唐十郎 逸話

唐十郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 02:15 UTC 版)

逸話

  • 21歳で土方巽の門下となるまでは、謹厳な父親の指導で、「朝6時半に起き、夜は7時半に寝る」という真面目一方の人間であった[10]。なお、当時の土方の門下には、石井金八、麿赤児、中嶋夏、李麗仙らがいた[11]
  • 貧乏時代のなごりで、戯曲を書く際は、カレンダー等の裏に横書きで、しかも紙を節約するため非常に細かい字で書く癖がついた。それを、劇団のメンバーが原稿用紙等に清書していた[12]
  • 唐十郎の喧嘩武勇伝については枚挙に暇がない。1969年12月5日、寺山修司は状況劇場のテント興業の初日に祝儀の花輪を「冗談のつもり」で葬式用の花輪にした(これは寺山の天井桟敷の旗揚げ公演の際に中古の花輪を送られた事への意趣返しだった)。一週間後の12月12日、唐は劇団員を引き連れて天井桟敷を襲撃、大立ち回りを演じて、乱闘事件を起こしたかどで唐と寺山を含む双方の劇団員9人が暴力行為の現行犯で逮捕される。寺山曰く「ユーモアのつもりだったが分かってもらえなかった」、唐曰く「ユーモアのつもりなら自分で持って来い、そもそも話を聞こうと思って行っただけ。これは殴り込みではない」[13]。また、野坂昭如とも新宿ゴールデン街の飲み屋で大喧嘩し、包丁をまな板に突き立ててしまったこともある。また、赤塚不二夫の著書によれば、酒場で喧嘩があると聞くと乱入し、大立ち回りをし、見得を切ることもしばしばだったという。
  • 小林薫が状況劇場を退団したいという話を聞いた唐は、小林のことを高く評価していたため、退団を考え直すよう説得しようと包丁持参で小林の住んでいたアパートに向かう。しかし先に小林が逃げ出していたため説得はできず、結局小林の退団をなし崩しに認めてしまったと『唐十郎血風録』にある。

  1. ^ 森秀人『実録・我が草莽伝』(東京白川書院)P.163
  2. ^ 村松友視『夢の始末書』(角川文庫)P.132
  3. ^ Cite web|url= https://movies.yahoo.co.jp/movie/236874/ |title= 犯された白衣|accessdate= 04 June 2020
  4. ^ 寺山・唐ら九人を逮捕 アングラ劇団員が乱闘『朝日新聞』昭和44年(1969年)12月13日夕刊、3版、11面
  5. ^ “唐十郎さん最終講義、アングラで締めた 横浜国大退職へ”. asahi.com (朝日新聞社). (2005年1月29日). http://www.asahi.com/edu/nyushi/TKY200501290338.html 2016年12月30日閲覧。 
  6. ^ 表現はイマジネーションの膨らみから”. クロスオーバー 2008年春 Vol.3. 近畿大学 (2008年). 2016年12月30日閲覧。
  7. ^ “唐十郎が明治大学文学部の客員教授に就任”. シアターガイド (有限会社モーニングデスク). (2012年4月4日). https://web.archive.org/web/20120410061900/http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2012/04/04_04.php 2016年12月30日閲覧。 
  8. ^ “唐十郎がケガのため入院 唐組公演を休演”. シアターガイド (有限会社モーニングデスク). (2012年6月4日). https://web.archive.org/web/20131014175148/http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2012/06/04.php 2016年12月30日閲覧。 
  9. ^ 【第1回】脳挫傷の大ケガ|ダイバダッタ|唐十郎”. cakes(ケイクス). 株式会社ピースオブケイク (2015年4月3日). 2016年12月30日閲覧。
  10. ^ 嵐山光三郎『暴力対談』一季出版
  11. ^ 唐十郎「風に毒舌」毎日新聞社
  12. ^ 村松友視『夢の始末書』(角川文庫)P.135
  13. ^ 1969年12月13日朝日新聞夕刊から、趣旨のみ。なお、唐は自著「風に毒舌」の巻末自作年譜でこの事件を「1969年夏」としているが、勘違いと思われる。
  14. ^ 木村隆『この母ありて』 青蛙房 P.98
  15. ^ 嵐山光三郎『暴力対談』一季出版
  16. ^ 唐十郎、充実の秋 韓国の文学賞受賞・新旧2作を上演中朝日新聞・2010年10月8日)
  17. ^ 朝日賞 2001-2018年度”. 朝日新聞社. 2023年1月4日閲覧。
  18. ^ 長嶋茂雄さんら9人文化勲章 功労者に加山雄三さんら”. 時事ドットコム (2021年10月26日). 2021年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。
  19. ^ 下町万年町物語Bunkamura






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「唐十郎」の関連用語

唐十郎のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



唐十郎のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの唐十郎 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS