obniz
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/18 21:28 UTC 版)
概要
obnizはON/OFFやUART通信などのIO制御をクラウドのAPI経由で行えるシステムである。ファームウェアをクラウド上に集約し、IoTデバイス側のファームウェアを排した点が特徴である。obnizOS(オブナイズ オーエス)と呼ばれるソフトウェアをデバイスにインストールすることで、obnizが利用可能になる。obniz OSは1アカウントあたり1デバイスまで無料で利用できる[2]ため、導入の敷居が低い。obnizOSがインストール済みのobniz公式デバイスも発売されている。obniz Boardを持っていなくても、前述の1ライセンス付与されることから後述するArduino IDEを用いた開発が可能である。
特徴
通常、IoT開発においては、個々のIoTデバイス毎にファームウェア開発が必要だが、obnizではこれが不要である。クラウドにあるひとつのプログラムで、ネットワーク上のすべてのデバイスを制御できる。 IoTデバイスに繋がれているセンサーの種類、コマンドやバージョンなどハードウェアに依存する違いは、クラウド側のソフトウェアで吸収可能である。すなわち、クラウド側でプログラムの変更・修正を行えば、つながっているデバイスは瞬時に新しい動きをする。これによって、ファームウェアの開発コストが不要となるのはもちろん、システムの保守管理コストも大きく削減できる。
obniz Board
メーカー | obniz |
---|---|
価格 | 約6000円 |
種類 | シングルボードコンピュータ |
プロセッサー | ESP32 |
接続 | 無線LAN、Bluetooth |
obniz Board(オブナイズ ボード)は、obnizOSを搭載したIoT開発用シングルボードコンピュータである。
概要
昨今、STEM教育の一環としてArduinoやBBC Micro:bit、IchigoJam、Raspberry Pi、M5Stack等、様々な知育玩具があるが、obniz Boardもその範疇に分類されるもので手軽にプログラミングできる環境が用意されていて単なる教材の範疇に留まらず、スマートホーム化やラジコン、ロボットなどと実用的な製品を作成することも可能である[1]。前述したArduinoやRaspberry Pi、M5Stackは、IoT機器で利用される代表格であるがC言語や電子回路、Linux等の知識を必要とするため電子工作初心者には参入障壁が高いという理由が、obniz開発の経緯である。セットアップの容易さから、初心者だけではでなくIoTの上級者までにも利用されている。
obnizは「object」+「nize」の造語であり、現実世界のモノをオブジェクト化する意味で命名された。
特徴
obniz Boardの最大の特徴は、容易なセットアップである。上記で述べた他のマイクロコンピューターは、環境設定に多くの時間を費やすが、obniz BoardはWi-Fiのみの設定で直ちに利用できる。PCまたはスマートフォンのブラウザから、obniz cloudを通じて同じLAN内にあるobniz Boardを制御できる。また、IoT機器では必須となるセンサーやモーターなどパーツライブラリのセットアップから実行までも数行のコードで実行可能である。公式サイトには、様々なパーツライブラリを用いたドキュメントが豊富であり初心者であっても容易にIoTを体験できる。
//JavaScript: obnizにLEDを繋ぎ点灯させるコード
var led = obniz.wired("LED", {anode:0, cathode:1}); // io0 is connected to anode, io1 is cathode
led.on();
obniz BLE/Wi-Fi ゲートウェイ
obniz BLE/Wi-Fi ゲートウェイは、Bluetooth搭載機器を搭載しているサンサーからデータを受信し、obnizクラウドにデータを送信するハードウェア機器である。
概要
従来のBluetooth搭載機器を搭載しているIoT機器は、インターネット等にデータを送信する際には、それぞれの機器1つ1つに適応した組み込みプログラムやゲートウェイを使わなければいけなかった。一方、obniz BLE/Wi-Fi ゲートウェイを利用した場合は、LAN内に1つ利用するだけでWAN側の回線を1つにまとめることが出来る。
特徴
obniz BLE/Wi-Fi ゲートウェイの最大の特徴は、電源を差しLAN内でWi-Fi設定を行うだけで、ゲートウェイを利用出来る点である。通常のゲートウェイを前述したようにBluetooth搭載機器の1つずつのゲートウェイに対してファームウェアを書き込む必要はない。ファームウェアの更新の際にも、obniz クラウドを通して行うことで物理的な書き込み等のコスト削減にもなる。
また、LAN内に新しく何か機器を追加した場合でも簡単に追加、利用出来る。
obniz BLE/Wi-Fi ゲートウェイが受信したデータは、obnizクラウドにデータが転送され、さらにそこから用途にあったソフトウェア開発をNode.jsを使ったAPIで利用出来る。
- ^ a b c ラズベリーパイより簡単にIoT電子工作ができる「obniz」が1億円を調達、コンセプトは“ハードウェアのAPI化”
- ^ obniz, Author (2020年7月1日). “obnizOSが無料になりました!”. blog.obniz.io. 2020年7月7日閲覧。
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