電子商取引 概説

電子商取引

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/30 01:20 UTC 版)

概説

技術寄りの表現で「eコマース」、法律用語・行政用語などで「電子商取引」と呼ばれているのは、コンピュータネットワーク上での電子的な情報通信によって商品やサービスを売買すること(や交換すること)である。インターネットを利用したものも、特定顧客用の専用線を利用したものも、どちらも含まれる。一般の人々が「ネットショッピング」と呼んでいる行為もこの電子商取引の一種に当たる。

インターネット上の商行為の幅は大きく広がってきており、商品宣伝売買契約締結、決済などが行われるようになっている。

この記事では電子商取引全般について解説するが、結果としてインターネットを通じての企業と消費者との商品売買について多く記述することになる。商取引を行うためのウェブサイトについては、ここでも説明の途中で若干は触れるが、詳しくは「ECサイト」や「電子商店街[注釈 1]の記事を参照のこと。

種類・分類

取引主体の種類の組み合わせにより、次のように分類できる[1]

  • B to B EC(ビートゥービー・イーシー) - 企業間のEC[1]。B to B とはBusiness to Business。B2Bとも書く。
  • B to C EC(ビートゥーシー・イーシー) - 企業と消費者の間のEC[1] B to CとはBusiness to Consumer。B2Cとも書く。
  • C to C EC(シートゥーシー・イーシー)- 消費者間のEC[1] C to CとはConsumer to Consumer。C2Cとも書く。


関連項目

歴史

1976年、アテラ・テクノベーション[注釈 2]社(米国、カリフォルニア州)およびRamo Corporation英語版が、金融会社がオンライン上での安全な取引を行うための製品を売り出した。

1979年にはMichael Aldrich英語版がオンラインショッピングのシステムのデモンストレーションを行った(これが「初のオンラインショッピング・システム」とも言われることがある)。

1981年にはトムソン・ホリデイズ社[注釈 3]が企業間(B2B)のオンライン取引のシステムを設置した(これがB2B商取引の最初のシステムとも言われている)。

1982年には、フランス国内でフランス電電公社のミニテルのネットワークが爆発的に普及し、これがオンライン発注にも大々的に利用されるようになった。

1983年にはカリフォルニア州下院議会英語版が「electronic commerce」についての最初の公聴会(関係者からの意見の聞き取り)を、カリフォルニア州にあるVolcano英語版で行った。この公聴会にはCPUC英語版に加えてMCI Mail英語版Prodigy英語版CompuServe、Volcano Telephone、Pacific Telesis英語版の各社が参加した。

1984年にはテスコ社がB2Cオンラインショッピングシステムの利用を開始。最初の家庭からの利用者は72歳の女性だった。 1984年4月にはCompuServeが米国とカナダでElectronic Mall(電子商店街)を開始。利用者に理解しやすいサービスとしては最初のものとなった。

1989年5月にはセコイア・データ社[注釈 4]が「(コンプマーケット)」というシステムの利用を開始。これがインターネットを利用したeコマースシステムとしては最初のものだと考えられており、買い手はデータベースから商品を検索し、クレジットカードで購入することができるものだった。

1995年7月、Amazon.com がオンライン書店としてサービスを開始。

インターネットの発達にともない、1990年代後半から、企業がインターネットを介して(主にウェブサイトなどを介して)不特定多数の人々(消費者)に対して小売企業対消費者間取引、B2C、BTC[注釈 5])を行うことが、少しずつ広まっていった。

さらに時がたつにつれて、消費者間取引(C2C、CTC[注釈 6]、たとえばインターネットオークションなど)が、ウェブサイト上で行われるようになってきた。


注釈

  1. ^ 複数の業者が同一のドメインで運営するもの。
  2. ^ : Atalla Technovation
  3. ^ : Thomson Holidays UK
  4. ^ : Sequoia Data Corp.
  5. ^ B to C。「Business to Consumer」の略。卸売取次といった中間流通が効率化もしくは省略された、という文脈においても用いられることがある。これと同じ方式で企業間取引を呼ぶ場合は「B2B」あるいは「BTB」(=B to B、Business to Business)と呼ばれる。
  6. ^ 「シー・トゥー・シー」と読む。C to C、「consumer to consumer」(「消費者から消費者へ」を意味する)の略。
  7. ^ ただし「客からの評価」はいわば「諸刃の剣」であり、嘘・偽りの無い評価が掲載されている場合は、その情報を参考にして品質のよい商品や自分に合った商品を購入するための参考にできるが、反対に、「客からの評価」欄に売り手が雇った者や、売り手側に買収された者などが、当該製品を実際よりも良く思わせるためのニセの情報を書き込んだり、ライバル会社の製品の品質を実際よりも悪く思わせるためのウソを書き込むことが行われていると、「客からの評価」の欄が、逆に購入者を惑わせ、品質の悪い品物や、相対的に品質の低い品物を買ってしまう原因ともなっている。
  8. ^ なお電子商取引そのものからやや脇にそれる話ではあるが、価格比較サイト、製品批評サイトなど、消費者にとって自らに有利な意志決定を早く確実に行いやすい情報を提供するサイトもある。

出典

  1. ^ a b c d e f IT用語辞典e-words【EC、Electronic Commerce、電子商取引 / eコマース】[1]
  2. ^ 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(PDF)
  3. ^ [2]
  4. ^ ヤフーが出店者の告訴を検討 ポイント不正取得か 47NEWS 2015年3月7日






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