オプション取引 原資産

オプション取引

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 08:44 UTC 版)

原資産

原資産が株式であれば株式オプション、金利であれば金利オプション、通貨であれば通貨オプションという。原資産として、このような物が扱われている[5]

原資産は現物ではなく先物の場合もあり、それを先物オプション(futures options)と言う。

原資産がスワップ取引であるものをスワップションという。権利行使日に一定条件のスワップ取引を行うことができる権利を売買する取引である。

ストックオプションは株式オプションのことであるが、日本語でストックオプションという場合は、経営者や従業員に対して支払われる報酬の一種のことを指す。

種類

権利行使の形態による種類

コールオプション
原資産を権利行使価格で買う権利のオプション
プットオプション
原資産を権利行使価格で売る権利のオプション

プットオプションを行使された場合は、売り手は対象原資産を必ず権利行使価格で買い取らなくてはならない。

権利行使の期日による分類

オプションは、権利行使のできるタイミングに着目すると、次の3つのタイプに分類できる。

ヨーロピアン・タイプ
権利行使日のみに権利行使が可能である。
アメリカン・タイプ
取引日から権利行使の最終日までいつでも権利行使が可能である。
バミューダン・タイプ
あらかじめ複数の権利行使日が設定されており、そのうちのいずれかの日において権利行使が可能である。名前の由来は、バミューダ諸島ヨーロッパアメリカの中間に位置することによる。

オプションの種類

オプションには、大まかに次のような種類がある。※市場により、語彙や説明が異なることがあるので注意

  • バニラ・オプション(vanilla option)やプレーン・バニラ・オプション(plain vanilla option)やノン・エキゾチック・オプション(non-exotic option) - 通常のオプション。
  • エキゾチック・オプション(exotic option) - 通常のオプションに色々な付加的な条件を設定したもので、以下のようなものがある。
    • ノックイン・オプション - 特定の期間内または特定の期日に或る価格に達するなどの条件を満たした場合に有効になる。
    • ノックアウト・オプション - 特定の期間内または特定の期日に或る価格に達するなどの条件を満たした場合に無効になる。
    • バリアー・オプション(barrier option)
      • ノックアウトオプション(knock-out option)
      • ノックインオプション(knock-in option)
    • バイナリーオプション(binary option)やデジタルオプション(digital option) - 満期日に特定の条件を満たすと決められた価値を持つ。[6]
      • キャッシュ・オア・ナッシング(cash-or-nothing)
      • アセット・オア・ナッシング (asset-or-nothing)
      • ラダー・オプション(ladder option)
      • レンジ・オプション(range option)
      • タッチ・オプション(touch option)

金利オプションの種類

キャップ
変動金利に対して、支払金利の上限を設定することができるオプション取引である。
フロア
変動金利に対して、受取金利の下限を設定することができるオプション取引である。
カラー
変動金利に対して、上限金利と下限金利を設定することができるオプション取引である。カラーは、キャップとフロアの組み合わせで合成される取引である。
カラーの購入=キャップの購入+フロアの売却
カラーの売却=キャップの売却+フロアの購入

カバードワラント

カバードワラントは証券化された一種のオプションであり、個別株・株価指数・原油などの種類がある。ただし売りから取引を開始することはできない。

市場

日本で代表的なオプション取引の市場は大阪取引所で取引される日経225オプション取引である。大阪取引所では、他にも個別株、債券、貴金属、ゴム、農産物などのオプション取引が扱われている。

アメリカでは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)やインターコンチネンタル取引所(ICE)などで様々な商品が取引されている。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、チーズ、バター、卵を取引していたが、プラチナ、パラジウム、及びエネルギー(原油、ガソリン、等)これらのオプションに重点を変えた。

外国為替オプションは、日本においては、銀行と企業間などでの取引は多いが、個人投資家が売買する場合はいくつかの日本の証券会社は店頭デリバティブ取引として扱っていて[7]市場デリバティブ取引を行いたい場合は、アメリカなどの証券会社からアメリカの市場を使用すると良い。


注釈

  1. ^ ただしこれ以外にも、2.で(特にアウト・オブ・ザ・マネーの)オプションを単独で売り立てたような場合は、原資産価格が動かなくても利益が得られることがある。

出典







オプション取引と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「オプション取引」に関係したコラム

  • バイナリーオプションの初心者向け入門サイト一覧

    バイナリーオプションは、FXと同じように外国為替を扱う商品ですが、仕組みや取引のルールはFXと異なります。次のリストは、これからバイナリーオプションを始めようとする初心者向けに、バイナリーオプションの...

  • ETFや株式の取引の際に必要な費用は

    ETFや株式の取引をするために証券会社に口座を開設した際や取引の際にはさまざまな費用がかかります。ここでは、どのような費用があるのかをまとめてみました。▼取引手数料ETFや株式を売買した時に発生する費...

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オプション取引」の関連用語

オプション取引のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オプション取引のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオプション取引 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS