田中未知
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 09:58 UTC 版)
評価
長年にわたって寺山の業績を様々に伝えた田中の業績は、宇都宮大学教授である守安敏久からも高く評価されている[3]。
2015年(平成27年)11月21日のテレビ番組『ノンフィクションW 暗黒のアイドル、寺山修司の彼方へ。「月蝕歌劇団」30年の挑戦』(WOWOW)で、寺山を最も知る女優としてナレーターを務めた高橋ひとみは「寺山を伝え続けるという使命に一生を捧げた人として、本当にすごい」と感嘆した[26]。
『寺山修司と生きて』の冒頭には、寺山から田中へ贈られた「未知、きみは固有名詞じゃない。ぼくとの共通名詞である。一緒につくった一つの存在です[* 2]」との言葉が記されている[9]。
手掛けた作品
作曲
- 「時には母のない子のように」
- 「山羊にひかれて」
- 「だいせんじがけだらなよさ」
- 「人の一生かくれんぼ」
楽器作家
- 1974年 幻想楽器展。言語楽器展。話しかける部屋展。
- 高松次郎デザインによる言語楽器 バロール・シンガー[27]
映画音楽
実験映画作品監督
- 1977年 「記憶のカタログ」
- 1979年 「FACE」
- 1979年 「質問」
- 1981年 「水の中の日記」
著書
- 1973年 「愛するメロディ」
- 1977年 「質問」
- 1997年 「空の歩き方」
- 2000年 「質問」(復刻版)
脚注
参考文献
- 石飛千尋「田中未知 寺山修司が遺した「言葉」の力」『kotoba』第34号、集英社、2018年12月6日、 NCID AA12501712。
- 稲泉連「新 家の履歴書 田中未知 オランダの家からの朝の眺めは、「ここがわたしの約束の地」と思うほど美しかったの。」『週刊文春』第60巻第7号、文藝春秋、2018年2月22日、 NAID 40021461504。
- 齋藤愼爾「ブックハンティング2007 寺山修司と生きて」『出版ニュース』第2114号、出版ニュース社、2007年8月1日、 NCID AN00356345。
- 田中未知『寺山修司と生きて』新書館、2007年5月4日。ISBN 978-4-403-21094-5。
- 守安敏久「田中未知PRESENTS『寺山修司を歌う 読む 語る』(スパイラルホール)」『寺山修司研究』第8号、文化書房博文社、2015年4月20日、 NCID BA81967840。
外部リンク
- Flying Questions
- 田中未知 (@FlyingSorami) - Twitter
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k 田中 2007, p. 380
- ^ a b c d e 齋藤 2007, p. 18
- ^ a b c d e f g h i j 守安 2015, pp. 4–7
- ^ 『新訂 現代日本人名録2002』3、日外アソシエーツ、2002年1月28日、472頁。ISBN 978-4-8169-1695-3。
- ^ a b c d “田中未知×祖父江慎トークショー「70年代伝説の書『質問』が生まれた時代 寺山修司が表現しようとしていたこと」”. 文藝春秋 (2018年3月16日). 2018年10月21日閲覧。
- ^ 『寺山修司』太陽編集部編、平凡社〈コロナ・ブックス〉、1997年7月15日、32頁。ISBN 978-4-582-63325-2。
- ^ 浅見恭弘「うた物語 名曲を訪ねて 時には母のない子のように 異形の母子愛、率直」『読売新聞』読売新聞社、2001年1月21日、東京朝刊、4面。
- ^ a b c 石飛 2018, pp. 83–87
- ^ a b c d 久田恵「書評 寺山修司と生きて 田中未知著 鬼才の不在を納得するまでの20年余」『朝日新聞』朝日新聞社、2007年6月17日、東京朝刊、13面。
- ^ a b 稲泉 2018, pp. 64–67
- ^ 梅森妙「“問いかけ”だけで構成された伝説の書『質問』を知っていますか? 編集担当者に聞いた『質問』の楽しみ方」『文春オンライン』文藝春秋、2018年2月19日、1面。2018年10月9日閲覧。
- ^ 松浦弥太郎「SUNDAY・LIBRARY 本のある日々 彼のことをふと思うとき あの香ばしいかおりを思い出す」『サンデー毎日』第97巻第15号、毎日新聞社、2018年3月18日、 104頁、 NCID AN10176044。
- ^ 梅森 2018, p. 2.
- ^ 田中 2007, p. 371.
- ^ 「今も慕われ続けて 寺山修司の十七回忌」『朝日新聞』、1999年5月8日、東京夕刊、9面。
- ^ 山内則史「時代超え「寺山修司」再び 没後17年 イベント・出版、相次ぐ人気」『読売新聞』、2000年8月14日、東京夕刊、11面。
- ^ 「寺山ファンら、23回忌に200人」『朝日新聞』、2005年5月12日、東京夕刊、10面。
- ^ 古賀太「寺山修司、写真も奇才 未発表含む150点公開」『朝日新聞』、2008年11月18日、東京朝刊、31面。
- ^ 河合真帆「寺山修司の未発表歌集、28日刊行へ」『朝日新聞』、2008年2月6日、東京夕刊、12面。
- ^ a b 寺山修司『秋たちぬ 寺山修司未発表詩集』田中未知編、岩波書店、2014年11月13日、173頁。ISBN 978-4-00-024045-1。(田中未知による後書き)
- ^ 「“寺山修司と生きた”田中未知が贈る二日間」『webDICE』アップリンク、2014年11月10日。2018年10月9日閲覧。
- ^ 「「寺山修司不思議書店」蔵書1000冊以上を公開、「あゝ、荒野」絶版本販売も」『映画ナタリー』ナターシャ、2018年3月21日。2018年10月9日閲覧。
- ^ 「寺山修司の蔵書千冊超を公開する『不思議書店』田中未知&祖父江慎も登壇」『CINRA.NET』CINRA、2018年3月15日。2018年10月9日閲覧。
- ^ a b “特別展「寺山修司展 ひとりぼっちのあなたに」”. 神奈川近代文学館. 2018年10月19日閲覧。
- ^ a b 白取心平「言葉に焦点 独特な空間 横浜で「寺山修司展 ひとりぼっちの─」 母への手紙、直筆原稿並ぶ」『東奥日報 朝刊』東奥日報社、2018年10月16日、9面。
- ^ 「ノンフィクションW 暗黒のアイドル、寺山修司の彼方へ。「月蝕歌劇団」30年の挑戦~』高橋ひとみにインタビュー!」『エンタステージ』ナノ・アソシエーション、2015年11月20日。2018年10月9日閲覧。
- ^ “田中未知・高松次郎の言語楽器《パロール・シンガー》と関係資料について”. 吉﨑 和彦. 2018年11月4日閲覧。
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