモリーは、電気的に記録され情報について新しデータ書き込んだ不要なデータ消去したりできる。電流がなくてもフラッシュメモリー上の情報そのまま記憶されるので、電源切ったあとでも情報消えことはない。

フラッシュメモリーは、携帯電話をはじめ、デジタルカメラ家庭用ゲーム機電子手帳などさまざまな製品中に組み込まれている。世界の市場規模は約1兆円と推定されているが、家庭における情報家電浸透などによって、今後急成長期待できる分野となっている。

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(2002.11.26更新


フラッシュメモリー

→「EEPROM」の項参照

関連用語


フラッシュメモリー

電源を切っても記憶した内容が保持されるメモリーシステム。MMカードやソニーのメモリースティックなど、各社が応用商品を発売している。記憶容量は現在は64MBが最高だが、技術進歩でこの限界値はもっと高くなる。

(執筆:オーディオビジュアル評論家 麻倉怜士)
※この情報は「1999~2002年」に執筆されたものです。


フラッシュメモリ

別名:Flashメモリ,フラッシュメモリー
【英】Flash Memory

フラッシュメモリとは、電気的にデータ書き換えることが可能で、電力供給しなくてもデータ保持することができる(不揮発性の)半導体メモリである。コンピュータ外部記憶装置などに用いられている。

不揮発性の半導体メモリとしてはEEPROM先立って開発されており、フラッシュメモリはこのEEPROM改良によって登場した記憶媒体である。両者主な違いは、EEPROMデータバイト単位書き換えるが、フラッシュメモリは数十キロバイト程度データを「ブロック」の単位まとめて扱う、という点である。フラッシュメモリのデータ書き換える場合当該データだけでなく、当該データを含むブロック消去する必要がある他面、フラッシュメモリはデータ消去必要な装置ブロックごとに共有できるため、単位容量あたりの回路構成簡素化することができる。このため製造コスト低下と、面積あたりの記憶容量大容量化が実現される

フラッシュメモリは回路構造によって「NAND型フラッシュメモリ」と「NOR型フラッシュメモリ」に区分されるNAND型フラッシュメモリ書き込み高速で、大容量化しやすいという特徴がある。NOR型フラッシュメモリには、読み込み高速であり、信頼性が高いという特徴がある。SSDUSBメモリのように価格データ書き込み重点置かれる記憶媒体にはNAND型フラッシュメモリ多く用いられ電子機器制御プログラムファームウェア)のように書き込みよりも読み出し重点置かれる記憶媒体にはNOR型フラッシュメモリ多く用いられている。


フラッシュメモリ

(フラッシュ‐メモリー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 14:20 UTC 版)

フラッシュメモリ: Flash Memory)は、浮遊ゲートMOSFETと呼ばれる半導体素子を利用し、浮遊ゲートに電子を蓄えることによってデータ記録を行う不揮発性メモリである。東芝舛岡富士雄が発明した[1][2]。データを消去する際に、ビット単位ではなくブロック単位でまとめて消去する方式を採ることにより、構造が簡素化し、価格が低下したため、不揮発性半導体メモリが爆発的に普及するきっかけとなった。消去を「ぱっと一括して」行う特徴から、写真のフラッシュをイメージしてフラッシュメモリと命名された[3]


注釈

  1. ^ 構造からは「押し流す」=flushという感じだが、公称はflashである。
  2. ^ 製品やメーカーによってはメモリセル単体の寿命を1万回や10万回程度の保証としている(SPANSION社のフラッシュメモリデータシートによる)

出典

  1. ^ 世紀の発明「フラッシュメモリーを作った日本人」の無念と栄光(週刊現代) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2022年5月31日閲覧。
  2. ^ 残念な東芝で「フラッシュメモリーの父」は活かされなかった”. ダイヤモンド・オンライン (2017年5月29日). 2022年5月31日閲覧。
  3. ^ http://www.takeda-foundation.jp/reports/pdf/ant0104.pdf
  4. ^ Jonathan Thatcher, Fusion-io; Tom Coughlin, Coughlin Associates; Jim Handy, Objective-Analysis; Neal Ekker, Texas Memory Systems (April 2009). NAND Flash Solid State Storage for the Enterprise, An In-depth Look at Reliability. Solid State Storage Initiative (SSSI) of the Storage Network Industry Association (SNIA). オリジナルの14 October 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111014033413/http://snia.org/sites/default/files/SSSI_NAND_Reliability_White_Paper_0.pdf 2011年12月6日閲覧。. 
  5. ^ Taiwan engineers defeat limits of flash memory”. phys.org. 2016年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
  6. ^ Flash memory made immortal by fiery heat”. theregister.co.uk. 2017年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
  7. ^ Flash memory breakthrough could lead to even more reliable data storage”. news.yahoo.com. 2012年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
  8. ^ Richard Blish. "Dose Minimization During X-ray Inspection of Surface-Mounted Flash ICs" Archived 20 February 2016 at the Wayback Machine.. p. 1.
  9. ^ Richard Blish. "Impact of X-Ray Inspection on Spansion Flash Memory" Archived 4 March 2016 at the Wayback Machine.
  10. ^ SanDisk Extreme PRO SDHC/SDXC UHS-I Memory Card”. 2016年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月3日閲覧。
  11. ^ Samsung 32GB USB 3.0 Flash Drive FIT MUF-32BB/AM”. 2016年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月3日閲覧。
  12. ^ (3)【フラッシュメモリー編】 長期間放置するとセル内の情報が消える《データ消失の謎》 - PC Online
  13. ^ 【福田昭のセミコン業界最前線】 NANDフラッシュメモリの信頼性を保つ技術 - PC Watch
  14. ^ (3/5)100年持たせるデータ保存術 - 【フラッシュメモリー】長期間の放置でデータが消える - ITpro
  15. ^ IEDM 2008 - フラッシュメモリにも中性子線ソフトエラーが発生
  16. ^ a b NOR FLASH FAQS - KBA222273 - Cypress Developer Community”. サイプレス (2018年3月26日). 2018年6月7日閲覧。
  17. ^ MemCon Tokyo 2007レポート(フラッシュメモリ編)”. Impress Watch / PC Watch. 2013年3月5日閲覧。
  18. ^ SSDの耐久性 - Hewlett-Packard
  19. ^ 寿命を迎えたフラッシュメモリのレポート - USBメモリの書き換え限界寿命が来ると何が起きるのか、実際に寿命が来たケースをレポート - GIGAZINE
  20. ^ IntelとMicronがマルチレベルNANDフラッシュの不良を解析 - PC Watch
  21. ^ フラッシュATAメモリーカード - Weblio辞書
  22. ^ メモリーカードの価格が大暴落中! - All About
  23. ^ 東芝、300億円の営業赤字に 08年中間決算 - 47news
  24. ^ 東芝,NANDフラッシュ・メモリの赤字は通期で390億円 - 日経BP TechOn
  25. ^ フラッシュメモリー製造 米国NASDAQ上場Spansion Inc.子会社 Spansion Japan株式会社 会社更生法の適用を申請 負債741億円 - 帝国データバンク


「フラッシュメモリ」の続きの解説一覧

フラッシュメモリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 04:53 UTC 版)

インテル」の記事における「フラッシュメモリー」の解説

NOR型フラッシュメモリを得意とするが、前述通り事業STマイクロエレクトロニクス、フランシスコ・パートナーズとの合弁会社Numonyx」に移管した。NAND型フラッシュメモリは、マイクロン・テクノロジーとの合弁会社IM フラッシュ・テクノロジーズ」にて生産されIntelMicron双方ブランド販売される

※この「フラッシュメモリー」の解説は、「インテル」の解説の一部です。
「フラッシュメモリー」を含む「インテル」の記事については、「インテル」の概要を参照ください。


フラッシュメモリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 23:04 UTC 版)

データの完全消去」の記事における「フラッシュメモリー」の解説

USBメモリメモリーカードSDメモリーカード等)のデバイスについては、フラッシュメモリーの特性上、書込の前に記憶ブロックをいったん消去する必要がある。しかし、OSまたはデバイスウェアレベリング機能により、同一ファイル(または論理ブロックアドレス)を上書き処理しても、フラッシュメモリー上の同一ブロック書き込まれ保証はない。この機能が働く場合単一ファイルの上書き処理は、古いブロックデータ痕跡残ったまま新しブロック上書きされることになり、データ完全消去の意味成さない。 そのため、後述の#オペレーティングシステムの標準コマンドを用いた消去処理の例の手法では、OSから見るとパーティション全部や一部、またはファイルデータの上書き行なっているが、フラッシュメモリー内部では記憶ブロック配置換え頻繁に行われるため、ほとんど有効でない。 フラッシュメモリーの特性上、記憶ブロックをいったん消去する事は頻繁に行われるが、このブロック消去デバイス内部処理行われるものであり、OSからの通常のデータ書込コマンドによっては、必ずしも行われる保証がないと言うことである。 逆に言うと、フラッシュメモリーデバイスの専用ツール用いてディスク全体に対して記憶ブロック消去コマンド発行する処理はSecure Erase呼ばれるが、それは、データの完全消去有効な手段となりうる。ただし、記憶ブロック消去した直後のフラッシュメモリー素子物理的なレベルでの残留情報存在完全性十分に研究されていないまた、カリフォルニア大学サンディエゴ校研究により、専用ハードウェア用いればOSアクセスできない場所にある一時データ読み取ることが可能だ判明した。このハードウェア残留磁気探索装置比べ遥かに安価に作れるため、OS上で行う消去では十分なセキュリティ保てない状況となっている。

※この「フラッシュメモリー」の解説は、「データの完全消去」の解説の一部です。
「フラッシュメモリー」を含む「データの完全消去」の記事については、「データの完全消去」の概要を参照ください。

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