きく8号 きく8号の概要

きく8号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 15:43 UTC 版)

技術試験衛星VIII型
「きく8号(ETS-VIII)」
所属 JAXA, NICT, NTT
主製造業者 三菱電機
公式ページ 技術試験衛星VIII型「きく8号(ETS-VIII)
国際標識番号 2006-059A
カタログ番号 29656
状態 運用終了
目的 3t級静止衛星バスシステム及び移動体通信の実証
設計寿命 3年(ミッション機器)
10年(バス機器)
打上げ機 H-IIAロケット 11号機
打上げ日時 2006年12月18日15:32 (JST)
軌道投入日 2007年1月8日19:59 (JST)
運用終了日 2017年1月10日
停波日 2017年1月10日15:25 (JST)
物理的特長
衛星バス DS2000
本体寸法 2.45 m × 2.35 m × 7.3 m
最大寸法 40 m (太陽電池パドル端間)
37 m (展開アンテナ端間)
質量 5.8 t (打ち上げ時)
2.8 t (静止軌道投入時)
1.1 t (ペイロード)
発生電力 7.5 kW(3年後夏至)
主な推進器 500N級2液式化学スラスタR-4D-11
25mN級キセノンイオンエンジン XIES
姿勢制御方式 3軸姿勢制御
軌道要素
周回対象 地球
軌道 静止軌道
静止経度 東経146度
高度 (h) 約 36,000 km
軌道傾斜角 (i) 0度
軌道周期 (P) 1日
搭載機器
LDR 大型展開アンテナ反射鏡部
LDAF 大型展開アンテナ給電部
SCNE S帯コンバータ部
OBP 音声通信用搭載交換機
PKT 高速データ通信用衛星搭載パケット交換機
FLCE Ka帯フィーダリンク装置
HAC 高精度時刻基準装置
TCE 高精度時刻比較装置
SLR レーザー反射鏡
DPR 展開ラジエータ
TEDA 技術データ取得装置
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目的

当機は移動体通信、特に打ち上げ時期である2006年当時一般的であった携帯電話に見られるようなハンディタイプの端末と衛星との直接通信を可能にする技術を目的として開発された。当時の携帯電話は通信に地上の基地局が必要であり、一般に山間部や海上ではサービスが提供されていなかった。また災害発生時も通話が困難になることが多かった。当機は山間部、海上、災害発生域で安定した通信サービスを提供することを目標とした。また測位システムに静止衛星を利用するための実験も行う。ミッション期間は3年、衛星の寿命は10年の予定。

機体

  • 質量 : 2,800 kg (静止軌道投入時)
  • 寸法
    • 本体 : 2.45 m × 2.35 m × 7.3 m
    • パドル全長 : 40 m
    • 大型展開アンテナ(片側): 19 m × 17 m
    • アンテナ全長 : 37 m

大型展開アンテナは片側が六角形のモジュール14個を並べたような構造をしている。打ち上げ時は折りたたまれており、軌道上で傘を開く要領で展開される。鏡面はメッキを施したモリブデン線を編んで作ったメッシュになっている。同アンテナは計画が中止されたASTRO-Gでも採用される予定であった。また日本の人工衛星の歴史上初めてセシウム原子時計を搭載した衛星でもある。

大型展開アンテナ小型・部分モデル(LDREX-1/2)

LDREXは「きく8号」に搭載される大型展開アンテナ(LDR)の部分モデルであり、LDRが宇宙空間で正しく展開できるかどうか確認するための試験機である。きく8号のアンテナが片側14個のモジュールからなるのにたいし、LDREXでは7個のモジュールからなる。

LDREXは2000年12月20日0時26分(UTC)にアリアン5で打ち上げられたが、正常に展開しなかった。

LDREX-2は2006年10月13日20時56分(UTC)にアリアン5で打ち上げられ、正常に展開したことが確認された。




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