長尾立子 来歴・人物

長尾立子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 09:53 UTC 版)

来歴・人物

旧制府立第五高等女学校(現在の東京都立富士高等学校・附属中学校)に入学したが、家庭の事情で転校し、1953年に東京都立江北高等学校を卒業(なお、第五高女に在籍したため、その後身である富士高校の同窓会にも在籍。新設都立富士高校第4回卒業生同窓会「よんの会」のメンバーでもある)。

一浪後、東京大学に入学し、文学部社会学科を卒業[1]。1958年、厚生省に入省し、年金局年金課長[2]、厚生省年金局企画課長[3]社会保険庁年金保険部長[4]、厚生省児童家庭局長[5]、厚生省社会局[6] などを歴任した。厚生省年金局年金課長時代、1978年から1979年にかけて社労族橋本龍太郎が初入閣で厚生大臣となり、橋本との信頼関係が強固となる。

橋本の強いプッシュで1992年第16回参議院議員通常選挙自由民主党公認で、比例区から立候補するが落選。

1996年1月5日、村山富市首相が退陣を表明[7]。これに伴い、自民党総裁の橋本龍太郎が首相の座に就くことになったが、橋本は就任前日の1月10日夜、加藤紘一幹事長と野中広務幹事長代理を呼び、組閣作業を一任した。野中は女性の入閣を望むも、当てにした人物はことごとく断られた。そのとき浮かんだのが長尾であった。「(注・1992年の参院選に)こっちから出てくれと言って出しておいて、当選できなかった。申し訳ないから、罪滅ぼしするとしたらあの人だ」と橋本に薦めた。打診を受けた長尾は「今さらもういいですから」と一度は断るが、熟慮ののち引け受けた[8]。1月11日発足の第1次橋本内閣女性初の法務大臣として入閣した。同年に内閣が提出した民事訴訟法法案の成立を推進した[9]民間人閣僚の法務大臣就任は、細川内閣三ヶ月章法相以来。同年11月まで務めた。法相在任中は、3人の死刑囚死刑執行を命令した。また同年には、全国社会福祉協議会中央共同募金会全国老人クラブ連合会の会長に就任した。

1997年5月19日、嶋崎均の死去により参議院議員に繰り上げ当選したが[10]、翌年の参院選には立候補せず、政界を引退した。引退後は自由民主党党紀委員会委員に就任し、引き続き党務に関わった。

1999年から2010年まで、日本社会事業大学理事長を務めた[11]。2004年11月、旭日大綬章を受章。

社会福祉法人読売光と愛の事業団理事長を務めた。


  1. ^ 『婦人公論 第65巻』、1980年発行、38ページ
  2. ^ https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=108414889X00819780420
  3. ^ https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=109414410X01119810512
  4. ^ https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=110214410X00419841220
  5. ^ https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=111214410X00219880301
  6. ^ https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=111814410X00919900619
  7. ^ 後藤謙次『ドキュメント 平成政治史 1 崩壊する55年体制』岩波書店、2014年4月17日、344-345頁。ISBN 978-4000281676 
  8. ^ 御厨貴牧原出編『聞き書 野中広務回顧録』岩波書店、2012年6月28日、201-202頁。ISBN 978-4000018210 
  9. ^ 第136回国会本会議第17号議事録、1996年4月12日 - 国立国会図書館 、日本法令索引
  10. ^ 長尾立子 参議院議員の実績”. 国会議員白書. 2020年8月30日閲覧。
  11. ^ 長尾立子 (2010年6月25日). “退任のあいさつ” (PDF). 日本社会事業大学報 たけおか (日本社会事業大学) (59): p. 2. http://www.jcsw.ac.jp/dosokai/documents/TAKEOKA59.pdf 2011年6月6日閲覧。 


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