リーヒ級ミサイル巡洋艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/16 06:06 UTC 版)
装備
C4ISR
3次元レーダーはAN/SPS-39、対空捜索レーダーはAN/SPS-37ないしAN/SPS-43、対水上捜索用レーダーとしてはAN/SPS-10と、ファラガット級の構成がおおむね踏襲されたが、一部の艦では3次元レーダーはAN/SPS-52に更新された。またソナーも、機種は同じAN/SQS-23だが、上記の通り、本級よりバウ・ドームに収容して搭載する形態とされた[5]。
その後、次世代防空システムとして開発されていたタイフォンの開発頓挫を受けて、1966年度より、本級を含む既存の防空艦の能力を向上させるAAW改修が発動されることになった[5]。本級の改修は1967年から72年にかけて行われ、戦闘指揮所(CIC)には海軍戦術情報システム(NTDS)が導入されて自動化が図られたほか、3次元レーダーもAN/SPS-48に更新された[1]。また1980年代末には、更にNTU改修が行われ、NTDSの戦術情報処理装置は更新強化が図られたほか、AN/SPS-48はAN/SPS-48Eに、また対空捜索レーダーもAN/SPS-49に更新され、AN/SYS-2追尾処理装置との連接が図られた[7][9]。
武器システム
1956年10月に発出された幕僚要求では、本級は高速機動部隊の直衛艦として、対空・対水上・対潜の任務を遂行することを求められた[7]。この要求にもかかわらず、本級は、アメリカ海軍のフリゲート(DL)としては唯一、対水上打撃戦任務の艦砲をもたない艦級であり、対艦兵器としては、核弾頭装備のテリアミサイルおよびアスロックを用いることが想定されていた[5]。
対空兵器としては、テリア・システムを装備している。その発射機であるMk.10 GMLSは艦の前後に2基が配置されているが、このようなダブル・エンダーの武装配置は、本級で初めて採用されたものであった。発射機の背後には、それぞれ主甲板下に4層分の高さを確保して、3シリンダー(各20発)式の発射システムが設けられた。4層のうち、最上層が組立・装填区画、下3層が弾庫とされており、弾庫から上層に輸送されたミサイルは組立・装填区画でフィンの装着など最終組立措置を受けたうえで、ミサイル発射機のレールに向けて送り出される[10]。またここで用いられる艦対空ミサイルとしては、当初はテリアが用いられていたが、AAW改修によりSM-1ER、またNTU改修によりSM-2ERの運用に対応した[9][11]
また、対潜兵器としては324mm3連装魚雷発射管に加えてアスロック対潜ミサイルが搭載され、これらを指揮するため低周波・大出力のAN/SQS-23ソナーとMk.111水中攻撃指揮装置(UBFCS)が搭載された[5]。
1967年から1972年にかけて全艦が海軍戦術情報システム(NTDS)を搭載したが、当時のコンピュータはかなり大型であり、艦の主要部がこれらの電子機器によって占拠されることになってしまった[10]。
兵装・電装要目
竣工時 | 改修後 | |
---|---|---|
兵装 | 50口径76mm連装速射砲×2基 | Mk.15 20mmCIWS×2基 |
Mk.10 連装ミサイル発射機×2基 (テリア→スタンダードER SAM) | ||
- | ハープーンSSM 4連装発射筒×2基 | |
アスロックSUM 8連装発射機×1基 | ||
324mm3連装魚雷発射管×2基 | ||
FCS | Mk.63 (砲用) | - |
Mk.76×4基 (SAM用) | ||
Mk.111 (水中用) | Mk.114 (水中用) | |
C4I | - | NTDS戦術情報処理装置 |
WDS Mk.7 | WDS Mk.14 | |
レーダー | AN/SPS-39 3次元式 | AN/SPS-48 3次元式 |
AN/SPS-37/43 対空捜索用 | AN/SPS-49 対空捜索用 | |
AN/SPS-10 対水上捜索用 | AN/SPS-67 対水上捜索用 | |
ソナー | AN/SQS-23 船首装備式 | |
電子戦・ 対抗手段 |
AN/WLR-1 電波探知装置 | AN/SLQ-32(V)3電波探知妨害装置 |
AN/ULQ-6 電波妨害装置 ※後日装備 | ||
- | Mk.137 6連装デコイ発射機×4基 | |
AN/SLQ-25 対魚雷デコイ装置 |
- ^ a b Moore 1975, p. 427
- ^ a b c Prezelin 1990, pp. 791–792
- ^ Polmar 2005
- ^ a b Friedman 2004, pp. 235–253
- ^ a b c d e f g h i Friedman 2004, pp. 294–325
- ^ 大塚 2012
- ^ a b c globalsecurity.org
- ^ 阿部 1995
- ^ a b Moore 1991
- ^ a b 堤 2009
- ^ Gardiner 1996
固有名詞の分類
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