X-15 (航空機)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/17 07:13 UTC 版)
スペック
寸法・重量と航続距離はX-15A-2のもの。
- 全長:15.99 m(X-15は15.25m)
- 全幅:6.8 m
- 全高:3.55 m
- 翼面積:18.58 m2
- 自重:8,320 kg
- 全備重量:25,460 kg
- エンジン(いずれも液体アンモニア+液体酸素)
- 初期:リアクション・モーターズ製XLR11 2基
- 後期:リアクション・モーターズ製XLR99-RM2(31,750kg / 高度30,000m)1基
- 最大到達速度:7,274 km/h
- 最大到達高度:107.970 km
- 航続距離:450 km
その他
現在に至るまで、最大速度、最高高度の公式記録を保持している。速度記録としてはスクラムジェットを搭載したX-43A ハイパーXによるマッハ9.68が最高であるが、有人という点ではX-15を凌ぐ有人航空機は現れていない。また高度記録は、国際航空連盟の定める宇宙との境界線100km(カーマン・ライン)を突破しているが、X-Prize スペースシップワンが、非公式にこの記録を上回っている。
なお、計画参加パイロットには、後にアポロ11号で人類初の月面着陸を果たすニール・アームストロングがいるが、マーキュリー・アトラス6号によるジョン・グレンの軌道飛行が熱狂を持って迎えられると、NASAへ早々と移ってしまった。
登場作品
映画
下記のほかにも、『ナイトミュージアム2』(2009年)や『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)には、スミソニアン航空宇宙博物館に展示されている1号機が背景として登場している。
- 『宇宙大戦争』
- 1959年に公開された東宝特撮映画。ナタール人の侵略への対抗手段として、アメリカおよび日本に所属するX-15に酷似したデザインの戦闘ロケットが登場する。X-15とは異なり、地上もしくは地下の発射台からそのまま宇宙空間へ打ち上げられる。この戦闘ロケットのデザインを手がけたのは小松崎茂。
- 『宇宙船Xー15号』
- 1961年公開の映画。日本では未公開だが、テレビ放映された。X-15計画を題材にした架空のセミドキュメンタリー風ドラマ。リチャード・ドナー監督、デヴィッド・マクリーン、チャールズ・ブロンソン、メアリー・タイラー・ムーア出演。
- 『ファースト・マン』
- 2018年公開ニール・アームストロングの伝記映画。映画の初頭X-15の飛行シーンで登場。実物大モックアップが作られた。
漫画
- 『少年ロケット部隊』
- 1960年から1963年にかけて少年雑誌「日の丸」に連載された横山光輝の漫画。主人公たちの乗機として、対円盤用の戦闘機に改造された航空自衛隊所属のX-15が登場する。オリジナルのX-15とは異なり、通常の航空機のように離着陸を行うだけでなく、航空母艦での運用なども可能になっている。また、物語中盤からは宇宙人のものをコピーした光線銃を搭載する。
小説
- 『宇宙からの脱出』
- 1969年に発売されたマーティン・ケイディンによるSF小説。主要な登場人物の一人である宇宙飛行士は過去にX-15のテストパイロットを務めており、その際の光景が回想として描かれている。
- 『降伏の儀式』
- 1985年に発売されたラリー・ニーヴンとジェリー・パーネルによるSF小説。博物館に保管されていたX-15が宇宙戦艦「大天使(ミカエル)」に艦載機として搭載されそうになるが、未遂に終わる。
- 『ほしからきたもの。』
- 2001年に第1巻が発売された笹本祐一によるSF小説シリーズ。国連宇宙軍(UNSF)の装備として、対宇宙人用の戦闘機仕様であるX-15の架空の派生型「X-15A」が登場。実際のX-15と同様にNB-52Bとセットで運用されている。
ゲーム
- 『ゲートキーパーズ』
- 1999年に発売された角川書店によるゲーム。大気圏上層部に出現するインベーダーへの対抗策として、地球防衛機構イージスが運用するX-15A-2が登場。オリジナルのX-15A-2とは異なり、地下に格納されている発射台から直接発進する。ゲートキーパーを大気圏上層部へ送り出す手段としてのみ使用されるため、武装は施されていない。
関連項目
- スペースシップワン
- スペースシップツー
- ベル X-2
- ダグラスD-558-2スカイロケット
- ロケット飛行機の一覧
- 宇宙開発における事故
- キャンセルされた発射ロケット設計のリスト
- X-15フライトのリスト
- ^ (日本語) The Fastest X-Plane - Mach 7 North American X-15 2022年4月29日閲覧。
- ^ a b 「Xプレーンズ」,世界の傑作機No67,文林堂 ISBN 978-4893190642
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