エアバッグの注意点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 03:43 UTC 版)
シートベルトを必ず着用する(エアバッグの正式名称は『SRSエアバッグシステム』であり、シートベルトを着用している状態での保護を前提としているため)。シートベルトを着用していないと、衝突時に身体が大きく移動し、エアバッグの衝撃を受けて死亡または重大な傷害に至るおそれがある。また、エアバッグが作動しない衝突でも、シートベルトによって傷害を軽減することができる。 子供はできるだけ後席に乗せる。助手席に子供を乗せる場合には、背もたれに背中がついた正しい姿勢で座らせ、必ずシートベルトを着用させる。正しい姿勢で助手席シートに座ることができない場合は、必ず後席に乗せる。 チャイルドシート(幼児用シート)はできるだけ後席に取り付ける。乳児用シートなど、後ろ向きに取り付ける方式のチャイルドシートは絶対に助手席に取り付けない。やむを得ず助手席にチャイルドシートを取り付けるときには、助手席シートを一番後ろまで下げ、かつ前向きに取りつけること。助手席エアバッグキャンセルスイッチがついている車種では、スイッチを切り替えてエアバッグの機能を停止させ、取扱説明書の指示に従いチャイルドシートを装着する。そのため、ホンダはS2000や初代インサイト、NSX、アクティトラックのカタログや取扱説明書、Webサイト等で「(これらは2シーターで後席がないため)本車両へのチャイルドシート装着は非推奨」「本車両へは子供を乗せないこと、子供は後席のある車を推奨」と明言している。 子供をひざの上に抱いたり、助手席の前に立たせたりしない。いわゆるチャイルドバッグになる可能性がある。 エアバッグ装置からできるだけ離れて座る。 エアバッグ装置にもたれかかったり、手や足を掛けたりしない。 エアバッグ装置の上または近くに物を置いたり、ステッカーやテープを貼り付けない。 硬い物、壊れやすいものやとがった物を走行中は身につけず、蓋の付いたケースなどに確実に収納する。 サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ装着車では、ドアに寄りかかったり、窓枠に頭をもたれたりしない。また、ドア、ピラーの室内面やサイドグラブ(アシストグリップ)ハンドルにアクセサリーをつけてはならない(メーカー指定の物を除く)。 エアバッグ作動の際には、火薬の燃焼によるガスが室内に放出されるので、エアバッグが縮小した後も、一時的に視界が失われる。 車両への衝撃の加わり方によっては、エアバッグが開かない場合もある。また逆にエアバッグの必要性を感じないような衝撃によっても、作動してしまうことがある。 エアバッグは、標準装備されている車種であっても、いったん作動させると交換に多額の費用を必要とする。これはエアバッグ本体のみならず、センサーユニットまで一式の交換が必要なためである。 車種、年式、走行距離(つまりその自動車の価値)、損害の程度にもよるが、エアバッグが展開した場合は全損案件と判断されることが多い。エアバッグの展開を決めるセンサーは自動車の骨格部分に設置されていることが多く、おおよそ軽微な損傷であればエアバッグは展開しない為、「エアバッグが展開するほどの衝撃なので、修復には相当の費用がかかる」、と判断される為でもある。ただし、フロントエアバッグは後方からの衝撃(追突等)、サイド&カーテンエアバッグは側面以外からの衝撃では(基本的には)作動しないため、エアバッグの作動しない全損事故も存在する。 サイドエアバッグ装着車にシートカバーを取り付ける際は、専用の「サイドエアバッグ対応シートカバー」を購入しなくてはならない。また、2012年4月現在、サイドエアバッグ対応シートカバーの公的審査基準は存在していないため、自動車メーカーが専用に指定しているシートカバー以外(取り付けても車検非対応とはならないが、サイドエアバッグが展開する事を保証しているカバーであっても、自動車メーカーが想定したシーケンスを妨げないかどうかは判断しづらい)の装着に当たっては留意が必要である 整備作業実施時には不時作動に対する注意喚起がもとめられる。衝撃や静電気に対する留意が必要である。また、電気式の場合、汎用のテスター(マルチメーター、アナライザー等含む)が、抵抗値測定モードもしくは導通確認モードになっていると、回路に不時作動に足る電力が供給される虞が有るため不用意に測定してはならない。なお、この回路はエアバッグ本体周辺のみに存在しているだけでは無い(例:ECU←→エアバッグ間)。関連整備作業時はメーカーの指定する点検方法を熟知の上、厳守する事。 単体で不時作動した場合に本体が飛翔して周囲に被害を与える虞が有るので、単体状態での保管は定められた方法に則る事。一例としてエアバッグの展開面を地表面に向けて置かない等。
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