文化放送A&Gゾーン 概要

文化放送A&Gゾーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/25 08:56 UTC 版)

概要

1991年平成3年)4月14日、A&Gゾーン成立前からの最長寿番組『ノン子とのび太のアニメスクランブル』が放送開始[注 1]

1992年(平成4年)4月、文化放送は、開局40周年とAMステレオ放送開始の記念事業として、アニメ・ゲーム系のラジオ番組の制作を増加させる。当時は日曜日に放送され、『ラジメーション・魔神英雄伝ワタル3』『ツインビーPARADISE』のように出演声優のDJ + アニメ・ゲーム原作のラジオドラマの構成となる番組が中心であった。

1994年(平成6年)4月、旧日本文化放送協会(NCB)としての開局以来続いていた『ラ講』が毎日の帯番組としては終了。この番組改編で日曜日に放送されていたアニメ・ゲーム系のラジオ番組の放送枠を移動した形で金曜日深夜に新設、さらに翌1995年(平成7年)には土曜日深夜にも新設、アニメ・ゲーム・声優の曲に特化したカウントダウン番組『SOMETHING DREAMS マルチメディアカウントダウン』を開始し、日曜日の放送も復活、アニメ・ゲーム系の番組編成を強化した。この時期、番組編成枠が「A&Gゾーン」として成立するようになった。野村邦丸によると、自身が面接官を務めていた入社試験(時期不明)ではA&G配属志願者が全体のおよそ8割に及んでいたという[注 2]

1997年(平成9年)10月、『超機動放送アニゲマスター』を放送開始。文化放送ディレクターであったおたっきぃ佐々木がメインパーソナリティを務め、次第に人気が出て時間を拡大、「A&Gゾーン唯一のワイド番組」となり、A&Gゾーンの中核となる番組として統括的立場にあった。

全民放AMラジオ局およびラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)で同一内容が放送されていた『ゆく年くる年』では、文化放送が制作を担当した1997年(平成9年)から1998年(平成10年)にかけての放送において「ゆく年くる年〜夢見る力〜」と題し、A&Gゾーン主体の番組構成がなされ、日本全国に放送された。また、当時のA&Gゾーンキャッチコピー「Dream Power」にちなみ、イベント「Dream Power」を開催したり、当時のA&Gゾーンの番組[注 3]のパーソナリティ約30人によるA・G・A・Sを結成し、佐々木作詞による歌「dream power-翼なき者たちへ-」のCDをリリース・先述のイベントなどで披露した。

中核番組の役割は、同じ放送枠(土曜21時 - 23時)にて『A&G 超RADIO SHOW〜アニスパ!〜』(2004年〜2015年)を経て、現在は『A&G TRIBAL RADIO エジソン』に、またカウントダウン番組も『A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン』に、それぞれ継承されている。また、2015年からは『エジソン』と『こむちゃっとカウントダウン』に加える形で生放送番組の拡充を進め、2015年6月末からは4人の男性声優が日替わりでパーソナリティを務める平日深夜の帯枠『ユニゾン!』シリーズ[2][3](2015年〜2018年)、『&CAST!!!アワー ラブナイツ![4]を開始、2017年4月からはA&Gゾーン初の日曜昼ワイド番組となる『A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!』を開始[5]。『キミまち!』は2019年4月より土曜夜のワイド番組(19時 - 21時)へと変更され、『エジソン』『こむちゃっとカウントダウン』までA&G主軸の生ワイドが3番組5時間続くうえ、土曜日のA&Gゾーンは18時から翌日3時30分の9時間半に大幅強化された。

『キミまち!』は2022年3月26日をもって終了し、同枠の後番組は地上波と超!A&G+で異なる番組になると発表された。21時からの生ワイド2番組は継続されて、土曜日のA&Gゾーンが残るが、1995年より強化され続けた日曜日の一部の番組が2022年4月改編により改編対象となった[注 4][注 5]。同改編では2008年の番組開始以来、超!A&G+のみの配信だった『花澤香菜のひとりでできるかな?』が地上波での放送を開始[6]

2023年4月改編では中核番組だった『こむちゃっとカウントダウン』が終了し、その後継番組として『A&Gメディアステーション FUN MORE TUNE』が開始[7]、カウントダウン番組としての性質は残すものの収録番組に変更することにより、土曜夜の生ワイド番組は『エジソン』の2時間のみとなる。また、『CultureZ』終了後の火〜金曜(月〜木曜深夜)2時台及び従来からのA&Gゾーンである日曜(土曜深夜)2時30分 - 3時30分枠に「超!A&G+ピックアップ」という下位のゾーン編成を設け、超!A&G+の複数の番組が地上波での放送を開始することになった[8]。同年7月改編では「ピックアップ」枠の一部番組の終了・時間変更を行うとともに、バーチャルYouTuberがパーソナリティを務める番組を3番組開始している[9]。さらに同年10月改編でアイドルや声優、ゲーム実況配信者などによる新番組が開始するため[10]、「ピックアップ」枠は日曜(土曜深夜)のみに縮小されたが、2024年4月改編でこのゾーン編成は終了となった。

2021年3月31日までは独自のウェブサイトが存在したが、翌4月1日に一般番組サイトのリニューアルに併せて統合され、閉鎖された。

A&GゾーンとI&Cゾーンとの関係

文化放送では、2021年4月から同局で制作・放送するアイドル・お笑い系タレントがパーソナリティを務める番組を強化させる一環として、これらの番組を「I&Cゾーン[注 6]として総称している。このうち、2024年4月現在放送中の『Snow Man 佐久間大介の待って、無理、しんどい、、[注 7]、『Girls²ミサキとクレアのアニファン! (Season2)[注 8]の2番組については、パーソナリティの佐久間大介Snow Man)、 鶴屋美咲増田來亜(ともにGirls2)自身がアニメやマンガなどに造詣が深く、番組の主旨だけでなくゲストや内包番組にもアニメ・マンガ・ゲーム・声優が絡んでいるため、A&Gゾーン番組としても扱われることがあるが、あくまでアイドルがパーソナリティを務める番組であることが優先されているため、文化放送公式サイトではI&Cゾーン番組として表記されている。こうしたA&Gにも関わる番組の公式サイトの記事はA&Gゾーンのサイトからもリンクが貼られている[注 9]。また、2024年3月に終了した『内田理央のレコメン!FRIDAY[注 10]をリニューアルした『レコメン!A』も同様の扱いとなっている。

A&Gゾーンをベースにした文化放送アニメビジネス

文化放送では、A&Gゾーンのコンテンツ力・A&Gゾーン番組を通して得たアニメ関連の人脈を利用して、以下のようなアニメ関連ビジネスにラジオ放送局の枠を超え進出している。

番組制作会社について

A&Gゾーンの番組は、主にグループ外の株式会社MAGES.が手掛けており[12]、ごく一部に文化放送子会社である株式会社セントラルミュージック担当番組がある。

かつてはほとんどのA&G関連番組をセントラルミュージックが制作していたが、2006年に文化放送とドワンゴの合弁会社としてAG-ONEを設立し、この時にA&G関連番組の制作事業が一斉にセントラルミュージックから移管された。その後AG-ONEは2011年に5pb.と合併しMAGES.となり、2013年にドワンゴの完全子会社となって文化放送グループから離脱[注 11]したが、MAGES.が制作している番組についてはセントラルミュージックには返還されず、そのままMAGES.が文化放送から委託を受けて制作を続けている。

セントラルミュージックが、2023年現在も担当するA&Gゾーン番組として[13]、『水樹奈々 スマイルギャング』(元々AG-ONE/MAGES.に無関係の外部企業制作だった番組をセントラルミュージックに移管した)がある。

野球中継や報道特別番組への対応

平日の21時台の一部は、このゾーンにあてられており、野球中継が延長(最大は21時30分)した場合はそちらが優先され、番組の繰り下げ・休止が発生する(できるだけ『レコメン!』の放送時間短縮で対応することになる)。

2013年度からは『文化放送ホームランナイター』は原則として土曜日のみの放送(日曜日は一部の公式戦と日本シリーズのみ中継)[14]となり、2019年度からは同番組のレギュラー放送の終了(土・日曜日共に一部の公式戦と日本シリーズのみ中継)[15]によって、土・日曜日のA&Gゾーン各番組の放送を優先する方針に切り替わっている。ただし、野球中継がある場合は、その野球中継が延長した場合21時以降の番組の放送時間短縮や繰り下げ・休止が発生する。30分単位の収録番組については、番組ごとの休止頻度にバラツキが出ることになることから、公平さを持たせるために、ローテーションで休止優先順位が定められる。詳細は野球中継がある場合に事前に文化放送A&Gの公式サイトでお知らせしたり、A&Gもしくは各番組の公式ツイッターでも告知することになっている。

一方、オリンピック中継や国政選挙東京都知事選挙開票速報番組大晦日年越し番組[注 12]が該当時間帯に編成される場合は、野球中継や有事の場合の報道特別番組とは異なり事前に放送時間が見こせることから該当特番と時間が重なる番組については極力休止せずに放送時間の変更、日曜日夜から月曜日未明の場合は放送休止時間の短縮により対応する。

2014年度までは『走れ!歌謡曲』日曜版が存在した2006年4月改編以前からの名残があり、翌日3時以降にA&Gゾーンの番組が編成されていても休止されることはなかった。2015年度になり翌日3時台の番組が分割されたことをきっかけにA&Gゾーンから外れる4時台を含めて5時までのすべての番組が休止ローテーションの対象となった。2016年から日曜20時30分はA&Gゾーンとなるが、当該時間はBOAT RACE SGまたはプレミアムG1優勝戦のナイター中継(『ボートレースラジオ実況中継』)の影響を受けることがあり、該当日は予め該当番組の放送時間を変更させている。


注釈

  1. ^ これ以前、文化放送では『アニメトピア』(ラジオ大阪制作)で他社制作のアニメ番組のネット受けおよび自社で関連番組『アニメNOW!』を放送していた。
  2. ^ くにまるジャパン 文化放送 2015年7月16日
  3. ^ SOMETHING DREAMS マルチメディアカウントダウン・電撃大賞・國府田マリ子のGMを除く(國府田マリ子のGMはラジオ大阪の制作番組であるが、同じくラジオ大阪制作のアニメトピアRからの参加はあった)
  4. ^ 2022年3月14日の定例記者会見の席上や2022年3月17日および3月24日・3月31日のA&Gメールマガジンなどより。
  5. ^ ちなみに2022年4月改編は文化放送地上波で一般番組枠を含めて改編率70%超と社長の斉藤清人が発言している。
  6. ^ 「I&C」は アイドルのI・お笑いを指すコメディのCの頭文字(Idol & Comedy)にちなむ。
  7. ^ 土曜20時 - 21時。2022年4月改編より放送開始。
  8. ^ 土曜(金曜深夜)2時30分 - 2時45分。2024年4月改編より放送再開。なお、Season1は2023年3月31日(30日深夜) より9月29日(28日深夜)まで金曜(木曜深夜)1時30分 - 2時に放送。
  9. ^ 旧A&G独自ウェブサイトでも、例えば『レコメン!』に声優がゲスト出演する場合に告知がなされていた。
  10. ^ 金曜21時 - 23時。『レコメン!』の金曜版(第1部)として2022年10月 - 2024年3月放送。パーソナリティは内田理央が担当。それまで『レコメン!』の金曜版として位置付けられていた『嵐・相葉雅紀のレコメン!アラシリミックス』は、事実上金曜版の第2部となった。
  11. ^ MAGES.はその後2019年にドワンゴ傘下から独立、翌2020年にコロプラ傘下となっている。
  12. ^ 2023年時点では『さだまさしカウントダウンスペシャル』を大晦日深夜から新年元日未明に編成している[16]
  13. ^ 超!A&G+では60分版を金曜夜に先行生配信。
  14. ^ 超!A&G+では金曜未明(木曜深夜)に先行配信。
  15. ^ 『けものフレンズ presents フレンズ探検隊2』にプチリニューアルのため。なお、2018年12月1日より『あにてれ presents フレンズ探検隊2』と番組タイトルが再度リニューアルされた。
  16. ^ 2018年4月から「A&G TRIVAL RADIO エジソン」内から独立した。

出典

  1. ^ ラジオでアニメ 二十数年こだわる文化放送の狙い「A&G」 デイリースポーツ 2018年5月15日、同6月1日閲覧。
  2. ^ アニメ!アニメ!. “人気男性声優による生放送帯番組「ユニゾン!」 月曜パーソナリティは関智一に決定”. 2015年6月17日閲覧。
  3. ^ animate Times. “河本啓佑さん・畠中祐さん・沢城千春さん・千葉翔也さんが『ユニゾン!』の新パーソナリティに! 番組タイトルもリニューアル”. 2018年10月28日閲覧。
  4. ^ animate Times. “森久保祥太郎さん・吉野裕行さん・福山潤さん・諏訪部順一さんら人気声優が日替りで登場! 文化放送の生ワイド番組『&CAST!!!アワー ラブナイツ!』10/1放送スタート”. 2018年10月28日閲覧。
  5. ^ “文化放送、アニラジ日曜昼進出!MCは声優阿澄佳奈”. 日刊スポーツ. (2017年3月13日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1791676.html 2018年10月28日閲覧。 
  6. ^ 4/3(日)~地上波へ進出!『明治 presents 花澤香菜のひとりでできるかな?』,2022年3月24日
  7. ^ 文化放送、不倫騒動に揺れた〝こむちゃっと〟の後継番組発表,サンケイスポーツ,2023年3月14日
  8. ^ 深夜の地上波に「超!A&G+」の番組が登場!『超!A&G+ピックアップ』 内田真礼、東山奈央、前田佳織里、斉藤壮馬、内山昂輝ら,文化放送,2023年3月24日
  9. ^ 文化放送2023年7月新番組 「好きがつながる文化放送」 VTuberが文化放送の地上波に参入! 名取さな、千代浦蝶美、南登かなるが深夜を彩る,文化放送,2023年6月20日
  10. ^ アイドル、ゲームカルチャー、Vtuber、声優、コスプレイヤーなど 「好き」が満載の新番組!10/2(月)から続々スタート,文化放送,2023年9月19日
  11. ^ 文化放送 アニメ映画製作委員会参加決定!『8月のシンフォニー -渋谷2002〜2003』
  12. ^ 番組制作事業 | MAGES. Inc.
  13. ^ MUSIC PROGRAM | JCM
  14. ^ QR日曜夜に新番、ナイターは注目カードのみ - 文化通信 2013年2月20日
  15. ^ 文化放送、週末ナイター今季は中継せず アニメ番組強化、ラジオに多様化の波 - デイリースポーツ 2019年2月21日
  16. ^ 『さだまさしカウントダウンスペシャル』1時間30分 生放送!(文化放送)”. さだまさしオフィシャルサイト (2023年11月21日). 2023年12月31日閲覧。





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