ブルックリン区 政治

ブルックリン区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/18 19:23 UTC 版)

政治

1898年の併合以来、ブルックリンでは大きな権力を有するニューヨーク市長をトップとする行政が敷かれている。このニューヨーク市行政は公安、教育、福祉、衛生、インフラ、娯楽と全てにおいて指揮権を握る形となっており、それぞれの区の独立性は小さい。

アントニオ・レイノソ区長

ブルックリン市庁舎として使用されていた建物は現在区庁舎になっており、ニューヨーク市の中央行政と郡の行政のバランスを取る立場にある。区長はニューヨーク市予算委員会にて重要な立場にあり、市及び区の予算編成を行う。1989年アメリカ合衆国最高裁判所は最大の人口を抱えるブルックリンが予算委員会で人口が最も少ないスタテンアイランドと同等の権限しか有さないのはアメリカ合衆国憲法修正第14条の平等保護に反するとして違憲という判決を下した。1990年からは区長は区の為に市長や市議会、州議会などでも発言する機会が増えている。現在の区長、民主党のアントニオ・レイノソ2022年に就任した。

ニューヨーク市内は民主党支持者が多数派で、ブルックリンも同様の傾向にある。共和党は区南部のベイ・リッジやディッカー・ハイツなどで支持者を獲得している。

ブルックリン区庁舎

民主党は公共住宅や教育、経済に力を入れており、その中でも今論争中なのが区中北部プロスペクト・ハイツ地区を中心としたアトランティック・ヤーズという再開発で住宅やオフィスを含む高層ビルを16棟建築する計画となっている。

ニューヨーク市5区はそれぞれがニューヨーク州の郡として存在しており、ブルックリンもキングス郡として独立した郡裁判所と選挙によって選ばれる地方検事(District Attorney)を持つ。現在のエリック・ゴンザレス(民主党)は2016年より地方検事の職についている。ブルックリンは区として16人を市議会に送っており、これは5区最大の人数である。また市のインフラ整備などに助言する権限を有する名誉職のコミュニティ・ディストリクトという役職は市に59人おり、そのうち18人はブルックリン代表である。

ブルックリンの公式モットーは Een Draght Mackt Maght という古いオランダ語で、ネーデルラント連邦共和国のモットーに感銘を受けたことから作成された。英語訳すると In Unity There is Strength となり、日本語訳するなら「結束は力なり」。このモットーは区旗と区印に刻まれている。尚、区の公式色は青と金。

連邦政治

ブルックリンは大統領選挙においてここ50年間共和党候補を選出していない。2020年の大統領選挙では民主党候補(現大統領)ジョー・バイデンが76.78%を、共和党候補ドナルド・トランプが22.14%を得票した。

全米435ある連邦議会下院選挙区のうち、ブルックリンは5つの区を持ち、そのうち1区は全域がブルックリン区内にある。

ブルックリンの歴代大統領選の結果[2][3][4]
共和党 民主党
2020年 22.14% 202,772票 76.78% 703,310票
2016年 17.51% 141,044票 79.51% 640,553票
2012年 16.90% 124,551票 82.02% 604,443票
2008年 20.0% 151,872票 79.4% 603,525票
2004年 24.3% 167,149票 74.9% 514,973票
2000年 15.7% 96,605票 80.6% 497,468票
1996年 15.1% 81,406票 80.1% 432,232票
1992年 22.9% 133,344票 70.7% 411,183票
1988年 32.6% 230,064票 66.3% 368,518票
1984年 38.3% 285,477票 61.3% 328,379票
1980年 38.4% 200,306票 55.4% 288,893票
1976年 31.1% 190,728票 68.3% 419,382票
1972年 49.0% 373,903票 50.8% 387,768票
1968年 32.0% 247,936票 63.1% 489,174票
1964年 25.0% 229,291票 74.8% 684,839票
1960年 33.5% 327,497票 66.2% 646,582票
1956年 45.2% 460,456票 54.7% 557,655票
ブルックリンにおける支持政党の比率
政党 2005年 2004年 2003年 2002年 2001年 2000年 1999年 1998年 1997年 1996年
民主党 69.7% 69.2% 70.0% 70.1% 70.6% 70.3% 70.7% 70.8% 70.8% 71.0%
共和党 10.1% 10.1% 10.1% 10.1% 10.2% 10.5% 10.9% 11.1% 11.3% 11.5%
その他 3.7% 3.9% 3.8% 3.6% 2.9% 2.8% 2.5% 2.8% 2.3% 2.3%
無党派 16.5% 16.9% 16.1% 16.2% 16.3% 16.5% 15.9% 15.5% 15.4% 15.2%

姉妹都市

都市 姉妹都市 締結年
ブルックリン ウィーンレオポルトシュタット  オーストリア 2007年
ブルックリン イスタンブールベシクタシュ トルコ 2005年
ブルックリン ローマ県アンツィオ イタリア 1990年
ブルックリン ロンドンランベス区 イギリス
クラウンハイツ地区 クッファシャバッド イスラエル

  1. ^ CITY POPULATION”. 2023年8月11日閲覧。
  2. ^ Dave Leip's Atlas of U.S. Presidential Elections”. 2023年5月18日閲覧。
  3. ^ BOARD OF ELECTIONS IN THE CITY OF NEW YORK 2020 ELECTION NIGHT RESULTS President/Vice President”. 2020年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
  4. ^ New York State Board of Elections, 2020 General Election Night Results”. 2018年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
  5. ^ 石油タンク大爆発『朝日新聞』1976年1月6日夕刊、3版、7面
  6. ^ Per the County and City Data Book:2007 (U.S. Census Bureau), Table B-1, Area and Population, retrieved on July 12, 2008, New York County (Manhattan) was the nation's densest-populated county, followed by Kings County (Brooklyn), Bronx County, Queens County and San Francisco, California.
  7. ^ American Fact Finder (U.S. Census Bureau): New York by County - Table GCT-PH1. Population, Housing Units, Area, and Density: 2000 Data Set: Census 2000 Summary File 1 (SF 1) 100-Percent Data, retrieved on February 6, 2009





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