きく8号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 15:43 UTC 版)
計画の推移
- 2006年
- 2007年
- 1月8日:所定の位置である東経146度にて、衛星の静止化完了。
- 1月30日:低雑音増幅器(LNA)の電源投入試験中、異常が発生[1]。新聞報道によると、異常が発生したのは受信側アンテナの増幅器であり、電源を投入する命令を送ったところ、断続的にオン・オフを繰り返す現象が発生した。予備電源系統も同様の状態だという。送信側アンテナは正常であるが、復旧しない場合は今後の地上との通信試験が大きく制約される可能性がある。2月21日現在、8系統ある増幅器のうち1系統でショートしている可能性が高いとされている。
- 4月25日:定常運用へ移行した。故障している受信側アンテナの低雑音増幅器電源(LNA-PS)については、引き続き原因の調査および対策方法の検討が行われている。LNA-PS以外の装置については、問題は起きていない。
- 9月5日:きく8号の実験成果の中間報告が行われた。大型展開アンテナ(LDR)の鏡面精度や利得、測位システムの精度は設計どおり。磁場や帯電などの宇宙環境をモニタするための技術データ取得装置(TEDA)も正常に稼動している。きく8号の通信機能を使用した防災訓練も行われた[2]。
- 2008年
- 2010年1月8日:定常運用を終了し、後期利用段階へ移行[4]。
- 2011年
- 3月24日:東北地方太平洋沖地震の災害対策支援として情報通信研究機構と協力の上、岩手県大船渡市市役所に地上アンテナと可搬型通信実験端末を設置。筑波宇宙センター経由で768kbbsの衛星通信回線を接続し、市職員にインターネット接続環境を提供[5][6]。
- 4月4日:同様に災害対策支援として岩手県上閉伊郡大槌町中央公民館に地上アンテナと可搬型通信実験端末を設置。一般の被災者向けにインターネット接続環境を提供[6]。
- 4月10日:大船渡市役所への衛星通信回線の接続提供を終了[6]。
- 4月21日:大槌町中央公民館への衛星通信回線の接続提供を終了[6]。
- 4月26日:宮城県女川町嵩白浜の避難所へ地上アンテナと可搬型通信実験端末を設置。一般の被災者向けにインターネット接続環境を提供[6]。
- 5月12日:地上通信系インフラの復旧にともない、女川町嵩白浜の避難所への衛星通信回線の接続提供を終了。東北地方太平洋沖地震におけるきく8号による災害対策支援が終了[6]。
- 2017年1月10日15時25分 (JST):停波作業を実施し、運用を終了[7]。
- ^ “技術試験衛星VIII型(ETS-VIII:きく8号)通信系ミッション機器の異常について”. JAXA (2007年2月2日). 2011年8月25日閲覧。
- ^ “技術試験衛星VIII型「きく8号」実験成果中間報告”. JAXA (2007年9月5日). 2011年8月25日閲覧。
- ^ “技術試験衛星VIII型「きく8号」のイオンエンジン異常について”. JAXA (2008年1月28日). 2011年8月25日閲覧。
- ^ “技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)定常段階終了と後期利用計画について”. JAXA (2010年6月2日). 2011年8月25日閲覧。
- ^ “技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)による東北地方太平洋沖地震の災害対策支援における人工衛星回線の接続開始について”. JAXA (2011年3月24日). 2011年8月25日閲覧。
- ^ a b c d e f “技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)による災害対策支援”. JAXA. 2011年8月25日閲覧。
- ^ “「きく8号」の運用終了について”. JAXA (2017年1月11日). 2017年1月12日閲覧。
- ^ “技術試験衛星VIII型(ETS-VIII)の愛称、キャッチフレーズ、シンボルキャラクターについて”. JAXA (2006年10月21日). 2011年8月25日閲覧。
固有名詞の分類
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