ロッテルダム港
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/27 19:44 UTC 版)
港内地区
ロッテルダム港内の各地区を上流から下流(東から西)に向かって挙げる。
ハリングハーフェン(Haringhaven)
ロッテ川とニューウェ・マース川の旧合流点付近に位置する。ハリングとはオランダ語でニシンを意味する。埠頭番号は右岸が100番台、左岸が1000番台である。初期に建設された右岸の埠頭は小規模で、現在は使われていない埠頭も多い。港内の遊覧船はここに発着している。1960年にロッテルダムで行われた第1回フロリアード(園芸見本市)にあわせて作られた高さ185メートルの展望台、ユーロマストもここにあり、港内が一望できる。左岸にはライン埠頭(Rijnhaven)やマース埠頭(Maashaven)などがあり、家畜飼料を製造するプロビミや海運会社カルマーのターミナルなどがある。
ウァールハーフェン(Waalhaven)
埠頭番号は右岸が200番台、左岸が2000番台で、ユニポートと呼ばれるコンテナターミナルがある。
エームハーフェン(Eemhaven)
ウァールハーフェン左岸下流側にあり、埠頭番号は同じく2000番台。ヨーロッパ・コンテナ・ターミナルズ(ECT)のコンテナターミナルがある。
メールウェハーフェン(Merwehaven)
ニューウェ・マース川とニューウェ・ウァーターウェーフの分岐点上流側にあり、埠頭番号は3000番台。上流から第二石油埠頭(2e Petroleumhaven)、第一石油埠頭(1e Petroleumhaven)がある。エクソンモービル、シェル石油、ネレフコなどの石油化学工業コンビナートがある。エーンハーフェンとメールウェハーフェンをあわせてペルニス (Pernis) とも呼ばれる。
ボトレック(Botlek)
ニューウェ・マース川とニューウェ・ウァーターウェーフの分岐点下流側にあり、埠頭番号は4000番台。上流から第三石油埠頭(3e Petroleumhaven)、化学埠頭(Chemiehaven)、聖ローレン埠頭(Sint-Laurenshaven)がある。いずれも石油化学工業関連の埠頭で、世界最大のポリ塩化ビニル(PVC)製造会社である信越化学や、エッソ、ヴォパックと言ったメーカが所在する。
ウーロポールト/ユーロポート(Europoort)
ニューウェ・ウァーターウェーフのすぐ南側にあるカラント運河(Calandkananl)とハルテル運河(Hartelkanaal)にはさまれたローゼンブルフ島に位置する。埠頭番号はカラント運河側が5000番台で、上流からセーヌ埠頭(Seinehaven)、ブリテン埠頭(Britaniehaven)、第七石油埠頭(7e Petroleumhaven)、第五石油埠頭(5e Petroleumhaven)、第四石油埠頭(4e Petroleumhaven)、ベネルクス埠頭(Beneluxhaven)が設けられている。ハルテル運河側の埠頭番号は6000番台で、上流からディンテル埠頭(Dintelhaven)、第六石油埠頭(6e Petroleumhaven)がある。第六石油埠頭にあるネレフコの製油所はヨーロッパ最大であり、このほかシェル石油・クウェート石油会社、ライオンデル・バセル、ヴォパック、ハンツマン・コーポレーションと言った著名な石油化学工業メーカが軒を連ねる。ルール地方への鉄鉱石運送を行うErtsoverslagbedrijf Europoort(EECV)や石炭、鉄鉱石やボーキサイトなどを扱う運送会社コーベルフレットのターミナルもここにある。
また、イギリスのP&Oフェリーズによって、ユーロポートからキングストン・アポン・ハルまで夜行フェリーが運航されており、プライド・オブ・ロッテルダム(MS Pride of Rotterdam)とプライド・オブ・ハル(MS Pride of Hull)の2隻が就航している[2]。
マースフラクテ(Maasvlakte)
ベール運河(Beerkanaal)を挟んでユーロポートの西側にある、北海に突き出した人工の半島に位置している。埠頭番号は8000番台で、北側から第五石油埠頭(5e Petroleumhaven)、揚子江埠頭(Yangtzehaven)、ヨーロッパ埠頭(Europahaven)、アマゾン埠頭(Amazonehaven)、ミシシッピ埠頭(Mississippihaven)、ハルテル埠頭(Hartelhaven)がある。世界最大のコンテナ貨物運送会社であるA.P. モラー・マースクやヨーロッパ・コンテナ・ターミナルズのコンテナターミナル、バイエル、ライオンデル・バセルの工場などがある。
マースフラクテのさらに西側を埋め立て、コンテナターミナルを中心とするマースフラクテ2を建設することが決定しており、2012年から2014年ころまでの完成を予定している。
- ^ “China’s megaports strengthen grip on box trade”. Lloyd's Loading List. 2021年2月23日閲覧。
- ^ P&O Ferries公式サイト(英語)
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