フォーミュラ3000 フォーミュラ3000の概要

フォーミュラ3000

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/17 22:48 UTC 版)

ローラ・B99/50(2000年)

F3000には国際選手権と地域選手権が存在した。本項ではおもに国際F3000選手権 (International Formula 3000 Championship) について説明する。

概要

1985年-1995年

レイナード・93D(1993年)

F1の下位カテゴリーであったF2がワークスエンジンの開発競争激化などによる費用高騰のため、それに代わる物として、F1のレギュレーションの変更により使われなくなった、かつてF1で一時代を築いたフォードコスワースDFVエンジンV8 3,000cc)を再利用し、回転数を9,000rpmに制限するなどの方法でコスト低減されたカテゴリーとして1985年に再編成された。

しかしシリーズが進むにつれてシャーシ(マーチローララルトレイナードダラーラフットワーク童夢)、エンジン(無限ジャッドコスワースAC)等多数のメーカーが参入し、また各チームによる「スペシャルガソリン」や「トラクションコントロールシステム」等の開発、シーズン途中でのシャーシ(例 ローラ→レイナード)やエンジンメーカー(例 無限→コスワース)の変更等を行うチームが発生し、その結果参戦コストが大幅に急騰してしまった。そのため1995年にレギュレーションの変更を行いシャーシ、エンジンをワンメイクにし入札を行ない、その結果1996年よりシャーシはローラ、エンジンはザイテック(設計はジャッド)のV型8気筒3,000ccへと変更になった(タイヤは1986年よりエイヴォン・タイヤのワンメイク)。

1996年-2004年

ローラ・T96/50(1998年)
ローラ・B99/50(1999年)

1996年以降においてマクラーレンベネトンジョーダンアロウズプロスト等が若手育成を目的として「ジュニアチーム」を設立する(実際には参戦しているチームを支配下に置く方式)。これは若手ドライバーをレースだけに集中させるだけではなく、F1ドライバーになるためのレース活動以外のサポートをしたが、F1とF3000のマシンのレベルに差が大きすぎ、F1チームの予想に反してF1へのステップアップが想定通りには進まなかった。

その結果F1チームにおけるドライバー育成プログラムを見直し、ドイツF3(→F3ユーロシリーズ)やイギリスF3等のランキング上位者ドライバーをテストドライバーとして契約し将来的にはレギュラードライバーにステップアップさせる方法へ切り替えた。僅か数年で各F1チームはジュニアチームを解散させてしまい(本来の単独チームへ戻り)、その影響で多くのスポンサーが撤退してしまった。結果として、ますますF1へのステップアップが難しくなるという皮肉な結末になった。

FIAにおいても国際F3000がF1への重要なステップアップカテゴリーである認識は強かったので、テレビ放送によって露出を増やし、より多くのスポンサーの参入と目的とし、国際F3000による単独レースを止めてヨーロッパ内で行われるF1レースの前座レースへと変更をしたが、FIAの思惑とは裏腹に年々エントリーが減少し、F1へのステップアップカテゴリーとして機能しているとは言い難いものとなり、2005年からGP2に移行した。

選手権

国際F3000の他、イギリス日本など数カ国で国内選手権が行われており、中でもフェリペ・マッサなどを輩出したユーロ3000選手権の動きが活発であったが、同選手権も2009年限りで終了している。日本では1987年から1995年まで全日本F3000選手権が開催されていた。


  1. ^ Curaçao Grand Prix 1985, Willemstad”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  2. ^ Temporada (World Cup) - Buenos Aires (RA), December 13th 1992”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  3. ^ Moosehead Grand Prix, Halifax (CDN), July 11th 1993”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  4. ^ Moosehead Grand Prix, Halifax (CDN), July 10th 1994”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  5. ^ Birkin Cars/TVR Invitational Race - Kyalami (ZA), January 29th 1995”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  6. ^ Bologna Motorshow F3000 Sprint, December 1997”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  7. ^ Bologna Motorshow F3000 Sprint, 5th/6th December 1998”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  8. ^ Bologna Motorshow F3000 Sprint, December 4th-8th 1999”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  9. ^ F3000 Italia non-championship race, Assen (NL), 20th August 2000”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  10. ^ Bologna Motorshow F3000 Sprint, December 11th 2000”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  11. ^ Bologna Motorshow F3000 Sprint, December 10th 2001”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  12. ^ Bologna Motorshow Euro 3000 Sprint, December 8th-9th 2002”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  13. ^ Bomb Boogie Euro 3000 Challenge, Bologna Motorshow (I), December 6th 2003”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  14. ^ Grand Prix of Portoroz, Slovenia, 3rd October 2004”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  15. ^ F3000 Italia, Bologna Motorshow (I), December 6th 2004”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  16. ^ 3000 Pro Series, Bologna Motorshow (I), December 6th 2004”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  17. ^ Bomb Boogie Formula 3000, Bologna Motorshow (I), December 3rd 2005”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  18. ^ Euroseries 3000, Bologna Motorshow (I), December 7th 2006”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。
  19. ^ Euroseries 3000, Bologna Motorshow (I), December 7th 2007”. Unofficial F3000. 2023年5月3日閲覧。


「フォーミュラ3000」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フォーミュラ3000」の関連用語

フォーミュラ3000のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フォーミュラ3000のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフォーミュラ3000 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS