KNOPPIX
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/02 05:57 UTC 版)
概要
ドイツのKlaus KnopperがDebianパッケージを元に開発しているものが原型となる。一枚のCD/DVD/USBメモリなどのリムーバブルメディアから起動できるLive CDとして利用することを基本としていることが特徴。
当初はCD版のみの提供だったが、収録希望のアプリケーションの数が増えるに伴いCD-ROMの容量では不足するため、正式な同時リリース決定の前に二度ほどDVDイメージの頒布も行われている。Version 4.0で開発者のKlaus KnopperがDVD-ROM版とCD-ROM版をほぼ同時に提供することを決定した。CD-ROM版を"light"(軽量版)、DVD-ROM版を"maxi"(大容量版)と位置付け、DVD版では更に多くのアプリケーションが標準で利用可能となっている。4.0版(DVD版)は2005年6月22日にLinuxTagで配布された。Version 7.2でCD-ROM版の提供を終了し、DVD-ROM版に一本化された。
Live CDとしての利用が前提であるため、ハードディスクにOSをインストールする必要がなく、初期状態ではハードディスクに変更を加えずにLinuxを稼働させ、さまざまなコマンドやアプリケーションを使うことができる。 これらの特性から、ハードディスクに障害が発生している場合に仮のシステムとして起動させ、ハードディスクの診断や他のメディアなどへのデータをサルベージするなどの作業にも使用可能である。
また、パソコンに接続されたハードウエアを数多くサポートし自動的に認識する能力に優れていることも特徴の1つで、例えばユーザーはビデオ・カードの種類などを指定する必要がなく、直ちにGUIを利用可能となる。ネットワークについてもDHCP環境にあれば、LANにつながっているだけで自動的に接続設定がおこなう。ネットワークに繋がれば、必要なファイルなどはhttp, ftpなどで保存できるためハードディスクなどがなくても困らない。
基本的に1CD/1DVDブータブルオペレーティングシステムであるが、LibreOfficeなどのアプリケーションソフトが付属している。CD/DVDから起動するため、標準では書き込み(データの変更)を行うことができるユーザのホーム・ディレクトリなどがRAMディスク上に置かれており、パソコンの再起動やシャットダウンで保存したデータは消えてしまう。
しかし、それらをフロッピーディスク、可搬式のハードディスク、USBメモリなどに保存することもできる。そのため国外の旅行先でも、CD-ROMから起動できるパソコンを借りることによって、自国語環境の元で簡単な仕事を行うこともできる。
データの書き換えができないCD/DVDに起動に必要な要素がすべて格納されているため、起動中にどのような状態になっても再起動すれば元に戻る、という特徴がある。この特徴を生かし、不特定多数がパソコンを共有する公共の場に置かれるキオスク端末や、学校教育などでの使用が考えられている。
また、最近OSで流行している3Dデスクトップの搭載に対応するため、5.1から、3Dデスクトップ環境Beryl、5.3.1からはその後継のCompiz Fusionが搭載された。
- ^ “KNOPPIX Linux Live CD: What license does the KNOPPIX-CD use?”. 2007年7月16日閲覧。
- ^ 日本語版を配布していた産業技術総合研究所による表記。
- ^ Introduction to Knoppix | PCMag.com
- ^ LCAT(Live CD Acceleration Tool kit)
- ^ “【やじうまWatch】KNOPPIX日本語版が開発を中止。公式サイトも終了し、イメージは削除される - INTERNET Watch Watch”. 2024年1月2日閲覧。
- ^ KNOPPIX 日本語版(リンク切れ)
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