ホンダ・CR-V 3代目 RE3/4型(2006年 - 2011年)

ホンダ・CR-V

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3代目 RE3/4型(2006年 - 2011年)

ホンダ・CR-V(3代目)
RE3/4型
日本仕様
リア
車内
概要
製造国 日本
中国
タイ
販売期間 2006年 - 2011年
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
駆動方式 4WD / FF
パワートレイン
エンジン K24A型:2.4L 直4 DOHC i-VTEC
変速機 5速AT
サスペンション
マクファーソンストラット
ダブルウイッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,620mm
全長 4,565mm
全幅 1,820mm
全高 1,690 - 1,710mm
車両重量 1,480 - 1,580kg
その他
生産台数 4万683台[10]
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日本では2006年10月12日に発表され、翌13日に発売した(北米は2006年9月・欧州は2007年1月発売)。

従来の角ばった箱型ボディから一転、欧州車高級SUVの雰囲気のようなプレミアム感を演出し、全体的に丸みを帯びたグラマラスなボディを纏った。ボディサイズはさらに拡大され、全幅は1,820mmとなった。車格も1ランク上昇し、日本市場で今までライバルとされた車種より装備・質感・価格帯は大幅に上回った。当初のコンパクトクロスオーバーSUVからミディアムサイズクロスオーバーSUVとなったが、これはSUVブームが沈静した日本市場よりも販売台数が多い北米市場からの大型化の要請、および欧州・アジア市場からのプレミアムクロスオーバーSUV化への要請を意識したためである。日本市場におけるこれまでの初代・2代目の車格ポジションは2007年2月発売されたクロスロードが事実上の受け皿となった。

エクステリアデザインは、フロントマスクは同社のステップワゴンなどと共通のデザインモチーフが採用され、サイドウインドウの扇形のラインは初代ストリームを彷彿とさせるクーペ的フォルムとなっており、さらにメッキモールを施して全体的にプレミアム感を演出した。また、初代・2代目と背面に背負っていたスペアタイヤを全タイプ床下収納となりテールゲートも横開き式から跳ね上げ式に改められた。また、見た目の高級感を重要視する日本市場の上位グレードには、バンパー下部およびボディサイドシルのプロテクター部分をメタリックグレーの塗装を施してさらなる高級感を演出し、4WD廉価グレード「X」および北米・欧州・アジア他仕様では「バンパーはバンパーらしく」との声から、同部分が黒色の原着となる。

インテリアもワイルドで機能性重視の初代・2代目から、プレミアム重視のインテリアとなり全体的にシンプルなデザインであるが上質な雰囲気を醸し出している。初代・2代目に設定されていた折りたたみ式センターテーブルが廃され、代わりに大型センターコンソールが装着されたことで前後ウォークスルーが不可能になった。さらに、左右独立エアコンやステアリングテレスコピック機能、イモビライザーなどを全グレードに標準装備、運転席・助手席パワーシートと運転席にはシュクラ製の電動ランバーサポートを一部標準装備するなど、高級セダン車並の装備が特徴で、4WD廉価グレード「X」を除きヒーター付き本革シート(黒またはベージュ)もオプションで選択可能である。

動力性能面では、エンジンが2代目モデル(後期型)のK24A型のままの据え置き(北米モデルではエンジン型式はK24Z)だが、170 PSにチューンアップされ、ドライブ・バイ・ワイヤを採用した。4WDシステムも、デュアルポンプのクラッチ容量アップとワンウェイカムユニットの追加により、伝達駆動力とレスポンスアップを計り、全体的な底上げが施された一方、エアロダイナミクスを良化するためボディ底部にアンダーカバーを配するなど新しい取り組みもある。走りの性能は、ベース車となっているアコードを模範とし、特に日本・欧州市場からの要請であった「SUVにしてはタイヤが小さい」の声に応えるため、18インチタイヤが標準装着できるシャシーとなって全体的な動力性能が大幅に向上した。

安全装備は、全グレードにVSAを標準装備した他、18インチタイヤや最上位グレード「ZXi」(4WD)「ZLi」(FF)にはAFSCMBSIHCC、サイドカーテンエアバッグシステム、オートワイパー、オートライト、Hondaスマートキーシステムなどを標準装備し、ホンダの上級セダン車種以上に充実した内容となった。

2007年4月18日、中国仕様車が発表[11]。中国市場では2009年に年間販売台数が10万台を突破する人気車種となっている[12]

2007年9月20日に初のマイナーチェンジが行なわれ、新グレード「ZX<HDD navi>」(4WD)および「ZL<HDD navi>」(FF)が登場した。同時に「ZXi」(4WD)、「ZLi」(FF)に、木目調パネルを採用し、新色が追加された。

2008年2月21日特別仕様車「ZX<exclusive>」(4WD)、「ZL<exclusive>」(FF)を発売した。アルカンターラインテリア、木目調パネル、HDD NAVIを標準装備し、ボディカラーは専用色を含む4色のみ設定された。

2008年8月28日にマイナーチェンジが行われた。新グレード「ZX〈アルカンターラスタイル〉、ZX〈レザースタイル〉、ZL〈アルカンターラスタイル〉、ZL〈レザースタイル〉が登場した。

2009年9月17日、3回目のマイナーチェンジを実施。スマートなデザインのフロント周りとなり、アルミホイールは新デザインとなった。内装は前席アームレストの長さと幅を広くし、角度調節機能を追加したほか、シート表皮やドアグリップなど変更された。ボディには遮音材などを導入し静粛性を向上した。「Honda HDD インターナビシステム」は改良を行い、「HDDナビ アルカンターラスタイル」、「HDDナビ レザースタイル」、「ZXi」、「ZLi」にはインターナビシステムを標準装備した。北米仕様ではエンジンが166hpから180hpにパワーアップ、燃費も1MPG向上した。

2011年2月10日、FF車の「ZL」、4WD車の「ZX」をベースに、インターナビシステムとスマートキー(キー2個付)を装備した特別仕様車「HDDナビ スマートエディション」を発売した。

2011年11月[13]に生産終了。在庫対応分のみの販売となる。

2011年12月に4代目とバトンタッチして販売終了。日本ではあまり売れなかったが、海外では大ヒットしたモデルだった[14]

  • 日本仕様はサイドアンダーミラーをプリズム反射を用いて、左側ドアミラーと一体化させたプリズムアンダーミラーを初採用、ドアミラーウインカーも標準化された。プリズムアンダーミラーは、デザイン上で最大の障害となる左前面の補助ミラーを廃止するためのアイデアである。
  • 日本仕様の上級グレードはドアグリップと下部グリルのスリット部分がメッキ塗装を施している。(他の地域向けはドアグリップがボディ同色か黒色・スリット部分がグレードによってメッキ塗装されているか黒色になっている。)
  • 欧州仕様にはR20A型やディーゼルのN22A型の設定もあり、多様なエンジンを搭載している他、エアウェイブなどに採用されている、スカイルーフ仕様が上級グレードで設定されている。
  • ATのみの日本・北米他の仕様ではパーキングブレーキが足踏み式であるが、欧州やオセアニア市場で設定されているMT仕様車のパーキングブレーキは、スバル・アルシオーネSVXルノー・カングーに似た形状のハンドレバータイプとなる。
  • 北米での需要の高まりを受け、2007年より米国オハイオ州・イーストリバティ(East Liberty)工場、メキシコ工場での生産を開始した。2007年より北米でのSUVのベストセラーとなっている。

注釈

  1. ^ 追加されたMT車はフロアシフトで駐車ブレーキもサイドレバー式となったため、ウォークスルーに適しているのはAT車である。
  2. ^ インパネにソフトパッドが使用されておらず、ステッチが本物の糸ではなく模造品なことや、木目調パネルがぼんやりとした仕上がりで質感に乏しいということなど。
  3. ^ 4WD車には「ルーフレール」を装備しない仕様が用意される

出典

  1. ^ 他にはスバル・フォレスター日産・エクストレイルなども採用されている。八重洲出版『driver』2012年12月号 p.54
  2. ^ [1] - 公益財団法人献血供給事業団
  3. ^ 【1位は日本車】2019年に世界で最も売れたクルマ20選 半数以上を日本車が占めるAUTOCAR 2021年5月1日閲覧
  4. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第23号17ページより。
  5. ^ CR-V(ホンダ)1995年10月~2001年8月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月19日). 2020年1月19日閲覧。
  6. ^ a b デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第34号17ページより。
  7. ^ CR-V(ホンダ)2001年9月~2006年9月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月19日). 2020年1月19日閲覧。
  8. ^ 东风本田汽车(武汉)有限公司CRV下线暨投放仪式” (中国語). 東風本田汽車 (2004年4月24日). 2013年7月26日閲覧。
  9. ^ 东风hondaCR-V5月12日全国统一上市” (中国語). 東風本田汽車 (2004年5月12日). 2013年7月26日閲覧。
  10. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第26号 25ページより
  11. ^ 睿力和一 锋芒劲现-―东风Honda新世代CR-V超越诞生” (中国語). 東風本田汽車 (2007年4月18日). 2013年7月26日閲覧。
  12. ^ CR-V年销突破10万辆” (中国語). 東風本田汽車 (2009年12月10日). 2013年7月26日閲覧。
  13. ^ CR-V(ホンダ)2006年10月~2011年11月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月19日). 2020年1月19日閲覧。
  14. ^ a b c デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第89号15ページより。
  15. ^ 2011年ロスアンゼルスオートショーにて「フィットEV」「CR-V」の市販モデルを世界初披露
  16. ^ New CR-V 先行スペシャルサイト
  17. ^ ホンダ CR-V 発表…日本専用モデル設定「やっぱりお膝元で売れてほしい」カービュー2011年12月9日(2011年12月13日 閲覧)
  18. ^ ホンダコリア、4世代CR-Vを発表中央日報 2011年12月21日(2012年3月8日閲覧)
  19. ^ 售价19.38—26.28万 全新CR-V领世启航” (中国語). 東風本田汽車 (2012年2月22日). 2013年7月26日閲覧。
  20. ^ 2015 Honda CR-V 2015年3月16日閲覧
  21. ^ a b 北米向け新型「CR-V」を発表』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2016年10月14日https://www.honda.co.jp/news/2016/4161014.html 
  22. ^ 東風ホンダ、新型「CR-V」を発表』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年7月10日https://www.honda.co.jp/news/2017/4170710.html 
  23. ^ 「第45回東京モーターショー2017」Hondaブース出展概要について』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年9月29日https://www.honda.co.jp/news/2017/c170929.html 
  24. ^ 「「東京オートサロン2018」出展概要』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年12月22日https://www.honda.co.jp/news/2017/4171222.html 
  25. ^ 新型「CR-V」をホームページで先行公開』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2018年6月8日https://www.honda.co.jp/news/2018/4180608.html 
  26. ^ 新型「CR-V」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2018年8月30日https://www.honda.co.jp/news/2018/4180830-cr-v.html 
  27. ^ 「CR-V」をマイナーモデルチェンジし発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2020年6月18日https://www.honda.co.jp/news/2020/4200618-cr-v.html 
  28. ^ a b c d e f g h i 新型ホンダCR-Vがついに正式発表! 洗練されたデザインと進化したハイブリッドに注目!”. Motor-Fan[モーターファン]. 2022年7月29日閲覧。
  29. ^ a b c ホンダ新型「CR-V」先行公開! 6年ぶり全面刷新!? ヘキサゴングリル採用の次世代SUVを米国初披露”. くるまのニュース. 2022年5月26日閲覧。
  30. ^ a b c d e f g h i j k Nast, Condé (2022年7月13日). “新型ホンダCR-Vが、ついに出た!”. GQ JAPAN. 2022年7月29日閲覧。
  31. ^ ホンダ CR-V 新型、6世代目モデルが北米で生産開始”. レスポンス(Response.jp). 2022年10月23日閲覧。
  32. ^ ホンダ、6代目新型「CR-V」発表! 立体的グリル採用の迫力顔!? ターボ・PHEVなど搭載で中国導入へ”. くるまのニュース. 2022年10月23日閲覧。
  33. ^ トヨタ「ハリアー」サイズのホンダ“タフ顔”新型「CR-V」発表! “ド迫力デザインの6代目“墨市場投入!日本は?(くるまのニュース)”. Yahoo!ニュース. 2022年12月7日閲覧。
  34. ^ ホンダ CR-V 新型、ハイブリッドの生産を米国工場でも開始”. レスポンス(Response.jp). 2023年3月24日閲覧。
  35. ^ 800馬力の ホンダ CR-V、サーキットテスト映像…実車は2月28日発表予定”. レスポンス(Response.jp). 2023年3月24日閲覧。
  36. ^ V6ツインターボはインディカー譲り…ホンダ CR-V が「究極の高性能ビースト」に[詳細写真]”. レスポンス(Response.jp). 2023年3月24日閲覧。
  37. ^ Nast, Condé (2023年3月6日). “ホンダのSUVが過激過ぎる! 新型CR-Vハイブリッドレーサー登場”. GQ JAPAN. 2023年3月24日閲覧。
  38. ^ めちゃ速そう! ホンダ新型「SUV」公開! ハイパワー&スポーティな新型「CR-V e:PHEV」中国で479万円から(くるまのニュース)”. Yahoo!ニュース. 2023年3月16日閲覧。
  39. ^ ホンダ新型「CR-V」“右ハンドル仕様”初公開!? めちゃ速そうな「RS」仕様もアリ! バンコクモーターショーで“新型SUV”をお披露目”. くるまのニュース (2023年3月23日). 2023年3月24日閲覧。
  40. ^ ホンダ『CR-V』新型、欧州は電動モデルのみ…初のPHEVも設定”. レスポンス(Response.jp) (2023年5月22日). 2023年7月7日閲覧。
  41. ^ ホンダ CR-V 、史上最強のハイブリッドに新グレード…2024年型を米国で発売”. レスポンス(Response.jp) (2023年6月20日). 2023年7月7日閲覧。
  42. ^ 株式会社インプレス (2022年12月1日). “ホンダ、米国で「CR-V」ベースの新型燃料電池車を2024年生産開始へ”. Car Watch. 2022年12月11日閲覧。






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