超球面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 05:07 UTC 版)
解説
任意の(0を含む)自然数 n に対して、半径 r の n 次元球面は (n + 1) 次元ユークリッド空間のある固定された点 c から距離 r にある点全体の集合として定義される。ここで r は任意の正の実数でよく、c は (n + 1) 次元空間の任意の点でよい。特に:
- 零次元球面は点のペア {c − r, c + r} であり、線分(一次元球体)の境界である。
- 一次元球面は中心が c にある半径 r の円であり、円板(二次元球体)の境界である。
- 二次元球面は三次元ユークリッド空間内の通常の二次元球面であり、通常の球体(三次元球体)の境界である。
- 三次元球面は四次元ユークリッド空間内の球面である。
(n + 1) 次元空間におけるユークリッド座標
n-次元球面 Sn を定義する (n + 1)-次元空間内の点 (x1, x2, …, xn+1) 全体の成す集合は、方程式
によって表される、ただし c = (c1, c2, …, cn+1) は中心であり r は半径である。
上の n 次元球面は (n + 1) 次元ユークリッド空間に存在し、n 次元多様体の例である。半径 r の n 次元球面の体積形式 ω は
によって与えられる、ただし ∗ はホッジスター作用素である; r = 1 の場合のこの公式の証明と議論は Flanders (1989, §6.1) を見よ。結果として、
n 次元球体
n 次元球面によって囲まれる有界領域は (n + 1) 次元球体 (n-ball) と呼ばれる。(n + 1) 次元球は n 次元球面を含めば閉集合であり、含まなければ開集合である。
具体例:
- 一次元球体は通常は線分と呼ばれる。零次元球面を成す二点を結ぶ線分という意味で零次元球面の内部と理解することができる。
- 二次元球体は通常は円板と呼ばれ、円周(一次元球面)の囲む領域になっている。
- 三次元球体は単に球体と言えば普通はこれのことで、通常の球面(二次元球面)の内部である。
- 四次元球体は三次元球面の内部である、etc.
位相的記述
位相幾何学的には、n 次元球面は n 次元ユークリッド空間の1点コンパクト化として構成できる。手短に言えば、n 次元球面は として記述でき、これは n 次元ユークリッド空間プラス全ての方向における無限大を表す一点である。特に、一点が n 次元球面から除かれると、 に同相になる。これは立体射影の原理である[1]。
注釈
出典
- ^ James W. Vick (1994). Homology theory, p. 60. Springer
- ^ a b c http://math.stackexchange.com/questions/479383/turning-higher-spheres-inside-out/479417#479417
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