ドラえもん のび太の日本誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 09:55 UTC 版)
声の出演
- 「ドラゾンビ」を名乗り、変装する。科学の知識が無いククルに、「精霊を操るまじない師」との方便で説明した。名前は精霊王ギガゾンビに対抗してスネ夫が命名したもの。手に持っているショックステッキでクラヤミ族を退治し、助けられたヒカリ族からは大変慕われた。
- のび太 - 小原乃梨子
- ジャイアン - たてかべ和也
- スネ夫 - 肝付兼太
- しずか - 野村道子
- のび太のママ - 千々松幸子
- のび太のパパ - 加藤正之
- ジャイアンのママ - 青木和代
- 先生 - 田中亮一
ゲストキャラクター
- ★ - アニメ映画にのみ登場するキャラクラー、または名称。
- ヒカリ族
- 声 - 茶風林、坂東耕一郎、梁田清之
- 7万年前、現在の中国・和県付近に住んでいた原始人部族。ドラえもんたちの手助けにより、未開の地である日本に移住する。ドラえもんが変装したドラゾンビを神と敬い崇拝する。クラヤミ族に囚われ強制労働をさせられるが、タイムパトロール隊によって保護される。
- ククル
- 声 - 松岡洋子
- ヒカリ族の少年。集落近くの川で川魚を獲っていたため、辛くもただ1人、クラヤミ族の襲撃を免れた。その後、時空乱流(時空間の乱れ)に巻き込まれて現代の日本に転移してきた。仲間たちを救うべく、ドラゾンビ(ドラえもん)の力を借りてクラヤミ族に立ち向かう。一人称は2つ、「僕」「俺」を混用する。将来はウンバホ(「日の国の勇者」の意)と改名し、ヒカリ族の族長となる(漫画のみ。20年後の様子をタイム・テレビで見る様子が描かれている。コロコロ文庫版では198頁)。
- なお、『チンプイ』の春日エリは、彼の子孫である[6]。
- タジカラ
- 声 - 仲木隆司
- ククルの父。クラヤミ族に立ち向かうなど勇敢である。祭りの際、野牛の蒸し焼きを石器の刃物で切断する描写が見られる[注 4]。
- タラネ★
- 声 - 玉川紗己子
- ククルの母。日本に移住し、新しい村を建設した。祭りの際には、しずかに木の実をあげる仕草が見られる[注 4]。
- 長老
- 声 - 北村弘一
- ヒカリ族の長老。かなりの高齢で、連行に付いて行けず殺されかけた。
- クラヤミ族に再び囚われてからは、トコヤミの宮の建設のために強制労働させられるが、無事救出されて日本に移住した。
- ウズメ★
- 声 - 林玉緒
- 頭に花を乗せた女の子。常に長老の側にいる。ヒカリ族が日本に移住した直後の宴では舞いを披露した。漫画には登場しない人物である。
- ウタベ
- 声 - 二又一成
- ヒカリ族の一員で、歌が得意な男(漫画では太目の中年、映画では痩身)。日本に案内された直後の宴で、ドラゾンビを称える歌を作った。ジャイアン曰く「石器時代の偉大なアーティスト」。
- ギガゾンビ
- 声 - 永井一郎
- 本編における黒幕。嵐と雷を操る不死身の精霊王を名乗る。当初は古代の呪い師と思われていたが、その正体は23世紀[注 5]から来た時間犯罪者。亜空間破壊装置によって時空間の往来を遮断して過去の歴史への干渉を防いだ上で過去の時代を我が物にし、恒久的な歴史支配を達成しようと目論んでおり、タイムパトロールからマークされていたため、追跡を避けて地下にトコヤミの宮を建造していた。
- トコヤミの宮に侵入してきたドラゾンビたちを根こそぎ捕らえて追い詰めたものの、遅れてやってきたのび太の手引きによって形勢逆転されタイムパトロール隊に基地を突き止められてしまう。部下のツチダマ、手下のクラヤミ族を見捨て、自分だけ逃亡を図ろうとするも、タイムマシーン目指して階段を上がっている途中でタイムパトロールのタイムスキッパーに体当たりされ階段を転落。そのまま亜空間破壊罪(漫画及び映画版第2期では歴史破壊未遂罪)で逮捕された(映画では逃げる暇もなくコントロール室で逮捕された)。
- 仮面をとった素顔は小柄で出っ歯の貧弱な顔の男だった[注 6][注 7]。一人称は「ワシ」または「私」。
- てんとう虫フィルムコミックスで逮捕の際に「山田博士」と呼ばれている。
- ツチダマ
- 声 - 高島雅羅
- ギガゾンビの部下で、言葉を話す遮光器土偶。クラヤミ族を操った張本人。形状記憶セラミック製[注 8]で再生能力を持っており、粉砕されても復活する。ただし、この再生能力はバラバラになった破片を繋ぎ合わせるに留まり、破片そのものが損失(作中では別時代に持ち去られて)した場合はその部位は再生(新構築)が出来ない。飛行能力を持ち、岩をも吹き飛ばす衝撃波を発生させることができる。時折「ギーガー」という奇怪な声をあげる。猛吹雪の中でも飛行が可能。ひみつ道具「瞬間接着銃」により身動きが取れなくなり、最後はギガゾンビに手駒扱いされ落盤に巻き込まれる。
- 漫画や映画版第2期では複数の個体が存在しているが、映画版第1期では1体のみの登場となった。
- クラヤミ族
- 声 - 広瀬正志(リーダー)、岸野一彦、郷里大輔
- 7万年前の中国に住む、猿人に近い種族でゴリラのような顔をしている。ヒカリ族に比べると身体能力は高く背丈も大柄だが知能が低いようで、ギガゾンビやツチダマの手下となっている。漫画では「サルども」とギガゾンビがツチダマに話すシーンもある。
- 架空動物
- のび太が動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグで作り出した3匹の架空動物。また、電池切れが多く長時間使用できないタケコプターに代わる移動手段としての存在にもなっており、ドラえもん達を乗せて、長距離での移動が可能となった。だが、移動中に、ドラえもんの意向によって、一旦、ドラえもん一行と離れ離れとなってしまう。架空動物ゆえに石器時代や20世紀に存在することは許されないため、事件解決後に3匹ともタイムパトロールに引き取られ、「空想動物サファリパーク」で育てられることになった。漫画では「可愛がられ幸せに暮らしている」という一文もある[7]。
- ペガ
- ペガサス。馬と白鳥のアンプルを同時に使って作られた。のび太としずかが乗る。特にのび太はペガにしか乗らず、名前を口にする機会もペガが最も多かった。
- グリ
- グリフィン。ワシとライオンのアンプルで作られた。ドラえもんとククルが乗る。ワニを急降下で攻撃した事もある。嗅覚が鋭いのか、猛吹雪直後の丘陵地帯からのび太の答案を発見する描写がある。
- ドラコ
- リュウ(東洋の龍。西洋のドラゴン)。ワニとシカとトカゲ(映画では第1期、第2期ともにトカゲの代わりにコウモリ)のアンプルで作られた。ジャイアンとスネ夫が乗り[注 9]、漫画ではさらにしずかとククルを加えた4人で乗った事もある[8]。その外見でワニやサーベルタイガーを威圧させている。しずかは「ドラちゃん」と呼び、ドラえもんから「紛らわしい名前付けないでよ」と突っ込まれた。
- タイムマシン
- 声 - 三ツ矢雄二
- 言葉を発し、行き先は音声で認識する。
- 前作映画『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』で音声機能が搭載されている。パラレル西遊記は漫画版が無いので、大長編漫画では本作25頁で初めて喋る。
- マンモス
- 声 - 大宮悌二
- ドラえもん達とはぐれたのび太の前に現れる喋るマンモス。猛吹雪で遭難したのび太に栄養ドリンクを与え、小箱(正体は発信機)を託した。その正体はタイムパトロール隊が乗ったタイムスキッパーが偽装した姿。トコヤミの宮の位置を突き止めるために後期更新世にワープして張り込みをしており、ギガゾンビに警戒されないためマンモスに変装して隠密行動していた。
- 空き地の地主
- 声 - 田口昂
- のび太たちがいつも遊んでいる空き地の地主。恰幅の良い体型ではげ頭。家出したのび太が空き地に住もうとしたところ、キャンピングカプセルを揺さぶられ(映画ではレンチで叩いた)、家を建てたら困ると注意された。不動産会社から土地を3億円で売るように勧められていた(当時はバブル景気の真っ只中)。
- タイムパトロール隊員
- 声 - 橋本晃一
- マンモスに変装したタイムパトロール隊の応援要請によって後期更新世にワープし、トコヤミの宮を襲撃した隊員の一人。落盤で逃げ道を失ったドラえもんたちの救助に現れ、基地を歴史に残さないために爆破消滅させると言い、ドラえもんたちをタイムスキッパーの中に入るよう指示した。
- 少年★
- 声 - 真柴摩利
- のび太たちの仲間に入ろうとしたが、スネ夫が「ジャイアンのリサイタルの相談」だと言ったので逃げ出した(その後、スネ夫はこの冗談が気に入らなかったジャイアンに殴られた)。
- 少女★
- 声 - 林玉緒、前田雅恵
- 学校の外で縄跳びをして遊んでいた。
用語
- 時空乱流(じくうらんりゅう)
- 時空間の乱れが生み出す、ブラックホールのような落とし穴。時間の流れが渦を巻いて乱れる。冒頭でククルを飲み込み、20世紀の東京に時空移動させた。ドラえもん達が最初にタイムマシンで7万年前に向かう道中で目撃する。飲み込まれた人間は、永久に亜空間をさまようか、運がよければ出口が開いて他の時代に落とされる。
- 作中、ドラえもんは、日本の神隠しや世界中の行方不明事件などは、時空乱流に人間が巻き込まれて消えたのではないかと、実例を挙げて説明している[9]。
- 藤子F作品『T・Pぼん』では登場人物のリームが「タイムトリッパー(時間転移者)」について説明する際、行方不明事件の実例を挙げるなど、本作とほぼ同様の説明を行っている[10]。リメイク版ではククルが巻き込まれた時空乱流はギガゾンビによる亜空間破壊装置の影響で発生したとされている。
注釈
- ^ 『月刊コロコロコミック』での連載最終回から藤子・F・不二雄名義に改められた。
- ^ 連載第6回のみ。
- ^ 扉1頁+本編187頁。
- ^ a b 漫画ではこの描写は存在しない。
- ^ 映画版第1期では、出自が23世紀だとは言及していない。
- ^ 「ドラえもんクラブ」第2巻に掲載された「ドラえもん映画アカデミー賞」では「史上最弱ライバル賞」を受賞している。
- ^ 漫画でも1コマだけ素顔を見せているが、こちらでは体格の良いワシ鼻の男で映画ほど貧弱ではない。
- ^ 漫画及び映画版第1期では、現在へ戻ったドラえもんが形状記憶セラミックであることを突き止めたが、映画版第2期ではドラえもんが素材を見つけられず妹のドラミに調べさせている。
- ^ 原作漫画(コロコロ文庫版84頁参照)と映画版第1期(コロコロ文庫版2頁参照)では、ジャイアンとスネ夫はのび太に救出された後からドラコに乗っているが、映画版第2期(てんとう虫コミックス『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』62頁参照)では、ジャイアンのみがドラコに乗り、スネ夫はグリに乗っている。
- ^ テレビシリーズ版では1992年10月9日放送分から山野版を使用。
- ^ テレビシリーズ版での使用は2002年9月20日放送分まで。
出典
- ^ 1989年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
- ^ “「のび太の新恐竜」がドラえもん50周年記念作品として 2020年3月公開! - ドラえもんの映画ヒストリーをおさらい”. 小学館 (2019年10月28日). 2020年3月25日閲覧。
- ^ “過去のゴールデングロス賞 - 全国興行生活衛生同業組合連合会”. Japan Association of TheaterOwners.. 2020年3月25日閲覧。
- ^ “映画「ドラえもん」絶好調「6年連続のベトナム公開も決まりました」テレビ朝日”. スポーツ報知 (2018年4月24日). 2018年12月5日閲覧。
- ^ 掲てんとう虫コミックス41巻収録。テレビアニメ版は1989年11月10日に放送。
- ^ 『チンプイ』第5話「御先祖は日本王?」
- ^ コロコロ文庫版では198頁。
- ^ コロコロ文庫版では96頁から103頁。
- ^ 漫画単行本64~66頁。
- ^ 『T・Pぼん』「超空間の漂流者」。このエピソードは本作の漫画版で行方不明事件の実例として挙げられていたアンブローズ・ビアスがタイムトリッパーとして登場。遥か未来まで漂着してしまったことになっている。
固有名詞の分類
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