フラッシュメモリ
【英】Flash Memory
フラッシュメモリとは、電気的にデータを書き換えることが可能で、電力を供給しなくてもデータを保持することができる(不揮発性の)半導体メモリである。コンピュータの外部記憶装置などに用いられている。
不揮発性の半導体メモリとしてはEEPROMが先立って開発されており、フラッシュメモリはこのEEPROMの改良によって登場した記憶媒体である。両者の主な違いは、EEPROMはデータをバイト単位で書き換えるが、フラッシュメモリは数十キロバイト程度のデータを「ブロック」の単位でまとめて扱う、という点である。フラッシュメモリのデータを書き換える場合、当該データだけでなく、当該データを含むブロックを消去する必要がある。他面、フラッシュメモリはデータの消去に必要な装置をブロックごとに共有できるため、単位容量あたりの回路構成を簡素化することができる。このため、製造コストの低下と、面積あたりの記憶容量の大容量化が実現される。
フラッシュメモリは回路構造によって「NAND型フラッシュメモリ」と「NOR型フラッシュメモリ」に区分される。NAND型フラッシュメモリは書き込みが高速で、大容量化しやすいという特徴がある。NOR型フラッシュメモリには、読み込みが高速であり、信頼性が高いという特徴がある。SSDやUSBメモリのように価格とデータの書き込みに重点が置かれる記憶媒体にはNAND型フラッシュメモリが多く用いられ、電子機器の制御プログラム(ファームウェア)のように書き込みよりも読み出しに重点が置かれる記憶媒体にはNOR型フラッシュメモリが多く用いられている。
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フラッシュメモリ
(Flashメモリ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 14:20 UTC 版)
フラッシュメモリ(英: Flash Memory)は、浮遊ゲートMOSFETと呼ばれる半導体素子を利用し、浮遊ゲートに電子を蓄えることによってデータ記録を行う不揮発性メモリである。東芝の舛岡富士雄が発明した[1][2]。データを消去する際に、ビット単位ではなくブロック単位でまとめて消去する方式を採ることにより、構造が簡素化し、価格が低下したため、不揮発性半導体メモリが爆発的に普及するきっかけとなった。消去を「ぱっと一括して」行う特徴から、写真のフラッシュをイメージしてフラッシュメモリと命名された[3]。
注釈
出典
- ^ “世紀の発明「フラッシュメモリーを作った日本人」の無念と栄光(週刊現代) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2022年5月31日閲覧。
- ^ “残念な東芝で「フラッシュメモリーの父」は活かされなかった”. ダイヤモンド・オンライン (2017年5月29日). 2022年5月31日閲覧。
- ^ http://www.takeda-foundation.jp/reports/pdf/ant0104.pdf
- ^ Jonathan Thatcher, Fusion-io; Tom Coughlin, Coughlin Associates; Jim Handy, Objective-Analysis; Neal Ekker, Texas Memory Systems (April 2009). NAND Flash Solid State Storage for the Enterprise, An In-depth Look at Reliability. Solid State Storage Initiative (SSSI) of the Storage Network Industry Association (SNIA). オリジナルの14 October 2011時点におけるアーカイブ。 2011年12月6日閲覧。.
- ^ “Taiwan engineers defeat limits of flash memory”. phys.org. 2016年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
- ^ “Flash memory made immortal by fiery heat”. theregister.co.uk. 2017年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
- ^ “Flash memory breakthrough could lead to even more reliable data storage”. news.yahoo.com. 2012年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
- ^ Richard Blish. "Dose Minimization During X-ray Inspection of Surface-Mounted Flash ICs" Archived 20 February 2016 at the Wayback Machine.. p. 1.
- ^ Richard Blish. "Impact of X-Ray Inspection on Spansion Flash Memory" Archived 4 March 2016 at the Wayback Machine.
- ^ “SanDisk Extreme PRO SDHC/SDXC UHS-I Memory Card”. 2016年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月3日閲覧。
- ^ “Samsung 32GB USB 3.0 Flash Drive FIT MUF-32BB/AM”. 2016年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月3日閲覧。
- ^ (3)【フラッシュメモリー編】 長期間放置するとセル内の情報が消える《データ消失の謎》 - PC Online
- ^ 【福田昭のセミコン業界最前線】 NANDフラッシュメモリの信頼性を保つ技術 - PC Watch
- ^ (3/5)100年持たせるデータ保存術 - 【フラッシュメモリー】長期間の放置でデータが消える - ITpro
- ^ IEDM 2008 - フラッシュメモリにも中性子線ソフトエラーが発生
- ^ a b “NOR FLASH FAQS - KBA222273 - Cypress Developer Community”. サイプレス (2018年3月26日). 2018年6月7日閲覧。
- ^ “MemCon Tokyo 2007レポート(フラッシュメモリ編)”. Impress Watch / PC Watch. 2013年3月5日閲覧。
- ^ SSDの耐久性 - Hewlett-Packard
- ^ 寿命を迎えたフラッシュメモリのレポート - USBメモリの書き換え限界寿命が来ると何が起きるのか、実際に寿命が来たケースをレポート - GIGAZINE
- ^ IntelとMicronがマルチレベルNANDフラッシュの不良を解析 - PC Watch
- ^ フラッシュATAメモリーカード - Weblio辞書
- ^ メモリーカードの価格が大暴落中! - All About
- ^ 東芝、300億円の営業赤字に 08年中間決算 - 47news
- ^ 東芝,NANDフラッシュ・メモリの赤字は通期で390億円 - 日経BP TechOn
- ^ フラッシュメモリー製造 米国NASDAQ上場Spansion Inc.子会社 Spansion Japan株式会社 会社更生法の適用を申請 負債741億円 - 帝国データバンク
- 1 フラッシュメモリとは
- 2 フラッシュメモリの概要
- 3 制約
- 4 保持期間
- 5 インタフェース
- 6 参考文献
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