ロードクロサイト (競走馬)とは? わかりやすく解説

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ロードクロサイト (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/15 16:29 UTC 版)

ロードクロサイト[1]
欧字表記 Rhodochrosite[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 芦毛[1]
生誕 2010年4月17日(15歳)[1]
Unbridled's Song[1]
Folklore[1]
母の父 Tiznow[1]
生国 アメリカ合衆国[1]
生産者 The Robert & Beverly Lewis Trust[1]
馬主 前田幸治[1]
調教師 矢作芳人栗東[1]
競走成績
生涯成績 7戦0勝[1]
獲得賞金 710万円[1]
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ロードクロサイト: Rhodochrosite[1])は、アメリカ合衆国生産、日本調教の競走馬繁殖牝馬。競走馬としては未勝利に終わったが、繁殖牝馬としては2020年に父・ディープインパクトと父仔での無敗のクラシック三冠馬となったコントレイルを出産した[2]

競走馬時代

  • 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[3]

2010年4月17日にアメリカ合衆国で誕生。2011年9月のキーンランド1歳馬セールに上場され、母フォークロアブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ勝ち馬という血統の良さを見込まれ、日本ノースヒルズ代表・前田幸治の代理として参加していた調教師矢作芳人とノースヒルズゼネラルマネージャーの福田洋志によって38万5000ドル(当時のレートで約3000万円)で落札された[注 1][5]。矢作と福田が本馬を落札した理由としては、将来的な繁殖生活を見据えてそれぞれが候補馬をリストアップし、最終的に互いが「最も欲しい馬」と一致したのが本馬だったためである[6]。同年12月に日本に輸入され、鳥取県大山ヒルズで調教を積んだ[7]。同場マネージャーの斎藤慎からは「腕が長く、菅骨が短いという走る馬のような馬体をしていて、軽い走りをする」と評価され、同期馬にはキズナアウォーディーがいた[8]

栗東・矢作芳人厩舎に入厩。デビュー前には2週連続で坂路4ハロン51秒台を計測[9]2012年9月22日の阪神競馬場での新馬戦武豊を背にデビューして単勝1.6倍の支持を集めたが、3着に終わる。2戦目からはダート戦を使われたが勝てず、2歳シーズンは4戦して2着2回、3着2回の成績で終えた。3歳時は3戦して全て二桁着順に終わり、7戦未勝利のまま競走生活を終えた。管理した矢作芳人調教師は競走馬として活躍できなかった理由として気性の悪さを挙げている[10]

競走成績

以下の内容は、JBISサーチ[3]およびnetkeiba.com[11]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2012.09.22 阪神 2歳新馬 芝1200m(良) 12 6 7 001.60(1人) 03着 R1:10.3(34.7) -0.2 0武豊 54 エイユーモモチャン 482
0000.10.07 京都 2歳未勝利 ダ1200m(良) 15 5 9 001.60(1人) 02着 R1:13.9(37.2) -0.1 0川田将雅 54 エクセレンフレール 474
0000.11.18 京都 2歳未勝利 ダ1400m(不) 14 1 1 004.80(2人) 02着 R1:25.0(37.3) -0.1 0武豊 54 ティズトレメンダス 478
0000.12.01 阪神 2歳未勝利 ダ1200m(良) 15 4 6 001.50(1人) 03着 R1.13.7(38.3) -0.6 0川田将雅 54 レゼトワール 478
2013.01.06 京都 3歳未勝利 ダ1400m(良) 15 2 3 003.30(1人) 13着 R1:28.5(40.3) -2.4 0武豊 54 ウイングリート 470
0000.04.13 阪神 3歳未勝利 ダ1200m(良) 16 7 13 006.90(3人) 13着 R1:16.2(39.2) -3.5 0川田将雅 54 ミリアグラシア 464
0000.07.07 中京 3歳未勝利 ダ1200m(良) 16 6 12 025.80(7人) 12着 R1:14.0(38.1) -1.7 0松山弘平 54 ゴッドドリーム 466

繁殖牝馬時代

引退後は北海道新冠町ノースヒルズで繁殖入りし、産駒は全てノースヒルズやその関係者の所有・矢作厩舎所属と、本馬と同じ馬主・調教師の組み合わせで競走馬としてデビューしている。

所有初年度はゴールドアリュール産駒のバーンフライ、2年目はダイワメジャー産駒のアナスタシオを出産し、この2頭はいずれもダート戦で勝利を挙げた[5]。ゴールドアリュールとダイワメジャーが交配されたのは将来的にディープインパクトと交配させることを前提として行われたものであり、福田によれば「最初に馬格の良いゴールドアリュールをつけて、次はスピードを加えようとダイワメジャーを配合しました」という意図があったといい、またディープインパクトの産駒は小柄に出る傾向があったため、まずは最初の二頭で馬格がしっかりした仔を出すか確認したうえで、ディープインパクトと交配させることを決めたという[5]

アナスタシオを出産した2016年の繁殖シーズンにロードクロサイトはディープインパクトと交配され、翌2017年4月1日に3番仔となった後のコントレイルを出産した[5]。コントレイルは2019年東京スポーツ杯2歳ステークスホープフルステークスを制して同年のJRA賞最優秀2歳牡馬に選出された[12]。翌2020年には父のディープインパクト以来となる無敗での牡馬クラシック三冠を達成している[13][注 2]

繁殖成績

  • 現役馬の成績は2025年4月13日現在。
馬名 生年 毛色 厩舎 馬主 戦績 備考 出典
1 バーンフライ 2015 黒鹿毛 ゴールドアリュール 栗東矢作芳人
小林坂井英光
前田幸治 50戦4勝

(中央)31戦3勝(地方)19戦1勝

(引退) [15]
2 アナスタシオ 2016 青鹿毛 ダイワメジャー 栗東・矢作芳人
川崎河津裕昭
22戦4勝
(中央)13戦1勝 (地方)9戦3勝
(引退・繁殖入り) [16]
3 コントレイル 2017 青鹿毛 ディープインパクト 栗東・矢作芳人 前田晋二 11戦8勝
GIホープフルステークス皐月賞東京優駿菊花賞ジャパンカップ
GII神戸新聞杯
GIII東京スポーツ杯2歳ステークス
(引退・種牡馬) [17]
4 サンセットクラウド 2019 芦毛 27戦3勝
→(2勝クラス)白川特別
(引退) [18]
5 インタクト 2020 黒鹿毛 ハーツクライ 栗東・矢作芳人
西脇松浦聡志
前田幸大 16戦1勝 (現役) [19]
6 ロージースカイ 2022 芦毛 キズナ 栗東・矢作芳人
→小林・坂井英光
前田幸治 (デビュー前) [20]
7 ロードクロサイトの2024 2024 芦毛 キズナ [21]

血統表

ロードクロサイト血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

Unbridled's Song
1993 芦毛
父の父
Unbridled
1987 鹿毛
Fappiano Mr. Prospector
Killaloe
Gana Facil Le Fabuleux
Charedi
父の母
Trolley Song
1983 芦毛
Caro *フォルティノ
Chambord
Lucky Spell Lucky Mel
Incantation

Folklore
2003 鹿毛
Tiznow
1997 鹿毛
Cee's Tizzy Relaunch
*テイズリー
Cee's Song Seattle Song
Lonely Dancer
母の母
Contrive
1998 黒鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Jeano Fappiano
*バジー
母系(F-No.) バジー(USA)系(FN:1-s) [§ 3]
5代内の近親交配 Fappiano 3×4、In Reality 5×5・5、Incantation 4×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [22]
  2. ^ [23]
  3. ^ [22][23]
  4. ^ [22][23]

脚注

注釈

  1. ^ ただし、セールの公式記録では前田幸治名義での落札とされている[4]
  2. ^ 父子での無敗の三冠はディープインパクト・コントレイルのみ。菊花賞を除く二冠での達成はシンボリルドルフトウカイテイオー以来史上2組目の記録[14]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p ロードクロサイト(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月29日閲覧。
  2. ^ ロードクロサイトの血統表”. netkeiba.com. 2020年5月29日閲覧。
  3. ^ a b ロードクロサイト 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月31日閲覧。
  4. ^ Keeneland 2011 September Yearling Sale”. Bloodhorse. 2020年5月29日閲覧。
  5. ^ a b c d 島田明宏「[無敗二冠へ]コントレイル「最強の源流を訪ねて」」『Sports Graphic Number』 1003巻、文藝春秋、2020年、17-18頁。 
  6. ^ 石田敏徳「[レースレビュー]蹄音が伝える感謝」『優駿』 2020年7月号、中央競馬ピーアール・センター、2020年、16-21頁。 
  7. ^ 注目の新馬【4回阪神】ロードクロサイト”. 競馬ラボ (2012年9月19日). 2020年5月29日閲覧。
  8. ^ 『優駿』2012年6月号、p.36
  9. ^ 【阪神新馬戦】ロードクロサイト 鞍上武豊で22日デビュー”. スポーツニッポン (2012年9月15日). 2020年5月29日閲覧。
  10. ^ 【矢作芳人調教師 信は力なり】日本牝馬も欧米のような高評価を”. サンケイスポーツ (2019年9月18日). 2020年5月29日閲覧。
  11. ^ ロードクロサイトの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年5月29日閲覧。
  12. ^ 【2019年度JRA賞】コントレイルが最優秀2歳牡馬 矢作師「通過点」”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2020年1月8日). 2020年8月24日閲覧。
  13. ^ コントレイル”. netkeiba.com. 2020年5月30日閲覧。
  14. ^ 父ディープ輝かせる強さ コントレイル、完勝で2冠―競馬日本ダービー”. jiji.com. 時事ドットコム. 2020年8月24日閲覧。
  15. ^ バーンフライ”. JBISサーチ. 2021-2-9]閲覧。 エラー: 閲覧日が正しく記入されていません。
  16. ^ アナスタシオ”. JBISサーチ. 2021年2月9日閲覧。
  17. ^ コントレイル”. netkeiba.com. 2021年2月9日閲覧。
  18. ^ サンセットクラウド”. netkeiba.com. 2022年10月16日閲覧。
  19. ^ インタクト | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年9月20日閲覧。
  20. ^ ロージースカイ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年2月20日閲覧。
  21. ^ __________________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年10月1日閲覧。
  22. ^ a b c ロードクロサイト 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月31日閲覧。
  23. ^ a b c ロードクロサイトの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年5月31日閲覧。
  24. ^ Folklore (KY)”. EQUIBASE Horse Profile. Equibase Company LLC.. 2020年5月31日閲覧。

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