秘密基地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 02:32 UTC 版)
フィクションにおける秘密基地
スーパーヒーローが登場するフィクションにおいては、ヒーローに分類される側の秘密の活動拠点、あるいは逆に悪役(ヒール)に分類される側のそれを指す言葉として用いられる。基地の形態としては、カモフラージュされた巨大な地下施設であったり、外部からそれとわからないように一般のオフィスなどが改造されていたりするものも多い。世界的に著名な作品における「秘密基地」には以下がある。
フィクションにおける秘密基地は子供心に強く訴える魅力があり、日本では一般家庭にまでテレビが普及した1960年代頃から模型化されてヒット作となった。ただし、最上級の大型キットは子供にとっては高額なため、実際に購入した者は比較的少数で、どちらかと言えば「高嶺の花だが、いつか入手したい憧れの模型」として語られる存在でもあった。代表的な物としては「サンダーバード秘密基地」「スペクトラム基地」等のSF作品が多いが、中には永大の「ドイツ軍秘密基地」の様な、ジオラマ基調のミリタリースケールモデルも存在した。
子供の遊び場としての秘密基地
本項目の「秘密基地」は、上記に掲げるものを模して子供たちが作る秘密の遊び場を指す。子供たちは、隠れることにより生存能力を鍛えている[6]。こういった行動は、11歳以下ごろまでで、二人以上のメンバーで多く見られる[7]。
仲間内では大人や部外者(友達でも仲間という約束を交わしていない者)へは、その存在や場所を秘密にする約束が交されることも少なくないが、必ずしも「秘密」であることにこだわらず、大人からみれば単に彼らが集まる場所に過ぎないことも多い。
このような秘密基地となりえる場所は、公園の隅や空き地などであるが、「秘密基地」という、周囲には知られたくない気持ちをより昇華すべく、廃墟となった建物、工事現場、資材置き場などといった、いわゆる危険な場所に作ることもある。これは危険な場所に立ち入ってはならないという禁忌を犯すことで快感を得るという意味もある。
地域によっては若衆宿のごとく子供を社会的に成長させるため、子供に察せられない様に大人が管理するものもある。
また、屋内(多くは自宅内)の狭隘な場所、例えば押入れ、納戸、倉庫や土蔵などに1人又は兄弟で作ることもある。
アメリカの少年の冒険と仲間たちの友情をテーマにした映画『スタンド・バイ・ミー』では、木の上に秘密基地があり、カードゲームに興じたりする場面が描写されている。また、同じく『トム・ソーヤーの冒険』では、洞窟の中に秘密基地を作る設定になっており、内部には金貨や武器弾薬や子供の玩具があり、誘拐した人質を幽閉するトムの未来の夢もある。
また『20世紀少年』『ライチ☆光クラブ』など秘密基地自体がキーワード、舞台として登場する作品もあるが、この二作品は秘密基地が作った本人達に悲惨な結果をもたらしてしまう特徴がある。
『探偵!ナイトスクープ』2011年1月28日放送分では、大阪の男子小学生から届いた「秘密基地を作りたい」という依頼が採用された。高槻森林観光センター内の敷地に、桂小枝探偵や工務店の職人らの協力のもと、現実に秘密基地を作った。
脚注
- ^ アジト コトバンク
- ^ Alvarez, Lizette (2011年10月1日). “JFK fallout shelter a beachside Camelot”. Tampa Bay Times. オリジナルの2017年2月20日時点におけるアーカイブ。 2017年2月19日閲覧。
- ^ Drab London office block was GCHQ spy base(BBC 更新日:5 April 2019、参照日:14 may 2019)
- ^ Secret sanya: China's new nuclear naval base revealed - Jane's Intelligence Review p50-53 May 2008
- ^ Secret Nazi nuclear bunker discovered in Austria by filmmaker 出版:インデペンデント 著:Ben Tufft Monday 29 December 2014 20:19)
- ^ 苅田, 知則 (2000年3月10日). “子どもの「隠れる行為」 : 文献研究を通した解釈論・空間論・変遷論”. 九州大学大学院人間環境学研究院. doi:10.15017/834. 2022年5月8日閲覧。
- ^ “子どもと秘密基地-子ども文化的視点から- - 論文・レポート”. CRN 子どもは未来である. 2022年5月8日閲覧。
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