わが青春のアルカディア 商品展開

わが青春のアルカディア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 09:59 UTC 版)

商品展開

プラモデル
バンダイから1/1000スケールアルカディア号が発売。TV宇宙海賊の鋭角艦首版のプラスチックモデルタカラから発売されていたが、こちらの艦首髑髏版はバンダイから発売。
この他艦首髑髏版は縮小された1/1600スケールで発売された他、続編の『SSX』とも合わせた商品展開では、同1/1600スケールのデスシャドウ号とクイーンエメラルダス号も登場。
ゲーム
バンダイifシリーズ「わが青春のアルカディア」
ウォー・シミュレーションゲーム(カード戦闘システムによるボードゲーム)。ハーロックVSゼーダの幾多の宿命の対決をストーリー仕立に織り混ぜてゲーム化。
アーケードゲーム
シグマ(現・KeyHolder)が開発した『ニューヨークニューヨーク』の、背景(自由の女神からハーロックへ)やBGMを変更したバージョン。正式にライセンスを取っているが、敵のグラフィックなどは何も変えないまま、インストラクションカードで「イルミダス軍」と表示している。
小説
本作の脚本を担当した尾中による上下巻の集英社コバルト文庫版と、井口佳江子によるソノラマ文庫版のほか、低年齢層向けには三浦清史による上下巻の集英社モンキー文庫版がある。コバルト版ではハーロックが純粋にハーロック一族の血を引く者ではなく、頬に傷を持って捨てられた赤子をハーロック夫妻が拾って育てたという筆者オリジナル設定となっている。

その他

  • 『わが青春のアルカディア』のタイトルを用いた作品は、1976年に松本により『戦場まんがシリーズ』の一編として描かれており、単行本と納められている短編のタイトル名としても使われている。原題は『不滅のアルカディア』で、単行本収録に伴い改題された。
  • 『戦場まんがシリーズ』では、ファントム・F・ハーロックII世を主人公にしている。ハーロック家の先祖は文字通りの海賊だったが、ハーロックII世はナチス・ドイツ空軍のエースパイロットだった。そこで、照準器開発のため渡独していた日本人技術者の台場元と出会う。その後、フランスレジスタンスにより両目を潰され失明。戦後は西ドイツで晩年を過ごした。映画では、台場が大山トチローの祖先・大山敏郎に変更されている。
  • 本作に登場するハーロックの先祖のエピソードはこの短編と、同じく『戦場まんがシリーズ』の「スタンレーの魔女」がベースとなっている。またハーロックがスタンレーに挑んだ先祖にならい、突破しようとする宇宙の難所・二重太陽ベスベラスや恋人のマーヤ、トカーガ人の戦士ゾルとその妹ミラの宇宙葬を行う惑星トリケラトプスなど本作で舞台となる場所は『クイーン・エメラルダス』で登場している。
  • イルミダスに敗れて地球に帰還したハーロックがトチローと出会うあたりの描写は、1980年に小説ジュニアに3回にわたって連載された松本零士自身による小説「ハルダートシリーズ(1)陽炎軌道・(2)赤いデスシャドー・(3)掲げよわが旗を」をベースにしている。「ハルダートシリーズ」は後に単行本「零次元宇宙年代記」収録時に一部キャラクター名を変更し「ガンフロンティアII」と改題された。
  • 本作の予告編2本に登場するアルカディア号の映像には、アニメ映画『銀河鉄道999』からのものが一部使用されている。
  • 予告編の映像ではハーロックの右目はゾルに銃で撃ち抜かれていたり、Y字架にかけられたエメラルダスの戦闘服が切り裂かれるシーンがあるが、いずれも本編では使用されていない。本編では前者はイルミダス兵の銃撃を受けて右目を負傷する、後者はY字架に架けられた段階ですでに戦闘服が切り裂かれた状態になっているものに変更されている。
  • 本作を制作した東急エージェンシーの親会社である東急電鉄では、本作の公開にあわせこどもの国で開催されたイベント向けに東急田園都市線で臨時列車『アルカディア1号』を運行した。乗客は事前応募制の抽選で選ばれ、運行区間は渋谷から長津田までの片道、長津田駅こどもの国線普通列車(『アルカディア2号』)に接続するダイヤだった。いずれの列車も車体正面には海賊旗と『アルカディア1号(2号)』というステッカー装飾がなされた。当初は1982年8月3日の運転予定であったが、台風の影響で4日に順延された。
  • 押井守は映画版に関して、「殆ど全編が愁嘆場だけで作られた壮烈な映画」と評しており、10分間隔で愁嘆場が発生し、登場人物たちが只管泣きまくる描写に加えて、洋画『さらば友よ』を引き合いに、90年代当時は死語となっていた言葉の羅列が多く、それらが松本零士特有のロマンチシズムから来るものであると理解はしつつも、大嫌いな世界観だと述べた上で、「誰か止める奴はいなかったのかと思うくらい凄く異様な映画だった」と語っている[7]

脚注


注釈

  1. ^ 集英社コバルト文庫では、フルネームが「マーヤ・ローゼンバーグ」。
  2. ^ 書物によっては[要出典]、ジュラ星人になっている。
  3. ^ 尾中洋一のコバルト版では生き残っていた同種族と会っている。
  4. ^ 原作漫画ではマゾーンの手先となって戦わされたことを恥じて自決(アレンジ作品である『キャプテンハーロック 次元航海』も同じ)し、アニメではマゾーンと戦って玉砕する。
  5. ^ 朝日ソノラマの小説版ではペリケレス、コバルト文庫の小説版ではザジという名前がある。
  6. ^ 脚本の尾中はミラがお気に入りのキャラクターであり、本編で死なせたことを後悔し、小説版ではミラを最後まで生かすアレンジをした経緯があとがきに書かれている。
  7. ^ コバルト版によると、フルネームは「ヘリケラス・ムリグソン」。
  8. ^ 本編では名前は出ていないが、設定画にはゲルクバルドと記載されている[5]。朝日ソノラマの小説版ではバリメダスという名前がある。コバルト文庫の小説版ではアクレスという女性に変更されている。
  9. ^ 公開後に発売されたドラマ編のレコードと、ファントム・F・ハーロックのシーンから始まる予告編では井上真樹夫。

出典

  1. ^ 『キネマ旬報』1983年2月下旬号、キネマ旬報社[要ページ番号] 
  2. ^ 斉藤守彦 (2009年6月21日). “特殊映像ラボラトリー第9回「クールアニメ・マーケティング・ヒストリー」「宇宙戦艦ヤマト」”. アニメ!アニメ!ビズ. アニメアニメジャパン. 2011年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月24日閲覧。
  3. ^ a b 「LOOK今週の話題・人と事件『声優をコケにする石原裕次郎ひと声一千万円の荒稼ぎ』」『週刊現代』1982年7月10日号、講談社、51頁。 
  4. ^ ロマンアルバム 1982, p. 63
  5. ^ ロマンアルバム 1982, p. 65
  6. ^ ロマンアルバム 1982, p. 42
  7. ^ 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会』、1993年12月30日発行、庵野秀明・編、ハッピー興行新社、P68






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