安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」 音楽性

安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/28 09:13 UTC 版)

音楽性

玉置浩二の自伝本『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』において著者の志田歩は、「蒼いバラ」に関して「安全地帯というバンドへの期待に真っ向から応えてくれる官能的なミディアム・バラード」と指摘し、緩急の起伏に富んだボーカルやドラムスやパーカッションが生み出す躍動感などが魅力であるとした他、終盤のリードギターによる応酬がイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」(1977年)を彷彿させると指摘した[18]

また同書にて志田は、安全地帯のラブソングにて関して「平穏な日常を踏み外しかねないほどの危険なテンションに満ちたエロチシズムを、鉄壁のバンド・サウンドで放つ時、最大のパワーが発揮される」と指摘し、本作での玉置の歌唱は様々なスキャンダルを巻き起こした後であるが故に「ラヴ・ソングを歌うリアリティと説得力が増していた」と述べている[23]。また、本作によって復活した安全地帯の音楽性に関しては「"平穏な日常を踏み外しかねないほどの危険なテンション"でリスナーに迫るもの」と表現した[24]

リリース、プロモーション

本作リリースの告知は2010年5月13日にWeb媒体にて行われ、同時にセルフカバー・アルバム『安全地帯 Hits』のリリース告知も行われた[25]

リリース前の5月24日にはインターコンチネンタル香港にて玉置が単独で記者会見を行い、会場にはアジア圏の各メディア関係者100名の他に、アルバムを予約した香港のファンが20名参加する事となった[26]。当日はサプライズゲストとして玉置のファンを公言している香港の歌手アラン・タムとハッケン・リーが登場した[26]

同年5月26日ユニバーサルミュージックジャパンよりコンパクトディスクにてリリースされた。初回限定盤として、シングル「蒼いバラ」、「オレンジ」のPVおよび特典映像を収録したDVDが付属した2枚組でリリースされた[27]

2017年11月22日にはデビュー35周年を記念して紙ジャケットSHM-CDにて再リリースされた[28][29][30]2022年11月3日にはアナログレコードの普及を目的とした東洋化成によるイベント「レコードの日 2022」の開催に伴い、本作を含む安全地帯のアルバム5作品が初レコード化された[31]

ツアー

本作を受けてのコンサートツアー「安全地帯 "完全復活"コンサートツアー 2010 ~Starts & Hits ~ 「またね…。」」は、同年5月15日の北上市文化交流センター さくらホール 大ホールから10月24日のシンガポール・インドア・スタジアムまで35都市全39公演に及んで開催された[32]

しかし、同ツアー9月7日グランキューブ大阪公演において、玉置は1曲目から叫ぶように歌う事やステージ上で寝転がるなど奇行を繰り返し、メドレーでは他のメンバーにマイクを渡す事や女性客をステージ上に上げて抱擁しながら歌う場面もあった[33][34]。さらに9月13日福岡サンパレス公演では開始直後から呂律が回らず、不満を口にしたファンと口論となり、メンバーが途中退場する事態となったため、主催者側がステージ上で謝罪した後に公演は中止となり、さらにチケット代の全額払い戻しが決定された[33][34]

その後10月5日に開催された日本武道館公演では7000人を動員し、18年振りに同地での公演が実現した玉置は「感無量です」と述べ、9月の公演のようなトラブルなどもなくファンやスタッフに感謝の意を伝えた上で「ワインレッドの心」(1983年)や「熱視線」(1985年)、「悲しみにさよなら」(1985年)などの代表曲を含む全26曲を披露した[35]。また「Friend」(1986年)演奏前のMCではかつてシングル「Truth/ほゝえみをあげよう」(2005年)にて曲提供し、同年6月30日に死去した韓国の歌手であるパク・ヨンハに哀悼の意を表明した[35]

10月5日、6日の2日間に亘って行われた日本武道館は、12月8日にライブアルバム『安全地帯 “完全復活” コンサートツアー2010 Special at 日本武道館 〜Start & Hits〜「またね…。」』、12月22日に同名のライブビデオとしてリリースされた[36]


  1. ^ a b 安全地帯XI ★STARTS★「またね…。」|安全地帯”. オリコンニュース. オリコン. 2013年5月17日閲覧。
  2. ^ 志田歩 2006, p. 181- 「第12章 21世紀の安全地帯」より
  3. ^ 志田歩 2006, p. 184- 「第12章 21世紀の安全地帯」より
  4. ^ 志田歩 2006, p. 187- 「第12章 21世紀の安全地帯」より
  5. ^ 志田歩 2006, pp. 192–193- 「第12章 21世紀の安全地帯」より
  6. ^ 福住佐知子 (2007年6月11日). “『ふぞろいな秘密』石原真理子監督 単独インタビュー”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ. 2020年5月2日閲覧。
  7. ^ 石原真理子“暴露本”、玉置浩二は「知らない…」”. オリコンニュース. オリコン (2006年12月6日). 2020年5月2日閲覧。
  8. ^ 玉置浩二が歌手安藤さと子と離婚”. Nikkansports.com. 日刊スポーツ新聞社 (2007年12月2日). 2020年1月2日閲覧。
  9. ^ 玉置浩二さんが「大腸憩室炎」で緊急入院~男性は40歳以降で注意したい“お腹の病気””. ヘルスプレス. ヘルスプレス. p. 2 (2016年5月10日). 2020年5月2日閲覧。
  10. ^ 玉置浩二&石原真理子 23年ぶり再会!即婚!!」『スポニチアネックス』スポーツニッポン新聞社、2009年2月26日。2020年5月3日閲覧。
  11. ^ 玉置浩二と石原真理が6カ月で破局」『Nikkansports.com日刊スポーツ新聞社、2009年9月4日。2020年5月3日閲覧。
  12. ^ 石原真理「破局の真相」語る 「韓国で置き去りにされて・・・」”. J-CASTニュース. ジェイ・キャスト (2010年6月22日). 2020年5月3日閲覧。
  13. ^ 今、ASKAを救えるのは玉置浩二しかいない?”. AERA dot.. 朝日新聞出版 (2014年5月19日). 2020年5月3日閲覧。
  14. ^ a b 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 84/3537- 「2010年版のためのまえがき」より
  15. ^ 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 99/3537- 「2010年版のためのまえがき」より
  16. ^ 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 106/3537- 「2010年版のためのまえがき」より
  17. ^ a b 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 3179/3537- 「安全地帯/安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」」より
  18. ^ a b 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 83/3537- 「2010年版のためのまえがき」より
  19. ^ 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 3147/3537- 「安全地帯/安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」」より
  20. ^ 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 3171/3537- 「安全地帯/安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」」より
  21. ^ 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 3195/3537- 「安全地帯/安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」」より
  22. ^ Hanah、玉置浩二に認められ安全地帯のアルバムに参加”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2010年4月26日). 2020年5月3日閲覧。
  23. ^ 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 3187/3537- 「安全地帯/安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」」より
  24. ^ 志田歩 2010, Kindle版、位置No. 3204/3537- 「安全地帯/安全地帯XI ☆Starts☆「またね…。」」より
  25. ^ 安全地帯が6年半ぶりニューアルバム&再録音ベストを発表”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2010年5月13日). 2020年5月3日閲覧。
  26. ^ a b 玉置浩二の香港記者会見に驚きの人物が乱入”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2010年5月24日). 2020年5月3日閲覧。
  27. ^ 安全地帯 / 安全地帯11 ★STARTS★「またね…。」 [CD+DVD] [限定]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2020年5月3日閲覧。
  28. ^ 安全地帯、これまでの全オリジナルアルバムを紙ジャケット仕様にして再販決定!”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク (2017年9月15日). 2019年8月12日閲覧。
  29. ^ 安全地帯デビュー35周年、オリジナルアルバム14タイトルを紙ジャケで一挙再発”. Musicman-net. エフ・ビー・コミュニケーションズ (2017年9月15日). 2019年8月12日閲覧。
  30. ^ 安全地帯、1983~2013年発表の14タイトルが紙ジャケで一挙再発”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2017年9月19日). 2019年8月12日閲覧。
  31. ^ 「レコードの日 2022」開催、フジファブリックや広瀬香美など初日発売タイトル一斉発表”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2022年8月18日). 2023年2月25日閲覧。
  32. ^ 安全地帯 -安全地帯 "完全復活"コンサートツアー 2010 ~Starts & Hits ~ 「またね…。」”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2020年5月3日閲覧。
  33. ^ a b 「過労による体調不良」なのか 玉置浩二の奇行、公演中止”. J-CASTニュース. ジェイ・キャスト (2010年9月13日). 2020年5月3日閲覧。
  34. ^ a b 演奏中に玉置浩二がブチギレしてライブが中止になった件”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2010年9月13日). 2020年5月3日閲覧。
  35. ^ a b 安全地帯、18年ぶり武道館で完全燃焼 玉置浩二「感無量」”. オリコンニュース. オリコン (2010年10月5日). 2020年5月6日閲覧。
  36. ^ 安全地帯の“完全復活”武道館コンサートがCD&DVD化”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2010年12月2日). 2020年5月3日閲覧。
  37. ^ a b 安全地帯 / 安全地帯11 ★STARTS★「またね…。」”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2020年5月3日閲覧。
  38. ^ a b 安全地帯 / 安全地帯11 ★STARTS★「またね…。」 [紙ジャケット仕様] [SHM-CD] [限定]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2020年5月3日閲覧。
  39. ^ a b c 安全地帯、『安全地帯XI ★STARTS★「またね…。」』が週間ランキング3位”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2010年6月1日). 2020年5月3日閲覧。
  40. ^ 安全地帯のシングル売上TOP20作品”. オリコンニュース. オリコン. 2023年2月25日閲覧。
  41. ^ 【安全地帯】あなたが好きなアルバムはどれ?【2023年版・人気投票実施中】 (3/6)”. ねとらぼ調査隊. アイティメディア. p. 3 (2022年3月19日). 2023年5月28日閲覧。





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