『耳嚢』とは? わかりやすく解説

『耳嚢』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 00:50 UTC 版)

馬憑き」の記事における「『耳嚢』」の解説

播磨国姫路藩中(現・兵庫県姫路市)に村田弥左衛門という者がおり、167歳になる娘がいた。この娘が乱心した者のようにあれこれ口に出し、何かに恨みあるよう発言したため加持祈祷をしたが効果現れなかった。狐狸の類であろう考えた弥左衛門は、娘にしきりに尋ねるが、「私が狐狸であろうずがない」ときっぱり否定された。「娘の祖母が私を情けなく殺した恨みから家を祟るのだ」といい、娘を殺し血筋絶やす口に出したいかなる恨みかと尋ねると、この家に飼われていた馬だったが、老いたために乗馬の役にも立たずを踏むこともできなくなったことを祖母話され仕方がないから野に放ち捨てろ指示され厩橋天狗谷という所に捨てられ、ついに餓死してしまったということ語った。役立つ時は愛したのに、役立たなくなった途端にこのような不仁をする、と不満を口にし、そしてこの恨み報いるのだといった。そこであれこれ利害説き追善供養をしたので、娘の病気治ったという。

※この「『耳嚢』」の解説は、「馬憑き」の解説の一部です。
「『耳嚢』」を含む「馬憑き」の記事については、「馬憑き」の概要を参照ください。


『耳嚢』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 23:48 UTC 版)

村正」の記事における「『耳嚢』」の解説

のちに気さくな人柄南町奉行として江戸人気者になる根岸鎮衛は、随筆『耳嚢』第2巻で、村正の妖刀伝説紹介している(根岸自身は「村政」と表記している)。なお、この巻は、佐渡奉行在任中の天明6年1786年)頃に書かれたようである。 まず、「村正御当家徳川家)での使用禁止されたのは『三河物語』『三河後風土記』詳しく世間にも知られているところだが」と前置きした上で、鎮衛自身読んだとがないらしく、それらを蔵書持っている知人からのまた聞きで、前述の#『三河後風土記』有楽斎説話記している。しかし、原本では関ヶ原の戦い直後1600年)だったのが、鎮衛の話では難波御陣(1614-1615年)かあるいそれ以前曖昧になっており、長孝や勝成は話題出ず有楽斎名称不明武士の首を家康前に持参したことになっているまた、有楽斎村正だと答えた後、家康の「(破棄する)必要は全くないと言う台詞省かれて、家来が「村正御当家不吉である」と述べて有楽斎村正破棄するシーンに繋がるので、あたかも家康自身村正禁止推進したのような印象与える。 さらに、「徳川家仇なす刀」というイメージだけではなく、「御当家昵懇の者に限らず怪我致し候」と、広く災いもたらす妖刀としての噂話があったことを記している。特に、 村正正宗弟子だった。 村正名工だが性格狂っていて、刀にもその狂気乗り移っていた。 村正末裔最近まで存続していて、差添(短刀脇差)、剃刀などを作っていたが、使う者がとかく怪我をするのでそれもやめてしまった。 村正の銘があると買い手嫌がられるので、ある商人村正短刀の銘を正宗改竄し売ろうとしたが、その妻が突然村正自殺してしまった。商人不気味に思って村正廃棄してしまった。 などという話を載せている。 その上、鎮衛自身がこの噂話信じていて、佐渡奉行在任中(1784–1787年)、召使い中古村正買おうかどうか鎮衛に見せに来た時、それを見て極めて見事で出来栄えは好ましいが、祟りがあるから絶対に買うべきではないと念を押して忠告したことを記すなど、周囲妖刀伝説を広めていた。当時人気博した『耳嚢』全10巻中でも第1巻と第2巻は特に筆写されたことが多かったらしく、鎮衛は妖刀伝説の普及一定の寄与をしたと見られる

※この「『耳嚢』」の解説は、「村正」の解説の一部です。
「『耳嚢』」を含む「村正」の記事については、「村正」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「『耳嚢』」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「『耳嚢』」の関連用語

『耳嚢』のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



『耳嚢』のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの馬憑き (改訂履歴)、村正 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS