十島村
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 03:40 UTC 版)
地理
十島村は最北の口之島から最南の横当島までの距離は直線で約160kmで、「日本一長い村」とされる[4]。各島には平家の落人伝説が語り継がれている。豊かな自然と独自の文化、天然の温泉などがあり、年間を通してダイバーや釣り人、観光客が絶えない。
島嶼
下記の表は十島村に属する島嶼の一覧である。人口は2018年3月31日現在である[5]。また行政区画である大字は、7つの有人島はそれぞれ島の区域に設置されており、1970年まで有人であり、現在は無人島である臥蛇島は臥蛇島と小臥蛇島をもって大字臥蛇島が設置されている。
島 | 面積(km2) | 人口(人) | 概要 |
---|---|---|---|
口之島 | 13.3 | 129 | 十島村で最も北に位置し、十島村の玄関口である。人口は中之島に次いで多い。日本最古の野生化牛(純血種・口之島牛)が野山に群れをなしており、島民と共存している。なお純血種は口之島を含めて全国で2箇所しか生息しておらず、かつ野生は口之島のみである。島民にとって牛は友であり、かけがえのない財産であると言われている。 周囲20km、燃岳(もえだけ)を中心とした火山島であり、最高点は前岳の628m。島の北部を日本国内の陸地では唯一北緯30度線が通過しており、それを示すモニュメントもある。 |
中之島 | 34.5 | 159 | 十島村で最も人口が多く、かつては村役場が所在していた。駐在所、民俗資料館や天文台が置かれ実質村の中心地である。周囲32km、最高点は御岳(トカラ富士)の979m。 |
諏訪之瀬島 | 27.8 | 79 | 日本でも指折りの活火山を有する火山島である。現在も活動中で、最高峰の御岳山頂付近では噴煙が見られる事がある。周囲27km、最高点は御岳の799m。 |
悪石島 | 7.5 | 73 | 学童疎開船「対馬丸」の沈没地点に最も近い島である。島内には慰霊碑が設けられている。周囲13km、最高点は御岳の584m。 |
平島 | 2.1 | 64 | 平家落人伝説が伝えられており、島名の由来にもなっている。周囲7km、最高点は御岳の243m。 |
小宝島 | 1 | 53 | 周囲5km、最高点は竹の山の103m。 |
宝島 | 7.1 | 131 | 十島村で最も南に位置する有人島。イギリスの海賊キャプテン・キッドが財宝を隠したという伝説が伝えられており、島名の由来との説もある。他にも、トカラが訛った、平家が金・銀・銅を求めてやってきた、など種々の説がある。実際に銅山があった。このため、幕末期から明治にかけて欧米のトレジャーハンターによる略奪が頻繁に起こったほどである。周囲14km、最高点はイマキラ岳の292m。 |
臥蛇島 | 4.1 | 無人島 | かつては有人島で、1970年7月28日に最後の4世帯15人が島外へ移住したことで無人島となった。島の周囲が好漁場であること、またダイビングスポットになっていること等から、島の周囲に寄りつく船は多いが、船着き場から集落跡までの経路が相当危険な状態にまで荒廃しているため、島への上陸は公には認められていない。周囲9km、最高点は御岳の497m。 |
小臥蛇島 | 0.5 | 無人島 | |
小島 | 0.36 | 無人島 | |
上之根島 | 0.54 | 無人島 | |
横当島 | 2.76 | 無人島 | 十島村で最も南に位置する。2つの火山島が狭い洲で接続して、1つの島になっている。島の周囲が好漁場であるため、島の周囲に寄りつく船は多い。島への上陸は可能だが港や船着き場が無いため、艀やボートで上陸する事になる。周囲10km、最高点は東峰の495m。 |
隣接する自治体
- ^ 羽原清雅「トカラ・十島村の「格差」と地域の政治 - どうなる 七つに分散する離島村の闘い (PDF) 」 帝京社会学第21 号(2008年3月)、p.32
- ^ “News Letter 2017年夏号”. 公益財団法人国土地理協会. 2021年11月5日閲覧。
- ^ 「鹿児島県大島郡十島村に関する地方自治法の適用及びこれに伴う経過措置に関する政令」(1952年(昭和27年)2月4日政令第13号)、1952年(昭和27年)5月14日総理府告示第132号
- ^ かごしまの日本一 - 鹿児島県、2015年4月27日閲覧。
- ^ “十島村の概要 > 人口および世帯数(2018年3月31日 現在)”. 十島村. 2019年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月12日閲覧。
- ^ a b なおこの定義によればトカラ平瀬[1](北緯30度2分32.26秒 東経130度3分0.29秒 / 北緯30.0422944度 東経130.0500806度(灯台瀬))は対象外となるが、委細経緯は不詳である。灯台瀬には灯台が設置されている。
- ^ “中之島 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年4月16日閲覧。
- ^ この定義によると横当島(北緯28度49分56秒 東経129度0分03秒 / 北緯28.83222度 東経129.00083度)、上ノ根島(北緯28度47分57秒 東経128度59分20秒 / 北緯28.79917度 東経128.98889度)は対象外となるが、委細不詳。なお2島とも有史以来定住者の無い無人島である。
- ^ a b 鹿児島県 1967, p. 110.
- ^ 十島村略年表 - 十島村、2014年6月10日閲覧。
- ^ a b 十島村誌編集委員会 1995, p. 1129.
- ^ 鹿児島県 1967, p. 112.
- ^ 十島村誌編集委員会 1995, p. 767.
- ^ 十島村誌編集委員会 1995, p. 1123.
- ^ a b 法令普及会 1952, p. 12.
- ^ 『若干の外かく地域を政治上行政上日本から分離することに関する覚書 (SCAPIN677/1)』連合国最高司令官総司令部、1951年12月5日。ウィキソースより閲覧。
- ^ “吐噶喇列島の日本復帰”. 鹿児島県. 2022年6月19日閲覧。
- ^ 十島村誌編集委員会 1995, p. 774.
- ^ “十島村略年表”. 十島村. 2022年6月19日閲覧。
- ^ 三島村誌編纂委員会 1990, p. 328.
- ^ 十島村誌編集委員会 1995, p. 1124.
- ^ 『村の境界変更』総理府、1952年5月14日。ウィキソースより閲覧。
- ^ 郡の区域変更(昭和47年自治省告示第298号、昭和47年11月29日付官報第13780号所収)
- ^ 日航機SOS傍受 諏訪之瀬島 山津波で死傷多数『朝日新聞』1976年(昭和51年)9月13日朝刊、13版、23面
- ^ a b 十島村誌追録版編集委員会 2019, p. 242.
- ^ 十島村誌編集委員会 1995, p. 1145.
- ^ 十島村誌編集委員会 1995, p. 770.
- ^ “観光・定住希望の方へ|十島村観光案内”. www.tokara.jp. 2019年1月19日閲覧。
- ^ “最新の全国的な人口動態と田園回帰の可能性”. 一般社団法人 持続可能な地域社会総合研究所. 2019年1月19日閲覧。
- ^ “【ランキング】人口増加率TOP20・平成27年国勢調査確定値【市区町村】”. 2019年1月19日閲覧。
- ^ “なぜ、東京から20時間の「絶海の孤島」に移住者が殺到するのか?|人口増加率は全国2位!”. 2019年1月19日閲覧。
- ^ レンタサイクル【セルフ式】の利用鹿児島県十島村
- ^ 令和5年度 離島への石油製品の安定・効率的な供給体制の構築支援事業」に係る補助事業者を公募します。日本能率協会総合研究所
- ^ 南西諸島地域離島振興計画鹿児島県
- ^ トカラ皆既日食情報[リンク切れ]
- ^ ツアー外、こっそり入島者 日食の十島村「出て行って」 - asahi.com(朝日新聞社)[リンク切れ]
- ^ 日食見上げる人また人、天体の神秘に各地で歓声 : 皆既日食2009(自然・環境 : 九州発) - YOMIURI ONLINE(読売新聞)[リンク切れ]
固有名詞の分類
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