ソマリ語 ソマリ語の概要

ソマリ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/15 06:06 UTC 版)

ソマリ語
af Soomaali
話される国 ソマリア
ソマリランド
エチオピアソマリ州
ジブチ
 ケニア 北東部
地域 東アフリカアフリカの角
民族 ソマリ族
話者数 1500 - 2100万
言語系統
アフロ・アジア語族
表記体系 ラテン文字
公的地位
公用語 ソマリア
 ソマリランド
統制機関 ソマリ地域言語アカデミー英語版
言語コード
ISO 639-1 so
ISO 639-2 som
ISO 639-3 som
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ソマリ族の主な居住地であるアフリカ東部の「アフリカの角」、すなわちソマリアソマリランドエチオピアソマリ州ジブチケニア北東部で話される。しかしソマリア内戦により話者が世界中に離散したため、正確な話者数は不明である。移民を含めて1500万から2100万人いると推計される。

文法的には膠着語に分類される。また主題優勢言語にも数えられ(ただし動詞人称変化がある)、日本語の「は」に相当する主題指示語“baa”“ayaa”“waxaa”が用いられる。

話者数

ソマリ語の正確な話者数はよく分からない。ソマリア国内に778万人おり、全世界で1265万人いるとする報告がある[1]。一方、オランダのユトレヒト大学の調査によると、ソマリ族の推定人口は1000万人から1500万人である[2]。ソマリア国外の話者の推計は難しいが、それを合わせると1000万人から1600万人程度と思われる。

ソマリ語を公用語とする国・地域

ソマリ語はバーレ大統領時期の1972年にソマリアの公用語と定められ、標準ソマリ語(Standard Somali)が定められ、ラテン文字表記法が決められた。1990年代にソマリア内戦が始まると、国内にソマリランドプントランドなどの事実上の独立地域が作られたが、そこでの公用語もソマリ語とされている。

地理的分布

ソマリ語はソマリアジブチエチオピアイエメンケニアに住むソマリ族および祖国を離れて住むソマリ族が使っている。

方言

ソマリ族の分布

ソマリ語の方言は大きく分けて3つある。北部方言、ベナーディル方言(Benaadir)、マーイ方言(Maay)である。北部ソマリ語(北中部ソマリ語とも)は、標準ソマリ語の元にされた言語である。ベナーディル方言(沿岸ソマリ語)はベナディル海岸(Benadir Coast)のカダレ(Cadale)からメルカのあたりで使われており、首都モガディシュや、海岸から少し離れたところでも使われている。標準ソマリ語にはベナーディル方言の要素も取り入れられている。

マーイ方言はソマリア南部に住むラハンウェイン氏族 (Rahanweynの支族ディジル氏族 (Digilやミリフレ氏族 (Mirifleの方言であるが、かなり特殊である。最近の調査によると[3]、マーイ方言は他の大多数のソマリ族には理解できないものであった。マーイ方言の特徴は、いくつかの子音が無いことである。標準語で/ɖ/の音がマーイ方言では/r/になることが多い。

マーイ方言以外にも、ジーボ方言(Jiido)、ダバレ方言(Dabare)、ガッレ方言(Garre)、中央ツーニ方言(Central Tunni)などはソマリ語方言として標準語とかなりの差がある。特にジーボ方言は特殊性が高い。

母音と子音

ソマリ語には22の音素があるが、国際音声記号で言う喉頭蓋音だけは無い。基本の母音は5つであり、それぞれの母音に舌の前後(前方舌根性)、音の長短があるのでそれぞれを別の音と数えると20になる。また、声調にも高い、低い、下がるの3種がある。


  1. ^ Ethnologue: Somalia Ethnologue.com
  2. ^ SOMALIA historical demographic data of the whole country Universiteitsbibliotheek Utrecht
  3. ^ Diriye Abdullahi, 2000
  4. ^ Ministry of Information and National Guidance, Somalia, The writing of the Somali language, (Ministry of Information and National Guidance: 1974), p.5
  5. ^ Economist Intelligence Unit (Great Britain), Middle East annual review, (1975), p.229
  6. ^ Andrew Simpson, Language and National Identity in Africa, (Oxford University Press: 2008), p.288
  7. ^ David D. Laitin, Politics, Language, and Thought: The Somali Experience, (University Of Chicago Press: 1977), pp.86-87


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