品川シーサイドフォレスト
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開発経緯
計画地を含む東品川エリアは、昭和初期に工業用地として埋め立てが行われ、京浜工業地帯の一翼を担ってきた[4]。しかし、昭和50年代には工場から共同住宅や倉庫への土地利用変換が急速に進み、さらに昭和60年代からは、残存していた工場群が新たに業務施設・共同住宅等へ建て替った結果、開発時には共同住宅、業務施設、倉庫、工場が混在する地域となっていた[4]。
日本たばこ産業では当地区にあった工場機能の移転に伴う土地の遊休化を念頭に1991年(平成3年)頃から[4]、将来の土地利用についての検討を開始し、この時期、りんかい線は新木場~東京テレポート間の一期事業に引続き東京テレポート~大崎の二期事業検討がなされており、地区南東の八潮団地(人口約15000人)のアクセス改善のため東品川地区への新駅設置が望まれていた[4]。こうした背景の中で、整備費用の一部負担による新駅設置が合意され、これを前提に工場跡地の再開発が進められることになった[4]。
当初はダイエーも参画してオフィス棟の一部を取得して本社を移転させると共に出店することを計画し、予定地の一角を利用して、1996年(平成8年)11月28日に会員制ディスカウント店「コウズ品川店」を開業した[5]。しかし、1998年(平成10年)8月、ダイエーは業績悪化に伴いオフィスビル取得や商業施設の進出を断念。「コウズ品川店」も同年9月27日に閉店し[2]、当地区の再開発事業から完全に撤退した[1][6]。
ダイエーの経営難で計画頓挫を余儀なくされ、一時は広大な空き地が残った[7]。結局、流通グループのイオンが進出を決めて弾みがつき、大開発が動き出し[7]、再開発は当初、再開発地区計画制度を活用した任意事業として計画していたが、「りんかい線」開業に合わせて交通広場等の都市基盤整備が必要なこと、定住人口増大のためのファミリー向け賃貸住宅整備等の計画的市街地整備が求められること等を踏まえ、公益性の高い事業であることから、権利変換の仕組を活用して隣接地との共同化を誘導することにより事業を推進するため、市街地再開発事業として実施することになった[4]。加えて基盤整備をりんかい線開業に合わせて推進するため、事業スキームの整った街区を先行させて行うことになり[4]、事業は二地区に分けて実施することになった[4]。これに基づき第一地区は地権者の日本たばこ産業及びファミリー向け賃貸住宅の整備を目的に参加した都市基盤整備公団(当時)の2者が個人施行者としてA - 1/B - 1街区及び交通広場・公園の事業を実施、第二地区は事業提案による施行者募集を行い、鹿島建設が施行者に選定され、A - 2/B - 2街区の事業を実施した[4]。
2002年(平成14年)9月30日に第1期が竣工して、同年10月17日にイオン品川シーサイドショッピングセンター[8]、同年12月1日に整備費を一部負担した品川シーサイド駅が開業[3]、次いで2005年(平成17年)8月に第二地区の3棟のビルが竣工を迎え大規模開発は終了した[3]。
歴史
- 1992年(平成4年)9月 - 日本たばこ産業品川工場移転計画による地元での土地利用の研究会が発足。
- 1998年(平成10年)
- 3月 - 都市計画決定が告示される。
- 8月 - ダイエーが再開発事業から撤退。
- 2000年(平成12年)2月 - 工事着工。
- 2002年(平成14年)
- 9月30日 - 第一期が竣工。
- 10月17日 - イオン品川シーサイドショッピングセンターが開業。
- 12月 - 品川シーサイド駅が開業。
- 2005年(平成17年)8月 - 第二地区の施設建築物が竣工して全体が完成。
- 2006年(平成18年)
- 6月 - 京浜運河沿いにハートンホテル東品川竣工。
- 10月 - 京浜運河沿いにBrilliaタワー品川シーサイド竣工(分権マンション)。
- 2009年(平成21年)11月 - 京浜運河沿いに住友不動産品川シーサイドビル竣工。
- 2010年(平成22年)2月 - 京浜運河沿いにグラスキューブ品川(オフィスビル)竣工。
- 2014年 (平成26年) 6月 - 海岸通り沿いにFUT MESSE品川(フットサルコート)が開業。
- 2016年 (平成28年) 5月 - FUT MESSE品川が閉店[9]。
- 2019年 (平成31年) 2月 - FUT MESSE品川跡地にプライムパークス品川シーサイドが竣工。イオン2Fからベストリアンデッキで直結される。
- ^ a b “ダイエー、品川再開発参画を見直し、業務用棟の取得中止”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (1998年8月21日)
- ^ a b “ダイエー「コウズ品川店」閉店、早期再開へ代替店舗探し”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (1998年10月2日)
- ^ a b c d e 「Project Profile 多様な利便性を兼ね備えた大規模街区が完成 品川シーサイドフォレスト」『リアルエステートマネジメントジャーナル』 2005年1月号 p.44 - 47
- ^ a b c d e f g h i j 「事業計画情報 東京都品川区・東品川四丁目第一・第二地区(建物名称:品川シーサイドフォレスト)--第一種市街地再開発事業・個人施行/事業完了」『市街地再開発』2006年4月号 p.16 - 20
- ^ “ダイエー、「コウズ品川店」開店 一般消費者向け利便性高める”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (1996年12月2日)
- ^ “JT品川再開発事業、ジャスコの進出決まる”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (1999年3月19日)
- ^ a b c 「オーバルガーデン 松葉一清のTokyoエッジ」『朝日新聞』東京版 30頁 2003年12月3日
- ^ “イオン、品川に都内4号店開店、深夜12時まで営業”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2002年10月9日)
- ^ FUT MESSE品川
- ^ “【移転】品川シーサイドから松下電器産業が一部転出、移転後にNTTコムウェアが入居”. 日経不動産マーケット情報. (2008年2月15日) 2022年2月17日閲覧。
- ^ 「遊休地売って東京・品川に新築ビル購入 武田薬品」『朝日新聞』13頁 2002年10月4日
- ^ “【売買】武田薬品が品川シーサイドを売却、韓国機関投資家に”. 日経不動産マーケット情報. (2017年5月19日) 2022年2月17日閲覧。
- ^ a b 「日立ソフト本社移転へ 横浜・関内のIT集積地区、空洞化の恐れ」『読売新聞』神奈川版 33頁 2002年9月11日
- ^ “日本の不動産マーケット。最大の課題は「モノ不足」に他ならない。投資適格物件が枯渇する中、海外投資家の投資戦略に大きな変化が見られるようになってきた。キーワードは「3つの多様化」だ。”. JLL. (2018年11月5日) 2022年2月17日閲覧。
- ^ “【テナント】日立ソリューションズが本社オフィスを削減、2800坪超”. 日経不動産マーケット情報. (2020年10月22日) 2022年2月17日閲覧。
- ^ “品川シーサイドビュータワー”. UR都市機構. 2022年2月17日閲覧。
- ^ “【売買】品川シーサイドイーストなど5物件、インベスコ・オフィスが500億円弱で”. 日経不動産マーケット情報. (2016年5月17日) 2022年2月17日閲覧。
- ^ “品川シーサイドに「ロワジールホテル」 全室高層階、港湾エリア眺望”. 品川経済新聞. (2022年1月11日) 2022年2月17日閲覧。
- ^ “【売買】グローバル・ワンと明治安田生命、品川シーサイドウエストをGICから”. 日経不動産マーケット情報. (2017年3月23日) 2022年2月17日閲覧。
- 1 品川シーサイドフォレストとは
- 2 品川シーサイドフォレストの概要
- 3 第一期で竣工した施設
- 4 第二期で竣工した施設
- 5 広場空間
- 6 参考文献
固有名詞の分類
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