ラム (子羊)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/21 09:18 UTC 版)
概要
一歳未満の羊をラムとする解説もあるが、羊の飼育は放牧によっておこなわれるため正確な年齢の把握が不可能である。そのため、羊肉産業の盛んなオーストラリア、ニュージーランドでは門歯の数を基準として品質管理を行っている[2]。
日本における羊肉はほとんどが輸入に頼っており、その大半がオーストラリアとニュージーランドである。オーストラリア産のラムは6–10か月まで成長させたものが多いため一頭あたり20–24 kgと身が大きく、一方でニュージーランド産のラムは生後4–8か月で出荷されるため15–16 kgと小ぶりと評される[3]。
急激な経済成長を見せた中国でもラム肉の需要が増えており、日本国内でのラム肉の価格高騰につながっている。
なお、日本国内の畜産羊の飼育頭数は1万4184頭で、そのうち北海道がジンギスカン向けなどで6割を占める(2010年現在)[4]。石川県の白山山麓などでは産地化を進めるプロジェクトが実施されている[4]。
評価
日本ではラム肉の匂いなどが敬遠されているが、フランスでは最高級の食材のひとつである。羊肉の独特の匂いに大きな役割を果たしているのは4-メチルオクタン酸、4-メチルノナン酸、4-エチルオクタン酸の3種の分岐鎖脂肪酸である[5]。
主な部位と特徴
- ラムショルダー
- 赤身の部分と外脂部分が混じっておりコクがある。薄切りにして店頭に並ぶことが多く、主にジンギスカン、しゃぶしゃぶに使われる。
- ラムかたロース
- サシと呼ばれる筋肉の中の脂肪(霜降り)が細やかに入っている。薄切りにしてジンギスカン、厚切りにしてステーキ、ブロックのままローストに使われる。
- ラムフレンチラック
- ロースに複数の肋骨を残したもの。ラム肉の食べ方としては最も高級で美味しいと言われる。肉塊のままローストにされることが多い。
- ラムチョップ
- ラムフレンチラックを肋骨ごとにカットしたもの。ステーキ、ジンギスカンなどに使われる。
- ラムロール
- ラムショルダー、または枝肉を骨抜きし、円柱状に丸め冷凍したもの。また、それをスライスしたもの。主にジンギスカン、しゃぶしゃぶに使われる。
- ^ http://ndb.nal.usda.gov/
- ^ 豪州食肉家畜生産者事業団 オーストラリア産食肉ハンドブック- 第7版: 羊肉の分類と定義
- ^ MLA オージー・ラムの概要
- ^ a b “「石川ラム肉」出荷へ始動 県立大、白山麓で羊放牧”. 北国新聞. (2014年7月22日) 2014年7月22日閲覧。
- ^ Watkins, P.J.; Kearney, G.; Rose, G.; Allen, D.; Ball, A.J.; Pethick, D.W.; Warner, R.D. (2014). “Effect of branched-chain fatty acids, 3-methylindole and 4-methylphenol on consumer sensory scores of grilled lamb meat”. Meat Sci. 96 (2): 1088–1094. doi:10.1016/j.meatsci.2012.08.011.
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