ニイハウ島事件 結末

ニイハウ島事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 19:53 UTC 版)

結末

12月13日、土曜日の朝、原田と西開地は、島の住民のベニ・カナヘレ[14][15] とその妻エラを捕らえた。原田たちは、エラを人質にして、カナヘレにカレオハノを探すように命令した。カナヘレはカレオハノがいないことを知っていたが、探す振りをした。その後、彼はエラが心配になり戻った。西開地はカナヘレが嘘をついていることに気付いた。原田はカナヘレに、カレオハノが見つからなければ、西開地は全住民を殺すだろうと言った。

カナヘレは、原田たちの疲労と落胆に気付いた。西開地が散弾銃を原田に手渡した瞬間に、カナヘレとエラは西開地を襲った。西開地はブーツから銃を取り出したが、エラは西開地の腕をつかみ、銃を叩き落した。原田がエラを引き剥がし、カナヘレを3回撃った。弾は、足の付け根、腹部、太ももに当たった。しかしカナヘレは、西開地を石壁に投げつけ、エラがひるんだ西開地の頭部を岩で殴打した。カナヘレは西開地の喉をナイフで切り裂いた。西開地が死んで絶望した原田は散弾銃で自殺した。

12月14日の午後に、アメリカ軍当局、カレオハノら6人、ロビンソンがニイハウ島に到着した。梅乃と新谷は拘留された。新谷は収容所に送られたものの、その後無実が証明されニイハウ島に戻り、1960年にアメリカ市民権を得た。梅乃は31ヶ月間収監され、1944年6月に解放された。彼女は、反逆罪やその他の罪で告発されることはなかった。彼女は無実を主張する際には英語を使い、パイロットを可哀想に思い彼を助けたかったと述べた際には、日本人聴衆のために日本語を使った。

ベニ・カナヘレは、カウアイ島のエレエレ病院に収容され治療を受けて健康を取り戻した。


  1. ^ 戦史叢書10 1967, pp. 361–363四 戦果の判定と被害/被害
  2. ^ 戦史叢書98 1979, pp. 92–96.
  3. ^ 戦史叢書10 1967, pp. 283–285第三潜水部隊の進出
  4. ^ 戦史叢書98 1979, p. 96.
  5. ^ 土本匡孝, 平和:「ニイハウ島事件 日系2世の汚名返上を」, オッショイ!九州, 毎日新聞, 2011年12月7日.
  6. ^ 高橋賢三, 「甲飛の友」, 蒼空の記憶.
  7. ^ 戦史叢書10 1967, pp. 339–341第二次攻撃隊の攻撃
  8. ^ 戦史叢書10 1967, pp. 614–616第二次攻撃隊制空隊(零戦35機)の編制
  9. ^ #飛龍飛行機隊調書(1)p.4
  10. ^ 戦史叢書10 1967, pp. 374–375開戦時の海上兵力配備
  11. ^ a b 戦史叢書10 1967, p. 392.
  12. ^ 戦史叢書10 1967, pp. 406–408三 各潜水部隊の作戦
  13. ^ 戦史叢書10 1967, p. 407.
  14. ^ a b Lord, Walter (1957). Day of Infamy. Henry Holt and Company. pp. 188–191. ISBN 0-8050-6803-1 
  15. ^ 姓の「カナヘレ」は、定冠詞の「カ」、「森」の意の「ナヘレ」で構成されている。(Dictionary translation.) カナヘレはニイハウ島に祖先を持つ家族にとって一般的な姓である
  16. ^ Prange, Gordon W. (1962). December 7, 1941: The Day the Japanese Attacked Pearl Harbor. New York: McGraw Hill. pp. 375–77
  17. ^ a b William Hallstead (2000年11月). “The Niihau Incident”. 2017年3月15日閲覧。
  18. ^ Beekman 1982, p. 112






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