旗本奴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/16 17:16 UTC 版)
六方詞
六方詞(ろっぽうことば)は、六方、いわゆる旗本奴が好んで使用した粗野な言葉・言葉遣いである[21][22]。江戸時代前期(17世紀)の江戸における関東方言を基調としており、一種の武家言葉である[21][22]。以下のような言い回し・語彙がある[21][22][23]。奴詞(やっこことば)ともいう[22]。文末の助動詞「べし」は「べい・べえ」の形で使用される[23]。旗本奴のみならず、町奴も使用し、同時代の吉原遊廓での廓詞にも影響を与えた。六方俳諧は、奴俳諧(やっこはいかい)とも呼ばれた。水野と山中の辞世の句が六方詞の代表として有名である[23]。
- なだ - 涙
- こんだ - 事だ
- ぶっかける - 打ちかける
- ひやっこい - 冷たい
- さむっこい - 寒い
- ほじゃく - 言う
- わんざくれ - どうにでもなれ(わざくれ)
- かっかじる - ひっかく(かかじる)
- かたじうけない - かたじけない
- しねえ - しない
- てめえ - 手前
脚注
- 注釈
- 出典
参考文献
- 『旗本と町奴』、柏原昌三、国史講習会、1922年
関連項目
外部リンク
- ^ a b c d 旗本奴、世界大百科事典 第2版、コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b 旗本奴、百科事典マイペディア、コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b c 旗本奴、デジタル大辞泉、コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b c d 旗本奴、大辞林 第三版、コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ 大辞林 第三版『六方・六法』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ 世界大百科事典 第2版『町奴』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b c d 朝日日本歴史人物事典『大鳥逸平』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b 朝日日本歴史人物事典『水野十郎左衛門』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ 成貞も相当な傾奇者であり、初期の旗本奴であったとされる。
- ^ 朝日日本歴史人物事典『加々爪直澄』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b c デジタル大辞泉『六方組』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b 世界大百科事典 第2版『唐犬権兵衛』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ デジタル大辞泉『白柄組』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ 大辞林 第三版『白柄組』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ 世界大百科事典 第2版『極付幡随長兵衛』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ デジタル版 日本人名大辞典+Plus『佐々木累』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ 大辞林 第三版『六方俳諧』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ 世界大百科事典 第2版『中山勘解由』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ デジタル版 日本人名大辞典+Plus『山中源左衛門』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ デジタル版 日本人名大辞典+Plus『三浦小次郎』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b c デジタル大辞泉『六方詞』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b c d 大辞林 第三版『六方詞』 - コトバンク、2012年7月31日閲覧。
- ^ a b c d e 柏原、p.99-101.
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