発散級数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/07 22:36 UTC 版)
級数が収束するならば、級数の各項の成す数列は必ず 0 に収束する。したがって、0 に収束しないような数列を項に持つ級数はいずれも発散する。しかし逆に、級数の項が 0 に収束しても級数は収束するとは限らない。最も簡単な反例として、調和級数
が挙げられる。調和級数が発散することは、中世の数学者ニコル・オレームによって示された。
数学の特別な文脈では、部分和の列が発散するようなある種の列について、その和として意味のある値を割り当てることができる。総和法 (summability method, summation method) とは、級数の部分和の列全体の成す集合から「和の値」の集合への部分写像である。例えば、チェザロ総和法ではグランディの発散級数
に 1/2 を値として割り当てる。チェザロ総和法は平均化法 (averaging method) の一種で、部分和の列の算術平均をとることに基づいている。他の方法としては、関連する級数の解析接続として和を定める方法などがある。物理学では、非常に多種多様な総和法が用いられる(詳細は正則化の項を参照)。
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