ダイレクトメール 日本国内におけるDMの種類

ダイレクトメール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 00:41 UTC 版)

日本国内におけるDMの種類

郵便制度そのものが長く国家の事業・制度であったため、現在においても郵便事業株式会社による分類によるところが大きい。郵便制度の自由化によって新たな参入も登場してきたもの[6]、現在でも郵便と呼称出来るのは郵便事業株式会社のみであり、独占事業であることから、同社サービス(旧郵便制度)を基準にせざるを得ない。

取得支援会社

法人がダイレクトメールの発送を行う際には、直接運送キャリアへ依頼するのではなく、大量発送ボリュームで発送料金を下げるコンサルティングを行うDM発送代行業者に委託するケースが一般的である。 各社サービス価格には差がある。 シェアを取る主なDM発送代行会社 ・株式会社ユーピーエフ ・株式会社日経BP社 ・株式会社アドダイセン ・株式会社アテナ

最近の傾向

顧客データによって異なる情報を印刷するバリアブル印刷オンデマンド印刷とも言う)、インターネットとの連携などが増えている。背後にはデータベースに基づくテクノロジーを必要としており例年手法の高度化が見られる。また、単発ではなく、その後の反応によってメッセージを変えていくクロスメディア的な展開も増えている。一方で手紙としての機能を徹底追及しているものもある。[7]

バリアブル印刷とDM

顧客データベースを元に、顧客の購買傾向、嗜好に合わせたメッセージの展開を行う。ダイレクトメールは手紙が基本だと言われているため、元来は一人一人に異なるメッセージを送るのが理想とされていた。ところが実際には大量に送る。これをコンピュータの技術を加味して可変情報を送る。なお、この可変情報を送るには顧客分析が必要である。

インターネットとDM

  1. 印刷物であるDMにQRコードやデジマークといった物を印刷することにより、携帯電話コンテンツにアクセスすることが出来る。印刷物を通じて、動画やインターネット上のコンテンツを伝えることが出来る。
  2. レスポンスの方法としてインターネットや携帯電話を使うこともある。
  3. インターネット企業がDMをするようになってきた。

クロスメディア展開とDM

顧客の反応の把握しながら、複数回のアプローチを行う。 <例>

  1. 1回目は定型外の封筒で送り、2回目は定型サイズで送る、あるいはその逆を行って商品の理解を深めてもらう。
  2. 毎月あるいは定期的にカタログを送付する。その際、途中に挨拶状やアンケートなどを送る。
  3. 1回目はDMのみで関係、2回目はインターネットへ誘導、3回目はDVD付のDMを送るなど。

広告費に占める割合

広告費に占める割合は大きなものとなっており4000億円程度(ただしこれには制作費、印刷費、データベース運営費、フルフィルメント費用等は含まれていない)[8]

全日本DM大賞

全日本DM大賞は、広告戦略としてのDM(ダイレクトメール)作品を評価する日本最大の賞。戦略性、クリエイティブ、効果の3つの側面から評価がなされ、ダイレクトメールの最新の傾向が分かる。

主催

  • 第1回~第21回までは社団法人日本ダイレクト・メール協会の主催であった。
  • 第22回以降は主催・郵便事業株式会社、協賛・株式会社宣伝会議、社団法人日本印刷産業連合会、社団法人日本ダイレクト・メール協会、社団法人日本マーケティング協会、東京コピーライターズクラブ、NPO法人ダイレクトメール推進協議会

審査手順

毎年約700点前後の応募があり、一次審査を経て、最終審査に持ち込まれる。最終審査に残るのは約50点程度である。その中から更に、金賞グランプリ1点、金賞3点、銀賞8点、銅賞12点、この他に審査委員特別賞3点が選ばれる。

審査委員

審査委員はダイレクトマーケティング界で代表的な人物によって構成される。審査委員一覧

受賞の傾向

年々、インターネットとの連携、バリアブル印刷の活用が進んでおり、また、ダイレクトマーケティングの理論を背景にするものが上位を占めるようになっており、受賞はかなりハードルが高くなってきている。[9]

関連書籍

事例で学ぶ 成功するDMの極意―全日本DM大賞年鑑 2011(宣伝会議、2011年)ISBN 978-4883352470

ダイレクトメールの利点

絞られたターゲットへ直接広告メッセージを送ることが出来ること。レスポンス率、CPRCPOと言ったコスト効果の検証を正確に行うことが出来ること。形状が自由であること。

絞られたターゲットとは、最近ではデータベースより抽出される。以前はRFMが主要な方法であったが、デシル分析やROI(投資収益率)を加味したゲインチャートによる抽出も代表的な方法である。最近ではデータマイニングも用いられる。

コスト効果とは、ターゲット母数が明確であるため、1円単位での計測が可能である。この点は視聴率、発行部数と言ったマスマーケティングの広告評価とは大きく異なる。顧客生涯価値(LTV)の計測により、永続的な対顧客コミュニケーションが可能となる。

形状が自由であるというのは、メッセージの量に限界が無いことを意味する。紙を折って広げられるようにしたり、サンプルを送付したり、香り、音声なども伝えられる。QRコードを印刷することによりインターネット携帯電話用のコンテンツとの連携を図ることも出来る。


  1. ^ 中澤功『体系ダイレクトマーケティング』(日経BP社、2005年)84頁参照。 ISBN 978-4478374863
  2. ^ 小林正利社団法人日本ダイレクト・メール協会、藤田浩二監修『DMの教科書』(社団法人日本ダイレクト・メール協会、2009年)14頁参照。
  3. ^ ワード・ハンソン著・上原征彦・長谷川真実『インターネットマーケティング原理と戦略』(日本経済新聞社2001年) 184頁。
  4. ^ 小林正利社団法人日本ダイレクト・メール協会、藤田浩二監修『DMの教科書』(社団法人日本ダイレクト・メール協会、2009年)。但し原典は不明
  5. ^ 小林正利社団法人日本ダイレクト・メール協会、藤田浩二監修『DMの教科書』(社団法人日本ダイレクト・メール協会、2009年)。但し原典は不明
  6. ^ 小林正利社団法人日本ダイレクト・メール協会、藤田浩二監修『DMの教科書』(社団法人日本ダイレクト・メール協会、2009年)10頁参照。
  7. ^ 事例で学ぶ 成功するDMの極意―全日本DM大賞年鑑 2011(宣伝会議、2011年)参照。ISBN 978-4883352470
  8. ^ 電通 日本の広告費2010 媒体別広告費参照。
  9. ^ 事例で学ぶ 成功するDMの極意―全日本DM大賞年鑑 2011(宣伝会議、2011年)参照。ISBN 978-4883352470


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