ホンダ・RVF
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RVF
1993年10月22日 - 11月5日に幕張メッセで開催された第30回東京モーターショーに参考出品された[9]。翌1994年1月12日に同月20日から発売することが発表された排気量399ccのモデルである[9]。型式名NC35。VFR400R(NC30)からのフルモデルチェンジ車で、先述したRVF750のテイスト・テクノロジーを加味した上でNC30型VFR400から以下の変更を実施した[9]。
- キャブレターをレスポンス性に優れ吸気系のストレート化にも貢献するバキュームピストン型への変更
- エアファンネルを前後不等長タイプに変更し前後バンクの吸気管長を変更
- 吸気ポートの内径・形状見直し
- バルブ開閉タイミング変更
- エアクリーナーボックスに直接空気導入を行うダイレクトエアインテークシステムを採用(アッパーカウル開口部からエアダクトを経由しタンクカバーを貫通してエアクリーナーボックスに空気導入される方式)
- 6速トランスミッションの1速 - 3速をローレシオ化[注 8]
- クラッチプレートを10枚から9枚へ変更
- フレームを新設計のアルミツインチューブ式ダイヤモンド形状へ変更
- 大径ステムパイプ採用によるフロント廻りの高剛性化
- エンジン懸架方式をフロント側エンジンヘッド部とロアケース部の2点支持方式とした
- スイングアームピボット部の結合剛性を最適化
- フロントフォークを41mm径の倒立式テレスコピックサスペンションに変更
- 後輪ホイール径を17インチ化
- フロントブレーキは後述するRVF/RC45と同じ対向式異径4ポットピストンキャリパーとローター径296mmのフローティング式ダブルディスクへ変更
- リヤブレーキは対向式2ポットピンスライドキャリパーに焼結パッドを組み合わせたシングルディスクへ変更
- 空力特性を一層向上させ前面投影面積を減少させる目的からフロントカウルをよりスラント・スリム化
- シートカウル形状をRVF750のような後方へ絞り込んだタイプへ変更
- ヘッドライトに市販二輪車国内初となる配光性および明澄性に優れたマルチリフレクター式ツインフォーカスタイプを採用
- ハンドルグリップ位置を10mm上方及び24mm手前へ位置変更
最高出力は1992年に実施された馬力自主規制値の引き下げより59ps[10]から53psへダウンされた[9]。
販売目標は5,000台/年。消費税抜希望小売価格は780,000円に設定された[注 9]。
1996年2月14日発売で価格据え置きのままカラーリング変更を実施し、2000年代初頭まで販売された[4]。
なお、本モデルを最後に本田技研工業が製造する排気量400cc以下のV型4気筒エンジンを搭載するオートバイは存在しない。
注釈
- ^ 系譜的には1979年に開発されたNR500がルーツとなり、公道走行可能な市販車としては1982年に発売されたVFシリーズにフィードバックされた[1]。
- ^ 4ストローク400cc以下または2ストローク250cc以下の公道用市販車をベースにしたバイクによって競われるクラス。
- ^ 本田技研工業公式HPでは市販車VFR400Fをベースにしたワークスレーサーと記載されているが[2]、NC21型VFR400Fの発売は本モデルレース投入後の1986年である[3]。
- ^ 4ストローク750cc以下または2ストローク500cc以下の公道用市販車をベースにした改造バイクによって競われるクラス。市販車のクランクケースを使用していれば、フレーム交換やサスペンションの構造変更も可能であり、1988年からはスーパーバイク仕様でのエントリーも可能であった。
- ^ 4ストロークエンジンを搭載する公道用市販車をベースにした改造車によって競われる。4気筒の場合は600cc超750cc以下、3気筒では600cc超900cc以下、2気筒では750cc超1000cc以下と、気筒数によって排気量制限が変わるクラス。
- ^ 本モデル以前のワークス耐久レーサーには、RCB→RS1000が投入されていたが、本田技研工業では1984年から世界耐久・TT-F1の排気量が750ccとなるレギュレーションの変更を見越しており、1983年にV型4気筒エンジンを含め試作要素の高いRS850R[6]を投入した経緯がある[7]。
- ^ 1990年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで2位走行中だったワイン・ガードナー/マイケル・ドゥーハン組がガス欠でリタイアしたことから、リザーブコックと給油口に透明の覗き窓を装着した[8]。
- ^ VFR400R:1速:2.928 - 2速:2.166 - 3速:1.800[10]/RVF:1速:3.307 - 2速:2.352 - 3速:1.875[9] なお4速:1.590 - 5速:1.434 - 6速:1.318ならびに1次減速比2.117・2次減速比2.666は共通である[10][9]。
- ^ 北海道は17,000円高、沖縄は9,000円高、その他一部地域を除く[9]。
- ^ 前身モデルのRC30型VFR750Rが1987年に発売された際も希望小売価格1,480,000円と当時の日本最高額と話題になったが[13]、本モデルと同時期に本田技研工業が販売していた他の大型自動二輪車の消費税抜希望小売価格は、RC36型VFR750Fが839,000円[14]、RC42型CB750が689,000円[15]、SC30型CB1000SFが920,000円[16]である。
- ^ 北海道は20,000円高、沖縄は10,000円高、その他一部地域を除く[11][17]。
- ^ 1998年に本エンジンのストロークを2mm拡大し排気量781ccとしたRC46E型を搭載したVFRが発売された[18]。2022年まで基本設計を継承したRC79E型を搭載するRC79型VFR800F・RC80型VFR800Xが製造販売された。
- ^ ハイシリコンアルミニウムの粉末に、耐久性を向上させるセラミックスとグラファイトを添加し、熱間押し出し成形した素材[11]。
出典
- ^ a b 1982年12月10日プレスリリース
- ^ a b c d 本田技研工業公式HP 1986 RVF400
- ^ 1986年3月20日プレスリリース
- ^ a b c d THE444RR大全・2 HONDA VFR/RVF - Web Mr.Bike モーターマガジン社
- ^ a b 鈴鹿8耐・栄光のTT-F1マシン[1984-1993] - - Web ヤングマシン 内外出版社 2019年7月11日
- ^ 本田技研工業公式HP 1983 RSR850R
- ^ a b c HONDAコレクションホール所蔵車両 走行確認レポート 闘うDNA 二輪編その3 - Web Mr.Bike モーターマガジン社
- ^ a b 本田技研工業公式HP 宮城光の鈴鹿8耐歴代ロードレーサの鼓動 第4話 グランプリマシンより熱いRVF750
- ^ a b c d e f g h 1994年1月12日プレスリリース
- ^ a b c 1988年12月6日プレスリリース
- ^ a b c d e f g 1994年1月7日プレスリリース
- ^ “高度な最新技術を採用したV型4気筒エンジン搭載のスーパースポーツバイク「ホンダ RVF/RC45」を'95シーズンに向け限定発売”. www.honda.co.jp. 2022年3月17日閲覧。
- ^ 1987年7月24日プレスリリース
- ^ 1990年2月20日プレスリリース
- ^ 1992年2月20日プレスリリース
- ^ 1994年6月28日プレスリリース
- ^ 1994年8月22日プレスリリース
- ^ 1998年4月10日プレスリリース
- ^ RC45 ワークスレーサー譲りのスペックを市販車に投入したV4マシン - バイクのニュース 2019年11月14日
- ^ a b c 『RACERS Vol.65 RVF/RC45 ホンダV4最後の栄光: RVF/RC45 Part2<'97-'99>.』三栄書房、2022年。ISBN 978-4-7796-4682-9。
- ^ a b c 『RACERS - Vol.63 RVF / RC45 スーパーバイクのために開発された最後のV4レーサー』三栄。
- ^ “【第20回優勝ホンダ RVF/RC45】 真夏の鈴鹿8耐、第1回大会1978年から現在までの歴代優勝マシンを紹介。 - 8耐をもっと知ろう!"コカ・コーラ"鈴鹿8耐 特設サイト”. suzuka8hours.lrnc.cc. 2024年1月3日閲覧。
- ^ 『RACERS - Vol.41 VTR1000 SPW』三栄。
- ^ “2000年HONDA二輪モータースポーツ計画”. global.honda. 2024年3月10日閲覧。
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