力のモーメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 09:32 UTC 版)
定義
点 P のまわりの力のモーメント N [注 2]は以下のように定義される[1][2]。
ここで F は力、r は点 P と力の及ぼされる点(作用点[3])を結ぶ位置ベクトルである。記号 × はベクトル積を表す[注 3]。
作用点を通り力 F と平行な直線を作用線(さようせん、英: line of action)と呼ぶ[3]。一般に力のモーメントは基準点 P の取り方に依存する[1]が、作用点および作用線は点 P とは独立に定義され、従って力のモーメントとは独立に定義される。
幾何学的に力のモーメントは、作用線と基準点 P の距離 d[注 4] と力の大きさ の積に大きさが等しく(|N| ≔ N = dF)、作用線と点 P を含む平面に対して垂直なベクトルと見なせる[注 5]。
- ^ この語は例えば江沢 2005, p. 380で使用されている。
- ^ 太字で表される変数はベクトルを表す。同様に太字の関数はその関数の値がベクトルであることを表す。
- ^ ランダウ & リフシッツ 1974 など、文献によってはベクトル積を角括弧を使って [xy] などと表すことがある。その場合、力のモーメントの定義は と表される。
- ^ ここで点と直線の距離とは、点と直線を結ぶ、直線に垂直な線分の長さであるとする。
- ^ 力のモーメントの具体的な向きは、作用線を含む平面を上から見た場合に、力の向きが点 P に対して反時計回りの方向を指すなら上向き、時計回りなら下向きになるように定める(右手の法則)。
- ^ a b ランダウ & リフシッツ 1974, p. 136.
- ^ 江沢 2005, p. 373.
- ^ a b 江沢 2005, p. 2.
- ^ ランダウ & リフシッツ 1974, pp. 136–137.
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