破門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/21 18:12 UTC 版)
武道
武道の世界では、門弟が流派から追放されることを破門と呼ぶ。破門になると、師匠との師弟関係は解消され、それまで門弟に授与された免許や段位も剥奪されるのが一般的である。一度破門になると、通常は二度とその流派に戻ることはできないが、師匠から許しが出ると復帰を認められる場合もある。
例えば、柔道家がアメリカのプロレスラーと対決した1921年(大正10年)のアド・サンテル事件では、柔道開祖・嘉納治五郎は出場した柔道家を破門にして段位も剥奪したが、のちに許して復帰を認めた例などがある。また、柔道家・徳三宝も嘉納より破門になったが、のちに許されて復帰している。
剣道(全日本剣道連盟)では、破門に相当する処置として、会員の除名や資格停止処分がある (一般財団法人全日本剣道連盟定款)。その場合、綱紀委員会の決定により、称号・段級位の返上もしくは剥奪が行われる可能性がある。
角界
概要
大相撲の世界では師匠より破門された力士はほぼ全てが引退及び公益財団法人日本相撲協会からの離脱(かつての廃業)を余儀なくされる(例:第60代横綱双羽黒光司)。一方で現役を引退し親方となった元力士に対する破門は必ずしもそうなるとは言えない。これには部屋または一門からの破門と協会からの破門、即ち解雇や除名といった賞罰規定に基づく懲戒処分により協会を去らなければならなくなるケースの2つがある。
部屋からの破門
部屋からの破門としては12代阿武松(元関脇・益荒雄)が師匠の押尾川(元大関・大麒麟)に無断で独立を画策したとして押尾川部屋から破門され、同じ二所ノ関一門の大鵬部屋に移籍後、独立した例がある。
一門からの破門
一門からの破門としては過去には九重が後継者争いに敗れ独立を申し出て出羽海一門から破門され高砂一門に移籍、最近では高田川部屋の先代師匠(前の山)が高砂一門の推薦を受けることなく理事に立候補(当選)して破門され、2011年1月に現師匠(元関脇安芸乃島)が現役時に所属していた二所ノ関一門に加入するまで無所属となっていた例がある(なお、現高田川も千田川親方時代に師匠の一代年寄・貴乃花(元横綱)と指導方針を巡り対立して貴乃花部屋を事実上破門され、無所属である高田川部屋に移籍していた経験がある。その後貴乃花部屋が後述の理由により二所ノ関一門を離脱した為、師匠自身の二所ノ関一門復帰が可能となった)。
貴乃花支持グループの破門
2010年(平成22年)1月の理事選挙を巡っては二所ノ関一門の総意に反して理事選挙への立候補を明言した一代年寄・貴乃花(元横綱)が一門を「離脱」したが、その後、貴乃花親方を支持する間垣(元横綱二代目若乃花)、音羽山(元大関・貴ノ浪)、大嶽(元関脇・貴闘力)、阿武松、常盤山(元小結・隆三杉)、二子山(元十両・大竜)の6人の親方が事実上、二所ノ関一門から破門された。但し、同一門の幹部自らは「破門」という言葉は使ってはおらず、総意に従わないものが一門を「離脱」したというのが表向きの理由である。しかし、6人の親方は自ら望んで一門を離脱したわけではないので、一門からの事実上の「破門」として当人たちは受け止め、世間でもそう解釈された。
相撲協会からの破門
2007年10月、15代時津風(元小結・双津竜)が、同年6月に部屋で発生した弟子の暴行死事件に関与したとして、日本相撲協会から解雇された(事実上、日本相撲協会からの「破門」と見做される)。
- ^ 『新・佛教辞典-増補』誠信書房。
- ^ 下村寅太郎「スピノザとライプニッツ」(『世界の名著30 スピノザ ライプニッツ』中央公論社、1980年)
- ^ 黒川知文『ロシア社会とユダヤ人』ヨルダン社
- ^ “Code of Canon Law - IntraText(カトリック法の該当条文:Can. 1398 A person who procures a completed abortion incurs a latae sententiae excommunication.)”. www.vatican.va. 2020年11月4日閲覧。
- ^ 『いのちの福音』Evangelium Vitae
- ^ “フランシスコ法王、マフィアは「神を冒涜」と批判 殉教神父の追悼ミサで”. AFP (2018年9月15日). 2018年12月1日閲覧。
- ^ “「マフィアは破門する」と法王、3歳児犠牲のイタリア南部を訪問”. AFP (2018年6月23日). 2018年12月1日閲覧。
- ^ 落語協会「師弟関係の問題には直接介入できる立場にはないものの」ハラスメントめぐる裁判で見解 - 日刊スポーツ 2024年2月6日
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