砂嵐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 07:55 UTC 版)
砂嵐の地方名
各地の砂嵐や砂嵐をもたらす「風」には、固有名詞がついたものも多い。
- ハブーブ - 北アフリカ、中東。アメリカでは砂嵐を伴った強風を表す気象用語として採用されている[9]。
- シャマール - ペルシャ湾沿岸
- ハムシン - 北アフリカ、アラビア半島
- シムーン - 北アフリカ、中東
- ギブリ - リビア
- シロッコ - イタリア
- ハルマッタン - 西アフリカ
- ブリックフィールダー - オーストラリア
- 黄砂 - 東アジア
顕著な砂嵐被害の例
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- 1930年代 - アメリカ グレートプレーンズ - 急速な農地拡大後に大量の耕作放棄地が発生し、乾燥により砂塵嵐が頻発した。ダストボウルと呼ばれている。
- 1993年 - 5月5日 中国北西部寧夏回族自治区、内モンゴル自治区アルシャー盟、甘粛省 - 「黒風暴」と呼ばれる激しい砂塵嵐が集落を襲い、耕地21万ヘクタール、森林18万ヘクタールが被災、電柱倒壊による停電、鉄道や道路の埋没も発生した。家畜の死亡・行方不明48万頭、負傷者386人、死者・行方不明者112人に上り、記録が残る中で中国史上最悪の砂塵嵐であった[10]。
- 2012年 - 3月13日 アメリカ ワシントン州 - アメリカの都市では珍しい大規模な砂塵嵐が来襲。視界がゼロに近い状態になり、交通事故が多発した[11]。
地球以外の砂嵐
砂嵐の発生は地球上に限らない。例えば火星上では地球上と比較すると発生時間、面積共に大規模な砂嵐が発生し、時には星全体を覆うこともある。規模が大きくなる原因として、火星の大気が地球の約1/100と希薄な影響で、巻き上がった砂塵が大気を熱する効果が地球より高く、それが上昇気流を強めて砂嵐を自己増強しているとの仮説がある。火星の大規模な砂嵐は、観測時の条件が良ければ地球上からも天体望遠鏡で観測できる[12]。
注釈
出典
- ^ a b 吉野 正敏「中国の沙漠における人間活動と砂塵あらし」 愛知大学国際中国学研究センター、2020年2月8日閲覧。
- ^ a b アメリカ気象学会 Glossary of Meteorology "duststorm", "sandstorm"、2012年12月29日閲覧。
- ^ 文部省,日本気象学会 編 『学術用語集 気象学編(増訂版)』、丸善、1987年 ISBN 978-4-8181-8703-0。
- ^ 気象業務支援センター ファイル形式配信データ 「地上気象観測フォーマット (PDF) 」、2012年12月29日閲覧。
- ^ 那覇航空測候所 「METAR報とTAF報の解説」、2012年12月29日閲覧。
- ^ 気象庁 『気象観測の手引き 平成10年(1998年)9月』、2012年12月29日閲覧。
- ^ 気象庁 「はれるんライブラリー 質問一覧 天気図の記号って何種類あるのですか?それと、どんなのがあるのですか?」、「天気図記号の例 (PDF) 」、2012年12月29日閲覧。
- ^ “天気の「快晴」がなくなった 「歴史的転換」迎えた観測:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年4月3日閲覧。
- ^ アメリカ気象学会 Glossary of Meteorology "haboob"、2012年12月29日閲覧。
- ^ 環境省・海外環境協力センター 黄砂問題検討会『黄砂問題検討会中間報告書』、2004年9月、2012年12月29日閲覧。
- ^ “米ワシントン州に砂塵嵐が襲来、視界ほぼゼロ”. ロイター通信. (2012年3月13日) 2011年3月29日閲覧。
- ^ 国立天文台 アストロトピックス No.159「火星に大規模な砂嵐が発生」、2005年10月27日、2012年12月29日閲覧。
砂嵐と同じ種類の言葉
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