ハープシコードとは? わかりやすく解説

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ハープシコード【harpsichord】

読み方:はーぷしこーど

チェンバロ

「ハープシコード」に似た言葉

ハープシコード [harpsicord]

英語でハープシコードと呼ばれるこの楽器は、ドイツ語ではチェンバロCembalo)、フランス語ではクラブサンClavecin)と異な呼称をもつ。ルネッサンスからバロック時代に特に重用され鍵盤楽器1つで、ピアノの基となった。その発音機構ピアノ異なり打鍵すると、側面に爪の付いたジャック呼ばれる部分持ち上げられ、その爪が弦を引っかいて音を出す。そこから出される音は、独特の鋭さがある一方で小さな音量、短い持続時間しかもたない。そのため、装飾音多用した音楽作曲された。また、タッチ違い音量音色にほとんど影響与えないため、いくつかのストップ交替させたり、それらを組み合わせることによって変化をつける。鍵盤規模時代にもよるが、5オクターブ上のものもあり、鍵盤段数2段典型的である(1段・3段のものもある)。ハープシコードは、バロック時代には独自の語法作り上げる一方で通奏低音楽器としてあらゆるジャンル音楽で、なくてはならない役割演じた。しかし、18世紀にはピアノの発明改良、そして音楽趣味変化によって、ハープシコード音楽次第にその存在弱めていくこととなったその後1世紀以上も沈黙守っていたハープシコード音楽は、20世紀になって楽器復興が行われ、その独特の音質引かれ作品作り出す作曲家現れ始めた

チェンバロ

(ハープシコード から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/27 19:29 UTC 版)

チェンバロ: Cembalo, : clavicembalo)は、プレクトラムで弾いて発音する鍵盤楽器である。英語ではハープシコード (harpsichord)、フランス語ではクラヴサン (clavecin) という。


注釈

  1. ^ 通常チェンバロのスケールの比較にはc2(二点ハ)のキーの弦の長さを用いる。
  2. ^ Pascal Joseph Taskin (1723 – 1793)、18世紀フランスを代表するチェンバロ製作者の一人。
  3. ^ (英: lute stop, 仏: nasale, 独: Nazard, Spinet, Cornet) 英語でリュート・ストップと呼ばれるが、他の言語ではリュートの名はバフ・ストップに対して用いられるので、混乱を避けるために現在では英語でもナザール・ストップという名称が用いられることがある。1537年のライプツィヒのミュラーのチェンバロで最初に見られ、ドイツ、イギリス、フランドルで普及した。
  4. ^ (英: buff stop, 仏: jeu de luth, 独: Lautenzug, 伊: liuto) リュート・ストップ、ハープ・ストップなどとも呼ばれるので、リュート・ストップ(ナザール)と混同しないよう注意が必要である。中間で分割され、高音と低音で音色を対比させることができるものもある。
  5. ^ (仏: peau de buffle)パスカル・タスカンが1768年に発明したとされ、18世紀後期のフランスの楽器に見られる。
  6. ^ ベルリンのシャルロッテンブルク宮殿にある二台のミートケのチェンバロの一つ、一段鍵盤のチェンバロで通称「白のミートケ」。もう一台は黒いケースの二段鍵盤のチェンバロで「黒のミートケ」と呼ばれている。

出典

  1. ^ a b c d e f g E. M. Ripin, H. Schott, J. Koster, D. Wraight, B. K. de Pascual, G. G. O’BRIEN, A. Huber, W. Dowd, C. Mould, L. Whitehead, M. Elste, "Harpsichord," The New Grove Dictionary of Music and Musicians, 2nd ed., London, Macmillan, 2001.
  2. ^ Robert Brook, "A Paean to The Italian Harpsichord," Early Music America, Vol. 17, No. 1; Spring 2011.
  3. ^ avec l'aimable autorisation de Marco Brighenti, facteur d'instruments à Parme [1]
  4. ^ Denzil Wraight - Italian Keyboard Instruments, "COMPASSES OF ITALIAN STRING KEYBOARD INSTRUMENTS".
  5. ^ E. M. Ripin, D. Wraight, D. Martin, "Virginal," The New Grove Dictionary of Music and Musicians, 2nd ed., London, Macmillan, 2001.
  6. ^ E. M. Ripin, L. Whitehead, "Spinet," The New Grove Dictionary of Music and Musicians, 2nd ed., London, Macmillan, 2001.
  7. ^ The Ultimate Encyclopaedia of Musical Instruments, ISBN 1-85868-185-5, p. 138.
  8. ^ Hubbard 1967, 77
  9. ^ MIM Berlin, catalog number 5614.
  10. ^ J. A. Richard, "The Pleyel Harpsichord," The English Harpsichord Magazine, Vol. 2, No. 5, 1979.
  11. ^ THE SOUNDS OF EUROPEAN REVIVAL HARPSICHORDS
  12. ^ Hubbard 1967, 20
  13. ^ Denzil Wraight - Italian Keyboard Instruments, "PITCH IN ITALIAN STRING KEYBOARD INSTRUMENTS".
  14. ^ Kottick 2003, 156
  15. ^ fr:Clavecin Taskin de 1769
  16. ^ Thomas McGeary, "Early English Harpsichord Building A Reassessment," The English Harpsichord Magazine, Vol. 1, No. 1, 1973.
  17. ^ 歴史的チェンバロとモダン・チェンバロの相違点はCarey Beebe Harpsichords, "What sort of harpsichord is that?"を参照
  18. ^ Bertold Hummel list of works: Op. 15, Divertimento capriccioso for harpsichord and chamber orchestra.
  19. ^ カプリコーンによるシュニトケ室内楽曲集=CDA66885解説書に、「(チェンバロは)シュニトケの大オーケストラ・スコアにてしばしば遭遇する楽器」との記述あり。
  20. ^ 光井安子「邦人作曲家によるチェンバロ作品と調査」『岩手大学教育学部付属教育実践研究指導センター研究紀要』第7号、1997年。
  21. ^ Rolling Stones at Scaruffi.com's "History of Rock Music"
  22. ^ Out of Time review by Rolling Stone



ハープ・シコード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/09 09:32 UTC 版)

ハーメルンのバイオリン弾き〜シェルクンチク〜」の記事における「ハープ・シコード」の解説

グローリア大帝国戦闘元帥グローリア長き歴史の中で最強精霊武闘術使い謳われたグローリアが誇る伝説英雄その実力はクラーリィと同等それ以上とされるグローリア単独の大侵攻従軍し北の都攻め込むも、ケストラー圧倒的な力の前に敗れ戦死してしまう。

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ハープ・シコード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 07:00 UTC 版)

ハーメルンのバイオリン弾きの登場人物」の記事における「ハープ・シコード」の解説

グローリアー帝国最強近衛師団長グロッケン認めるほどの最強妖術使いと言われている。クラーリィと似た性格だが、クラーリィよりもクール寡黙グロッケン違い、クラーリィの実力認めている。名前の由来は、撥弦楽器または鍵盤楽器一種チェンバロの英名「ハープ・シコード」から。

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