調理用計量器 調理用計量器の概要

調理用計量器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/10 00:26 UTC 版)

日本の計量器

古くは木で作られたが利用されていた。少量を量る場合には酒盃(おちょこ)を利用する場合も多かった。現在は、コップ状の計量カップスプーン状の大さじ小さじの3種類が調理専用の計量器として主に利用されている。スプーン状の計量器には、中さじもあるが、料理書などでこれが言及されることはない。また市販のスプーン状計量器にはすりきり用の平たい板が付いていることがある。

種類

  • 計量カップ - 200 mL、または180 mL(1合、米・日本酒などにおいて)
  • 計量スプーン
    • 大さじ - 15 mL
    • 小さじ - 5 mL

沿革

現在利用されている計量カップ、大さじ、小さじの規格は、いずれも女子栄養大学創立者の香川綾1948年に考案したものである[2]。香川は予防医学の見地から栄養学の重要性を痛感し、栄養学者の育成に全力を傾けていた。栄養所要量を算定するには正確な計量が欠かせないが、当時は専用の計量器は無く体積を量る場合にはテーブルスプーンやコップを使って目分量に近い形で計量が行われていた。また、戦前から続く尺貫法、明治以降に導入されたが未だに普及しきれずにいたメートル法、占領軍によって持ち込まれたヤード・ポンド法が渾然として交じり合っている状態でもあった。栄養学の発展には規格化された計量器が必要不可欠であると考えた香川は、従来より用いられていた枡やスプーンを基にメートル法に基づいて3種類の計量器を作り上げ、これらを用いて学生の指導に当たり、また栄養学の研究も行っていった。この後、同じ計量器を用いることで女子栄養大学が蓄積した膨大な研究成果を利用できる事、計量器自体も使いやすい物であったことから他の教育機関も次々に香川式計量器を採用したので、栄養師や調理師の間に急速に普及した。一般家庭にも雑誌や新聞の料理記事、テレビ放送などを通じて広く浸透し、結果的に規格として正式に制定されたものではないが、事実上日本での標準規格となった。

日本国内外の計量器との比較

日本と国外の一般的な計量器の体積
計量器 日本 オーストラリア カナダ イギリス アメリカ アメリカFDA[3]
小さじ
ティースプーン
Teaspoon
5 mL 5 mL 5 mL 4.74 mL 4.93 mL 5 mL
中さじ
デザートスプーン
Dessertspoon
10 mL 9.47 mL
大さじ
テーブルスプーン
Tablespoon
15 mL 20 mL 15 mL 14.21 mL 14.79 mL 15 mL
液量オンス
Fluid ounce
28.41 mL 29.57 mL 30 mL
カップ英語版
Cup
200 mL 250 mL 250 mL 284.13 mL 236.59 mL 240 mL
パイント
Pint
568.26 mL 473.18 mL
クォート
Quart
1136.52 mL 946.35 mL
ガロン
Gallon
4546.09 mL 3785.41 mL

脚注


注釈

  1. ^ 法令上は、「容積」の語が用いられることはなく、「体積」と表現する。詳細は体積#体積と容積を参照のこと。

出典

  1. ^ a b c 社団法人全国調理師養成施設協会編『改訂調理用語辞典 カラー版』 1999年、765頁
  2. ^ 香川綾物語”. 女子栄養大学 (2004年3月16日). 2021年9月9日閲覧。
  3. ^ Title 21, 101.9 Nutrition labeling of food” (PDF). Code of Federal Regulations. 合衆国政府印刷局 (2012年4月12日). 2014年11月2日閲覧。 “For nutrition labeling purposes, a teaspoon means 5 milliliters (mL), a tablespoon means 15 mL, a cup means 240 mL, 1 fl oz means 30 mL, and 1 oz in weight means 28 g.”


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