ミキシング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/06 23:52 UTC 版)
調整する主な要素
- 音量
- 各トラックの音量バランスや音楽的ダイナミクスなどをフェーダーなどで調整する。
- 音色
- 周波数特性をEQ、HPF、LPFなどで調整する。
- ダイナミクス
- リミッター、コンプレッサーなどのダイナミックレンジを操作するエフェクター類で音源のピーク操作や平均レベルなどを調整する。
- エフェクト
- リバーブレーター、コーラス、ディレイ、フランジャーなどの空間系エフェクターを用いて音像と空間を調整する。
- 定位
- ステレオの場合にはL/R、サラウンドの場合にはL/C/R/Ls/Rs/Lfeなどへの配分とバランスを調整し、空間のどこに音を位置させるか決める。
リミックス
リミックスとは、一度ミキシングした音楽を再度バージョン違いへのミキシングや、質感・楽器バランスの調整の為にもう一度この作業をやり直す作業の事。各音声トラックのミキシング作業自体はリミックスも通常のミキシングも全く同じであるが、新たな素材を付け加えたり元の素材と入れ替えたりするなど、楽曲のサイズや進行なども変えるケースがあり、リミックスの定義は多種多様となる。
ミキシング後に行われる音声調整としてのマスタリング作業を再度行うリマスタリング工程よりも、ミキシングそのものをやり直す為に音質の変化やバランスへ細かく再調整が行えるため、ミキシングのオリジナル・バージョンとの差を劇的に変える事も可能になる。
元々は同じ楽曲、アルバムが複数の国で発売される際にその国からのオーダーに合わせたバランス(モノラルからステレオなど)に変更したり、シングル盤とアルバム盤に収録されるミックスで微妙なバランス違いを作る等の意図で行われていた。ビートルズの本国イギリス盤と輸出先のアメリカ盤での違い等が分かりやすい例である。
オリジナル・バージョン発表から時間が経ち、音量バランスのとり方や編集技術の変化、音質傾向の流行の違いなどマーケットの要望に伴い、ベスト・アルバムとして発表する際に同時代の音質に合わせる為や時代ごとに異なる各楽曲の音質統一の為にも行われるようになった。1960年代〜1980年代等、古い時代の大物アーティストの作品ではベスト盤に限らずオリジナル・アルバムまでもリミックスされるケースもある。ビートルズの『ヘルプ!』と『ラバー・ソウル』がCD化の際にジョージ・マーティンによって4チャンネルのマルチトラックから新たなステレオ版にリミックスされているのが代表的な例である。但し旧譜の場合にはリミックスよりもデジタルリマスター(リマスタリング)の方が圧倒的に多く、リミックスされるのはむしろ稀である。
現在では上記の原義を超え、オリジナル・バージョンから全く違う音を加えたり元の素材を大幅に削除するなど積極的に改変し、全く別のバージョンを作成するという意味でもこの用語は用いられている。「ダンス・リミックス」、「トランス・リミックス」等のように多産的に発表されることも多い。一般的にはこの派生の意味の方が広まっている。この意味でのリミックスについてはリミックス、マッシュアップ及びダブの項を参照のこと。
関連項目
- 1 ミキシングとは
- 2 ミキシングの概要
- 3 ミキシングの種類と概要
- 4 調整する主な要素
ミキシング!
ミキシングと同じ種類の言葉
- ミキシングのページへのリンク