ルビー 産出地

ルビー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 00:30 UTC 版)

産出地

ミャンマースリランカタイ王国ベトナムカンボジアタンザニアマダガスカルモザンビークなどが原産地である。

中でもミャンマーでは「ピジョン・ブラッド」(ハトの血)と呼ばれる最高級のルビーが得られるが、政情不安もあり産出量は少なく貴重である。主にタイ産の、透明度が低く鉄分を含んで黒ずんでいるものは「ビーフ・ブラッド」(ウシの血)と呼ばれ、価格はミャンマー産の半分ほどであり、発色を良くするために加熱などの人工処理がされることも多い。また、スリランカやベトナムなどで産出される、ピンクに近い赤のものを「チェリーピンク」と呼ぶが、宝石としての価値は低く「ピンクサファイア」と混同されることもある。

他にも、成分中にルチルの針状結晶が混ざることにより、反射光が星状に見えるものは「スタールビー」と呼ばれ珍重されている。これを「スター効果」と呼び、スターサファイアもある。色彩的には赤から外れるが、インド産の透明感のない小豆色のサファイアにスター効果が現れるものがあり「インドスタールビー」と呼ばれる。

ほとんどのルビーは玄武岩変成岩大理石などの岩石中に存在する。長い年月の間にルビーを含んだ岩石が崩れ、川に流されたものが砂利と一緒に堆積していることが多い。

日本と海外の鑑別書におけるピジョンブラッドカラー記載の扱い

現在、日本の鑑別書ではミャンマー産と確定した上で、一定の色やフラッグな不純物の観られない 最高品質のルビーではないと「ピジョンブラッド」と記載できない[3]。もともと「ピジョンブラッド」自体が、イギリスの王室がミャンマー産ルビーに与えた色名であるため、日本の鑑別業界はそれを守っている。

しかし海外での鑑別書では産地を不問とされ、一定以上の濃い赤であれば「ピジョンブラッド」と記載されるため、海外の鑑別書で「ピジョンブラッド」と記載されている場合でも、産地はミャンマー以外のルビーであることが多々あるので、必ず鑑別書に書かれている産地を確認することが必要である。


  1. ^ ルビーに込められた意味とは”. 京セラ オードリー odolly. 2023年10月4日閲覧。
  2. ^ 大石修治, 手嶋勝弥, 宮本亮, 宮坂晃, 鈴木孝臣「ルビー結晶の酸化モリブデン系フラックス成長」『化学と教育』第54巻第6号、日本化学会、2006年、356-358頁、doi:10.20665/kakyoshi.54.6_356ISSN 0386-2151NAID 110008906857 
  3. ^ ピジョンブラッドとは?”. morisruby.com. 2023年10月4日閲覧。
  4. ^ Red Ruby - Causes of Color


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