イデオロギー問題とは? わかりやすく解説

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イデオロギー問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 14:26 UTC 版)

ティーパーティー運動」の記事における「イデオロギー問題」の解説

ティーパーティーイデオロギーについては様々な前時代政治思想家が”先駆者”として取りざたされているが、どれもこの運動の一部しか表現できないというのもそれほど集団としては雑多であり、草の根運動として始まったので統一され思想そもそも存在しなかったからである。反二大政党エスタブリッシュメントとして、保守・リベラル横断した運動であるとの解釈すらあったほどである。それでも主張違いから二つ保守グループ大別できると考えられてきた。 ティーパーティーは、おおよそ社会的保守派ポピュリスト右派)と財政保守派リバタリアン)とに分けられる前者人工妊娠中絶同性婚への反対軍隊同性愛者受け入れるかという問題結婚価値などモラル面に重きを置き、(宗教保守派同様に信仰一部に近いとすら考えているので、強制力の伴う方法つかってでもこれらは堅持されなければならない思っているが、後者財政赤字大幅削減減税小さな政府実現目指していて、州権擁護する立場から、社会争点に関して賛否のいずれにしろ連邦政府介入を招くので、これは避けて焦点とはすべきではないという意見で、むしろ個人の自由選択重視する前述のフリーダムワークスのブランドン・スタインハウザーは社会争点保守派内部分裂を招く潜在的危険を警告したが、中間選挙予備選においても予想通りローカルなレベルで両派の対立見られ足の引っ張り合いとなることは少なくなかった。そこでティーパーティーを何とか一つ政治勢力として糾合し、共和党利する形で2010年中間選挙利用しようという試み画策されていて、それが具体化したのが、2010年2月17日マウントバーノン宣言であった。ここでは80年代保守派考え出した憲法保守が再提唱され、両派を統合するための概念とされた。この宣言自体はあまり知名度を得なかったが、4月12日、フリーダムワークスの傘下にある「アメリカからの誓約」という団体がまとめた十箇条綱領にもそのまま引き継がれて、広く知られることになった課税反対なではなく突如として憲法運動要求第1条掲げられたのは、大同団結という政治的打算がその背後にあったからに他ならないアメリカからの誓約は、2010年中間選挙での共和党公約として採用されたわけだが、その時は、内容において保守派リベラル派双方から具体性乏しく過去公約焼き直しにすぎない手厳しく批判され妄想であるとまで評された。 にもかかわらず具体的内容はともかくとして、アメリカ合衆国憲法という選挙パッケージ強力に作用したと言える中間選挙前にティーパーティー団体立候補した議員たちは”誓約”への署名求められ、両派は共に憲法保守派であると主張できるようになったことで、ティーパーティー動員数増やしたのみならず無党派層の心も少なからず捉えたからだ。それで結果的に選挙大勝したので、さっそく2011年1月6日連邦議会下院議長による憲法朗読開会行いティーパーティー躍進し下院では「すべての法案は、根拠となる憲法条文引用しなければならない」という議事規則まで設けられた。共和党憲法保守におもねり、"誓約"を守るというパフォーマンス行ったわけである。 社会的保守派分類されるクリスティン・オドネルが「憲法とは単なる法的文書ではなく、「神聖な原則」を定めた文書だ」と述べたのは、ティーパーティーとは憲法保守であるという認識よるものであったが、原意主義始原主義)と憲法への不十分な理解から、憲法聖書あるかのように主張しているとの誤解与えた。これは憲法保守唱えた人々一部(特にペイリンオドネルバックマンケインなど)がこのイデオロギー習熟しておらず、正しく説明できなかったことに起因するが、憲法に関して間違い失言迷言繰り返し指摘されて、リベラル派批判浴びるという現象起こった中間選挙での過激候補敗退一因となり、ティーパーティー参加者失望疲弊招いた債務上限問題でもティーパーティー抵抗にあった民主党リード上院院内総務は、2011年7月14日ティーパーティー政治哲学は非憲法的であると批判し、その知識は「ガラクタ寄せ集め」と評したが、これは典型的なリベラル派受け取り方であり、保守リベラルとの対立のなかで、ティーパーティーイデオロギーは必ずしも正当な評価受けているとは言い難く中間選挙大躍進はしたが、グレン・ベックらの講義セミナー甲斐もなく憲法保守イデオロギー結局浸透しなかった。憲法保守という立場実際政策へと転換されるところまでは至っていない。

※この「イデオロギー問題」の解説は、「ティーパーティー運動」の解説の一部です。
「イデオロギー問題」を含む「ティーパーティー運動」の記事については、「ティーパーティー運動」の概要を参照ください。

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