藤田和日郎
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来歴
子どもの頃から漫画や本を読むのが好きで、ロジャー・ゼラズニイの小説『地獄のハイウェイ』を自分の原点としている[5]。高校では友人たちと漫画研究会を設立[6]、1982年に高橋留美子のホラー短編『闇をかけるまなざし』[注釈 2][8]を読んだことをきっかけとして漫画家を目指す[4][9][10]。絵の描き方について試行錯誤を繰り返していた高校時代に、アニメ映画『クラッシャージョウ』の舞台挨拶のため、地元旭川に訪れた安彦良和へ質問した思い出を持つ[11]。そのイベントで安彦が「目線が決まると体の向きが決まる」と発言したのを聞き「人物はまず目から描く」ことに決めたという。この描き方はプロになってからも続けられている[12]。1983年(昭和58年)、大学進学のために上京[6]。大学では漫画研究会、アニメーション研究会、推理SF研究会に所属し小説の挿絵などを描く[13]。漫画・イラストなどの修業のほか、アニメーション監督の押井守の兄を直接の先生に形意拳[14][15]の修行歴があり短編集の作品にも反映されている。
あさりよしとお[16]のアシスタントを経て、1988年(昭和63年)に第22回新人コミック大賞に入選した「連絡船奇譚」が『週刊少年サンデー』の増刊号に掲載されてデビューを果たす。そして1989年(平成元年)に『うしおととら』で第2回少年サンデーコミックグランプリに入賞。この賞は少年サンデーが主催していた新人賞で、受賞作がそのまま連載となることを謳っていた。翌1990年(平成2年)より少年サンデー誌上で同作の連載を開始する。同作は6年以上に亘り連載され、OVA化などもされる人気作品となった[1]。
1997年(平成9年)から2006年(平成18年)まで、『週刊少年サンデー』で『からくりサーカス』を連載。およそ9年に亘る長期連載となった。
『からくりサーカス』終了後は少年サンデーを離れ、『ビッグコミックスピリッツ』・『モーニング』と一時的に青年誌へと活動の場を移す。2008年(平成20年)には再び少年サンデーに戻り、2014年(平成26年)まで『月光条例』を連載した。
2015年から2016年にかけて『うしおととら』が、藤田作品では初めてテレビアニメ化された[17]。次作品の『からくりサーカス』も2018年から2019年にかけてテレビアニメ化されている[18]。
2016年(平成28年)から2021年(令和3年)まで、週刊少年サンデーで『双亡亭壊すべし』を連載[19][20]。
2022年(令和4年)、3月10日発売の週刊『モーニング』で『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』(「黒博物館・第3シーズン」)の連載開始[21]。
注釈
出典
- ^ a b c d e f 『漫画家人名事典』、2003年、325頁。
- ^ 中野晴行(取材・文)「マンガ家スペシャルインタビュー藤田和日郎」『ダ・ヴィンチ 77号』 メディアファクトリー、2000年9月、p.108-109。
- ^ 『朝日新聞』2008年3月8日朝刊。
- ^ a b 『週刊少年サンデー』2008年49号、36頁。
- ^ 藤田和日郎魂 2009, p. 114-115.
- ^ a b 藤田和日郎魂 2009, p. 6.
- ^ a b 藤田和日郎魂 2009, p. 115.
- ^ 藤田和日郎@Ufujitakazuhiroの2017年3月22日のツイート、2024年2月10日閲覧。
- ^ a b 『ジャンプスクエア直撃インタビュー完全版』第2回。
- ^ a b “vol.1 藤田和日郎”. サンデーうぇぶり. 少年サンデー伝説インタビュー (2017年6月17日). 2017年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月24日閲覧。
- ^ 「ペンの魔術師たち1 想像力は時を駆ける」『北海道新聞』1997年10月27日夕刊。
- ^ a b 「藤田和日郎インタビュー」『ぱふ』1997年2月号、雑草社、40-43頁、1997年2月。
- ^ 藤田和日郎魂 2009, p. 116.
- ^ 2012年5月26日のツイッターの発言
- ^ 藤田和日郎,荒川弘,「少年マンガの教理と実践 藤田和日郎が 『鋼の錬金術師』 を読む」『ユリイカ』2010年2月号(青土社)参照。
- ^ 『からくりサーカス公式ガイドブック からくりサーカスのすべて』252頁。
- ^ “藤田和日郎「うしおととら」今夏TVアニメ化決定!井上敏樹ら参加”. コミックナタリー (ナターシャ). (2015年2月4日) 2024年2月19日閲覧。
- ^ “アニメ「からくりサーカス」10月放送開始!キャスト5人やアニメ映像のPV解禁”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年8月1日) 2024年2月19日閲覧。
- ^ “藤田和日郎、サンデーに「帰って参りました」!“最恐の館”巡る新連載、PVも”. コミックナタリー (ナターシャ). (2016年3月23日) 2024年2月19日閲覧。
- ^ “「双亡亭壊すべし」「ポンコツちゃん検証中」サンデーで完結、「MAJOR 2nd」連載再開”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年7月21日) 2024年2月19日閲覧。
- ^ “藤田和日郎が描く19世紀英国伝奇アクション「黒博物館」約7年ぶりの新シリーズ開始”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年3月10日) 2024年2月19日閲覧。
- ^ “藤田和日郎 _ 浦沢直樹の漫勉”. NHK. 2024年2月10日閲覧。
- ^ a b c 『漫画家本vol.14 高橋留美子本』対談 藤田和日郎 × 皆川亮二 より。
- ^ 季刊コミッカーズ 1996年秋号 20頁
- ^ 「メイキングオブからくりサーカス 衝撃ショック100連発!!」『からくりサーカス 2巻』小学館〈少年サンデーコミックス〉1998年3月15日初版発行、ISBN 4-09-125332-6、185 - 190頁、他多数。
- ^ “WEBサンデー まんが家BACKSTAGE -藤田和日郎- Vol.35/2009年2月18日”. 週刊少年サンデー. 小学館 (2009年2月18日). 2024年2月10日閲覧。
- ^ 季刊コミッカーズ 1996年秋号 19頁
- ^ 藤田和日郎@Ufujitakazuhiroの2016年1月6日のツイート、2020年6月1日閲覧。
- ^ 『かくしごと』TVアニメ公式の2020年4月3日のツイート、2020年4月3日閲覧。
- ^ a b “藤田和日郎の週刊連載、モーニングで開幕!「黒博物館」新シリーズ”. コミックナタリー (ナターシャ). (2014年11月27日) 2023年9月21日閲覧。
- ^ “藤田和日郎「黒博物館」シリーズ第2弾が華麗に終幕、単行本は7月発売”. コミックナタリー (ナターシャ). (2015年6月25日) 2023年9月21日閲覧。
- ^ a b “新たな義経像を描く新連載モーニングで始動、藤田和日郎「黒博物館」新作も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2017年12月14日) 2023年9月21日閲覧。
- ^ a b “藤田和日郎が描く19世紀英国伝奇アクション「黒博物館」約7年ぶりの新シリーズ開始”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年3月10日) 2023年9月21日閲覧。
- ^ モーニング公式 2023年9月14日のポスト、2023年9月21日閲覧。
- ^ 藤田, 和日郎 (1988-11-01). イラストテクニックミニ専科〈1 まんが編〉. 誠文堂新光社. ISBN 978-4-416-78856-1
- ^ 和日郎, 藤田; 小正楽, 林家; きょうへい, こやま; 龍, 西里; 賢裕, 山口; 優子, 芹川; 鉾人, 矢野; 春日, 三浦 et al. (1988). イラストテクニックミニ専科. 誠文堂新光社
- ^ “忍びなれども忍ばない!藤田和日郎が描いた勇壮な「ニンニンジャー」公開”. コミックナタリー (ナターシャ). (2015年8月14日) 2015年8月14日閲覧。
- ^ “戸次重幸ソロ「MONSTER MATES」藤田和日郎の描き下ろしビジュアル公開”. ステージナタリー (ナターシャ). (2018年12月7日) 2022年1月10日閲覧。
- ^ “東京創元社の文庫フェアにマンガ家10名、お気に入り作品のカバー描き下ろす(画像ギャラリー 6/10)開”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年2月18日) 2022年12月20日閲覧。
- ^ “『昭和50年男』は只今発売中で~す♪ vol.015の特集は「オレたちがヤラれた 少年マンガ」! レア!?な『うしおととら』表紙をゲットせよ!!”. 昭和50年男 (2022年2月12日). 2022年2月17日閲覧。
- ^ a b c d e 『からくりサーカス公式ガイドブック からくりサーカスのすべて』264 - 275頁。
- ^ 『からくりサーカス』43巻巻末「団員紹介」より。
- ^ “猪熊しのぶら参加チャリティ本の原画展・即売会が栃木で”. コミックナタリー (ナターシャ). (2011年11月1日) 2024年2月9日閲覧。
- ^ “藤田和日郎、TEAM NACS戸次重幸の舞台「MONSTER MATES」ビジュアル描き下ろし”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年12月7日) 2024年2月9日閲覧。
- ^ “浦沢直樹、萩尾望都、星野之宣、山岸凉子らが描き下ろし「諸星大二郎トリビュート」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年9月7日) 2021年9月7日閲覧。
- ^ “天使のような美男子の秘密を知ってしまい…花ゆめ新連載「琥春くんの細胞を」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年12月5日) 2023年12月5日閲覧。
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