トロイ (映画) トロイ (映画)の概要

トロイ (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/31 05:48 UTC 版)

トロイ
Troy
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
脚本 デヴィッド・ベニオフ
製作 ウォルフガング・ペーターゼン
ゲイル・カッツ
ダイアナ・ラスバン
コリン・ウィルソン
製作総指揮 ブルース・バーマン
出演者 ブラッド・ピット
エリック・バナ
オーランド・ブルーム
ダイアン・クルーガー
ブライアン・コックス
ショーン・ビーン
ブレンダン・グリーソン
ピーター・オトゥール
音楽 ジェームズ・ホーナー
撮影 ロジャー・プラット
編集 ピーター・ホーネス
製作会社 プランBエンターテインメント
ラディアント・プロダクションズ
配給 ワーナー・ブラザース
公開 2004年5月14日
2004年5月22日
上映時間 163分
196分(ディレクターズ・カット)
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $175,000,000[1]
興行収入 $497,409,852[1]
42億5000万円[2]
テンプレートを表示

概要

ホメロス叙事詩イリアス』などで描かれた神々と英雄の織り成す神話としてではなく、あくまで架空の人間のドラマとしてのトロイア戦争を描き興行的にも成功を収めた。

作品内容及び登場人物が人間性を強調して描かれているため、主人公アキレスも神の庇護を受けた英雄としてではなく、あくまで普通の人間の武将として扱われている。

ターキッシュ エアラインズエアバスA321の映画のラッピング航空機

あらすじ

トロイスパルタの間に和平が結ばれた日、トロイ王子パリスはスパルタの王妃ヘレンと禁じられた恋に落ち、駆け落ち同然にトロイへと彼女を連れ帰ってしまう。パリスの兄ヘクトルは激怒するが弟可愛さに彼を守ることを決意し、トロイ王にして彼らの父であるプリアモスもヘレンを受け入れる。

ヘレンの夫であるスパルタ王メネラオスはこれに激怒し、ギリシアの諸王国の盟主にしてメネラオスの兄であるミュケナイアガメムノンを頼る。アガメムノンはこれを口実にトロイを征服しようと、ギリシア連合軍によるトロイ侵攻を決定する。

ギリシアの勇者アキレスは自分や兵士たちを駒としか見ていないアガメムノンに対して不満を抱いていたが、親友オデュッセウスの頼みを受け、歴史に名前を残すため参戦を決意。家臣のミュルミドン達を率い、自分を尊敬する従弟のパトロクロスを伴ってトロイへと赴く。

最初の戦いはギリシア軍有利に進められた。先陣を切って飛び込んだアキレスとミュルミドンは瞬く間に浜辺を守るトロイ軍を蹴散らし、アポロンの神殿へと攻め込む。パリスの従妹である巫女ブリセイスはアキレスに捕らわれてしまい、アキレスは救援に駆けつけたヘクトルに再戦を約束して引き上げる。

アキレスは自分の物になることを拒むブリセイスに興味を抱き、徐々に彼女へ惹かれていく。ブリセイスもまた自分を丁重に扱うアキレスに心を許すようになる。しかしアキレスが自分の指示を無視した事に腹を立てたアガメムノンはアキレスからブリセイスを取り上げ、兵卒達へ慰みものとして与えてしまう。怒り狂ったアキレスは強引にブリセイスを取り戻すが、これによってアガメムノンとの敵対関係は決定的なものとなり、アキレスは戦闘を放棄する。

パリスは戦争を終わらせて故郷を救うため、メネラオスとの一騎討ちに挑むことを決意する。両軍が息を呑んで見守る中で二人は対決するが、パリスは防戦一方に追い込まれ、ついに窮地に陥る。足元に縋って助けを求めるパリスの姿にたまりかね、ヘクトルは約定を破って助太刀し、メネラオスを殺してしまう。激怒したアガメムノンは一斉攻撃の命令を下すが、アキレスとミュルミドンを欠いたギリシア軍はヘクトル率いるトロイ軍に打ち負かされる。

自軍の窮状にもかかわらず戦わないアキレスが批判され、さらに帰郷まで決意したことに耐えかねたパトロクロスは、アキレスの鎧兜を身に纏い、影武者としてミュルミドンを率いて戦場に赴く。その見事な戦いはギリシア軍の士気を取り戻し、ついにはトロイ軍もヘクトルが出撃して迎え撃つ。パトロクロスはヘクトルへと挑むが敵わずに討たれ、ヘクトル、トロイ軍、ギリシア軍は、アキレスと思っていた人物の正体がパトロクロスであったことに衝撃を受け、戦いを止める。

パトロクロスが殺されたことを知ったアキレスは激怒し、たった一人でトロイ城門の前まで戦車を走らせる。幾度も自分を呼ばわる声を聞いたヘクトルは死を覚悟し、父と妻、弟に別れを告げて決闘に挑む。激戦の末にヘクトルを討ったアキレスだが、怒りが収まらぬ余りヘクトルの死体を戦車で引きずり回して自軍へと持ち去ってしまう。

その夜、危険を冒して単身でギリシア軍の陣地までプリアモス王が訪ねてくる。息子の遺体を返して欲しいという彼の涙ながらの懇願に心を打たれたアキレスはヘクトルの遺体と共にブリセイスをトロイへと送り返す。ヘクトルの遺体は荼毘に付され、両軍は彼を弔うため一時の休戦を約束する。

度重なる敗戦にギリシア軍は勝算なしと見て撤退の準備を進めていた。しかしオデュッセウスは兵士が子供の土産にと作っていた木彫りの馬を見て、起死回生の作戦を思いつく。トロイへの供物として巨大な木馬を造って撤退したと見せかけ、木馬がトロイに運び込まれたら中に隠れた兵士が門を開け、待機していた軍勢で攻め込もうというのだ。アキレスはミュルミドンたちを帰還させ、ブリセイスを助けるため木馬の中に乗り込む。

木馬

木馬の策略に騙されたトロイは、瞬く間に炎上する。パリスはアイネイアスにトロイの宝剣とブリセイス、ヘレンを託して脱出させる。ギリシア兵による一方的な破壊と略奪が市民を襲う中、アガメムノンはプリアモス王を殺し、ブリセイスを捕えるが逆に刺殺される。ブリセイスを探し求めるアキレスはとうとう彼女を助け出すが、そこに兄ヘクトルの復讐に燃えるパリスが現れ、アキレスに矢を放つ。踵を射抜かれて崩れ落ちるアキレスはさらに胸に矢を受け、ブリセイスに逃げるよう伝えて息絶える。

生き延びたオデュッセウスは、やがてこの戦いは伝説となり、男たちの名が英雄として語り継がれていくだろうことを確信する。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
劇場公開版 テレビ朝日
アキレス ブラッド・ピット 咲野俊介 山寺宏一
ヘクトル エリック・バナ 寺杣昌紀 内田直哉
パリス オーランド・ブルーム 平川大輔
ヘレン ダイアン・クルーガー 田中敦子 岡寛恵
オデュッセウス ショーン・ビーン 大塚芳忠 磯部勉
アガメムノン ブライアン・コックス 内海賢二 石田太郎
プリアモス ピーター・オトゥール 大木民夫 羽佐間道夫
メネラオス ブレンダン・グリーソン 稲葉実 石田圭祐
テティス ジュリー・クリスティ 北浜晴子 -[3]
ブリセイス ローズ・バーン 小林さやか 弓場沙織
アンドロマケ サフロン・バロウズ 野沢由香里 八十川真由野
トリオパス英語版 ジュリアン・グローヴァー 坂口芳貞 青野武
ネストル ジョン・シュラプネル英語版 内田稔
パトロクロス ギャレット・ヘドランド 加瀬康之 竹若拓磨
グラウコス ジェームズ・コスモ 村松康雄 藤本譲
エウドロス ヴィンセント・リーガン 内田直哉 牛山茂
アイアス タイラー・メイン 石住昭彦 斎藤志郎
その他 N/A 長嶝高士
仲野裕
辻親八
石井隆夫
桐本琢也
岩田安生
原田晃
本田貴子
里見圭一郎
魚建
園部好徳
近藤広務
田中一永
藤本たかひろ
藤井啓輔
市川まゆ美
村上あかね
中博史
青山穣
木村雅史
白熊寛嗣
津々見沙月
奈良徹
北沢力
ナレーション 屋良有作
演出 羽田野千賀子 伊達康将
翻訳 佐藤恵子
  • 劇場公開版:VHS・通常版DVD収録
後発されたディレクターズ・カット版DVDとBlu-ray Discには収録されていない。
『日曜洋画劇場』の「40周年特別企画」として放送された。

  1. ^ a b Troy (2004)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年2月8日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)640頁
  3. ^ テレビ朝日版では登場シーンがカットされているため登場しない。
  4. ^ Flynn, Gillian (May 2004). “MEN AND MYTHS”. Entertainment Weekly. https://www.ew.com/ew/article/0,,633152,00.html 2012年2月20日閲覧。. 
  5. ^ Troy - Malta Movie Map”. MaltaMovieMap.VisitMalta.com. 2004年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月30日閲覧。
  6. ^ 2006「文化破壊という蛮行について」『文藝春秋』84(4):92f.
  7. ^ 2006年6月号『日経エンタテインメント!』(日経BP社


「トロイ (映画)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トロイ (映画)」の関連用語

トロイ (映画)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トロイ (映画)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトロイ (映画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS